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シヴァ・ビンドゥ03. グヤサマジャ

オウム真理教の本尊であるグヤサマジャは、シヴァ大神(男神)とパールヴァティー女神の合一を描いている宗教画です。男神と女神、男性エネルギー(陽)と女性エネルギー(陰)のダイナミズムと合一、チベット密教でいうヤブユム(男女両尊)です。

このように陰と陽という正反対のエネルギーが合一することは、ヨーガでは左気道(イダー管)と右気道(ピンガラ管)の統合としての中央気道(スシュムナー管)への道として表現されています。

この中央気道への道を仏教では「中道」と表現しているように思われますし、道教の「道(タオ)」をあらわす「太極図」もまた「陰」と「陽」という対立するエネルギーのダイナミズムと調和をあらわしたシンボルです。以下にそれぞれのシンボル、図式をあげます。

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オウム真理教のグヤサマジャ

<グヤサマジャ>シヴァ神(男性エネルギー)とパールヴァティー女神(女性エネルギー)の合一。男性原理と女性原理という対立物のダイナミズムと統合。

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ヨーガの3つの気道とチャクラ

三管の図>ヨーガにおいて、左の気道(イダー管)と右の気道(ピンガラ管)を浄化し、中央気道(スシュムナー管)へとエネルギーを導き入ることは、左のエネルギーと右のエネルギーという対立物のダイナミズムと統合。

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道教・仙道の太極図

太極図>陰(女性エネルギー)と陽(男性エネルギー)のダイナミズムと統合・調和としての「道(タオ)」の状態。

このように、オウムの祭壇に掲げられていたグヤサマジャがあらわす真理とは、「対立するもの(両極)が結びついたところにあらわれるもの」ということができます。オウムはこのような真理=「シヴァ大神」を信仰する宗教で、麻原教祖は弟子をこのような真理(シヴァ大神)へと導くグルでした。

そして、オウムにはもうひとつ重要な統合のシンボルがありました。「磔刑たっけいのキリスト」です。

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