クリークアンドリバー 2012年2月期本決算
会社概要
1990年創業、コンテンツビジネスを中心に、映像・ゲーム分野の人材派遣と制作が主力。会社HPでは、国内で放送するテレビ番組の約45%に会社にのディレクターが関わる。Web、ゲーム、広告・出版・・・と徐々にクリエイティブ分野で事業拡大し、最近では医師、ITエンジニア、弁護士、会計士などプロに対する人材育成やマーケティング、プロジェクトマネジメントスキルをもとに営業、台湾ベンチャーとの協業によるAI分野にも進出。
転換する事業は以下
クリエイティブ分野(日本)・・・69.8%(2021年売上比)
クリエイティブ分野(韓国)・・・ 8.7%
医療分野 ・・・10.5%
会計・法曹分野 ・・・ 5.3%
そのほか ・・・ 5.8%
株価チャート(月足)
決算発表は引け後であり、昨日は陰線を引いて引けている。昨年10月に上場来高値を更新し、現在も高値更新を狙う相場転換となっている。
中期経営の概要
昨日の引け後に発表した中期計画では、
2021年2月期までの10年間の売上高平均成長率は10.8%/営業利益平均成長率は16.1%となります。
このように発表した。
決算概要 11期連続増収、2期連続最高益
今年1月通期見通しを上方修正したが、更に上振れ着地となった。
今期の連結経常利益は24.8億円(前期比18.2%増)、同時に来季見通しも発表し、今期比14.7%増の28.5億円を見込み3期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。今期4Qの連結経常利益は5.4億円(前年同期比23.5%増)であった。なお同時に増配を発表し、1円増配(16から17円)。
今期の事業概要
事業運営は、クリエイター、医師、ITエンジニア、弁護士、会計士、建築士、ファッションデザイナー、シェフ、研究者、舞台芸術家等、専門的な能力を有する幅広い顧客へのニーズは底堅く推移。
感染拡大における影響は、医療分野関連のイベント中止、ファッション・食領域における需要激減、VR機材の中国サプライチェーン停止に伴う注文キャンセル、会計・法曹分野の人材紹介事業の需要減少があった。中核であるクリエイティブ分野(日本)と医療分野におけるエージェンシー事業や、電子書籍やYouTube等のライツマネジメント事業が好調推移。
販促費と管理費の効率化に取り組み、働き方見直しや無駄排除は前期同様に改善。更に、エコノミックインデックス株式会社を株式譲渡により非連結化し、税金費用減少し当期純利益が改善
クリエイティブ分野(日本)今期業況
株式会社クレイテックワークス(連結子会社)と株式会社ウイング(連結子会社)が収益の軸。
映像・TV・映像技術関連分野は、TV局各局の番組制作需要に対する派遣事業が伸長。加えて、社内スタジオ中心にコンテンツの企画・制作力を強化。株式会社ウイングは、NHK及び関連会社への番組制作・編集部門へのスタッフ派遣、気象キャスターの派遣等を展開し、動画クリエイターをサポートするMCNはYouTuberにアップロードされた動画再生回数が順調に増加。
その他として、「カンパニー報道局」の提供開始など、制作スタジオでの制作受託や、IP(知的財産)を活用した自社開発を推進。育成機関「クリエイティブ・アカデミー」の運営を通じて、外国籍人材の積極的な登用を通じた人手不足のゲーム業界のニーズに対応中。変わったところでドローン事業も行なっている。
今年2月に発売した、NintendoSwitch用RPG「ブレイブリーデフォルトII」。連結子会社株式会社クレイテックワークスが受託開発し、株式会社スクウェア・エニックスより発売され、順調に実績を積み重ねる。
今後の見通し
米中貿易摩擦や感染拡大は経済や社会への影響する。しかし業績から幅広くコンテンツを保有し、各分野の専門性を高めより成長期待はある。
リスク要因として既存メディアによる収益に依存する体質であるといえ、その脱却を図っていることは評価できる一方で、コンテンツ産業は厳しい競争下にあり、生き残りを前提とした経営となると思う。