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ニチハ 2021年3月期決算(短信)

会社概要

 1956年創業した時は「日本ハードボード工業株式会社」、繊維板の製造販売を開始。その後現社名に変更し現在に至る。 現在、石綿を使用しない窯業系サイディングの開発に成功し住宅性能の向上につながる高品質の商品を市場に提供している。従業員数1,310名(2020年決算時)。

事業内容
 窯業系外装材の製造および販売
 金属系外装材の販売
 ハードボード、各種建築材料の販売

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決算の概要

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 売上高 1,199.42億4円(前年比△3.1%)
 営業利益 120.29億円(前年比△8.2%)
 経常利益 122.48億円(前年比△9.3%)
 純利益  89.02億円(前年比△17.4%)

□減収減益の要因
 ・在庫減による売上減少が影響(売上)
 ・特別利益に受取和解金10.13億円、特別損失を11.11億円計上(相殺)
 ・中国子会社における固定資産売却益が消失(純利益)
□その他
・エネルギー価格を含めた生産コストや営業固定費の削減が進捗、

次期の見通し

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業績予想 増収増益を見込む

予想の背景事項
 ・窯業系外装材の国内需要は減少(会社見積り)
 ・米国市場は今期横ばい、セクターとして更に業績拡大
業績拡大の方向性

 ・高付加価値商品を軸に拡販に努めシェアアップ
 ・非住宅市場でさらなる販路拡大
 ・海外事業(米国以外)の市場開拓を一層強化
 ・フレート高騰をサプライチェーン全般にわたる削減を強力推進

※フレート:オーシャンフレート(Ocean Freight)の略、海上運賃を指す
      海上輸送の対価として船会社に支払う輸送費

ハイライト

□懸案事項
・材木価格の高騰
 ウッドショック(世界的な木材不足と価格高騰)による市場の落ち込み
 →国内の年間新設住宅着工戸数が5%程度減少(会社見積り)
 →窯業系外装材の国内需要は減少
・新設住宅着工戸数は消費増税の影響で減少傾向が継続
 →年度全体では812千戸と前年度比8.1%の減少
・「窯業系外装材」の業界全体の国内販売数量は前年度比9.7%減少
□業績ハイライト
 ・業界内シェア 通期54.5%(前期比3.5%増)、4'21は55.7%(同3.1%増)
 ・耐候性等に優れた「Fu-ge」や塗膜30年保証に対応した商品の販路拡大
 ・高付加価値商品の拡販、開始した高級品タイプの軽量化
 ・米国事業を始めとする海外マーケットの開拓進展
 ・国内非住宅市場の開拓
  商業施設向け、中高層建築物向けの開拓
 ・各種領域にわたる徹底したコストダウン

財務の概要(前会計年度末比)

純資産 75.53億円
総資産 61.14億円
自己資本比率 69.0%(2.3%増)
□増減要因(主要)
 ・流動資産 商品及び製品   39.27億円減
       現金及び預金   29.63億円増
       未収入金     11.47億円増
         (計) 1.31億円減
 
・固定資産 有形固定資産   51.13億円増
       投資その他の資産 12.35億円増
         (計) 62.54億円増
 ・流動負債 15.93億円減
 ・固定負債 1.54億円増
  (負債合計)14.38億円減


キャッシュフロー

□現金及び現金同等物  396億88百万円(前年比29.63億円増)

 ・営業CF  158.6億円(前年比22億円の減少)
 ・投資CF -111.62億円(前年比20.22億円の増加)
 ・財務CF  15.56億円(前年比29.17億円の減少)
□CFの増減要因
 ・営業CF  償却前利益に168.36億円を計上(収入)
       たな卸資産 35.64億64円減少(収入)
       法人税等の支払額 44.96億円(支出)
 ・投資CF  有形固定資産の取得 108.41億円(支出)
       無形固定資産の取得 4.2億円(支出)
 ・財務CF  配当金の支払額 21.05億円(支出)
       長期・短期借入金 6.49億円(収入)

配当について(増配)

□期末配当額
 ・中間配当金27円50銭に加え、期末配当金を7円増額し
 ・1株につき普通配当45円50銭を予定

□ 利益配分に関する基本方針 連結配当性向を30%以上
 ・次期以降は35%以上に引き上げ予定
 ・中間配当と期末配当の年2回(変化なし)
 ・中間配当額は、年間配当を基礎とし業績を踏まえ決定