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ラブライブ!スーパースター!!第1話「まだ名もないキモチ」感想

やられました。期待して観たら期待以上のもので殴られたって感じ。
1話を見た直後の感情を自分なりにまとめてみたものです。

1.澁谷かのんが主人公の物語

当たり前ですが。
あえて過去のラブライブシリーズの主人公との違いをここでは書いてみる。
まず、5人の少女がスクールアイドルLiella!を始めるきっかけは彼女の発案ではないこと。
例えば1作目、ラブライブ!では廃校の事実を知った穂乃果が何か学校の特色になるものを探し、UDX学園の街頭ビジョンでスクールアイドルに出会う。衝撃を受けた彼女は幼馴染の海未とことりを誘う。これは2作目以降も同じで、千歌や侑(と歩夢)はスクールアイドルに憧れ、活動を始める。
けれど、今作ではスクールアイドルに憧れ、上海からやってきたクゥクゥがかのんの歌を聴きスクールアイドルに勧誘することから物語が動き出す。
この設定はドラマパートで明かされてはいた。だから、1話を見るまで、かのんは控えめでどちらかといえば引っ張られていくキャラクターだと勝手に思い込んでいた。

でも、それは違った。
「夢は歌でみんなを笑顔にすることです!!」とキラキラした目で語っていた少女が、次の瞬間にはステージ上で最悪の失敗をし、「バーカ、歌えたら苦労しないっつーの!」とやさぐれている。
いや、そりゃそうだよね。受験に失敗して、幼馴染みも中学の同級生も音楽科に進む中、自分だけが同じ高校の普通科に通わないといけない。
制服も別。どんな地獄だ???
たぶん現実にはよくあることだけど、やさぐれるでしょ、普通。

澁谷かのんはリアルな高校生として描かれつつ、感情を表に出すタイプなのが意外だった。コロコロと表情が変わり、家族の前ではちょっとだけ口が悪くなったり、恋を相手に食い下がったりする。
一方で、すごく格好いい子だなと思った。
出会ったばかりの子のためにスクールアイドルの勧誘を手伝う姿や、自分は落ちてしまったにも関わらず幼馴染みを心から応援できる姿は、本来の優しさのせいだと思うけれど格好いい。
最後のシーン、クゥクゥの「あなたとスクールアイドルをやりたい!」という訴えを拒絶し、ヘッドホンでまた外の音を閉ざしてしまった後、「本当にいいの?」と自問自答し、自分で殻を破って戻ってくる。
「やっぱり私、歌が好きだ!!」
そう叫ぶ彼女の元に白い羽根が降りてくるシーンは綺麗すぎて鳥肌が止まらなかった。

2.5人の少女を結ぶ物語

唐 可可について
スバラシイコエノヒト~…!!
スクールアイドルに憧れ上海から日本にやってきた行動力の塊。1話でかのんの歌声に惚れ込み、勧誘しまくる姿はどこかの旅館の末っ子のよう。
かのんの歌声を聞いて衝撃を受けた瞬間の顔が面白くて好き。興奮すると中国語(超早口)が出るのも可愛い。
スクールアイドルへの熱い想いや、一緒にやりたい!と語る言葉が素直で、「好きなことを頑張ることに、おしまいなんてあるんデスか!?」は熱くラブライブらしい名言。

嵐千砂都について
1話ではそれほどセリフが多いわけでは無かったけれど、印象に残ったシーンを。ヘンに慰めたり励ましたりせず、「歌、続けるんでしょ?」と言えるのが彼女の強さだと思う。普通、幼馴染だけが受験に失敗したらかなり気まずい、疎遠になってもおかしくないと思う。少なくともその話題には触れないだろう。だから、自然にこういう言葉が出てくることに二人の絆の強さだったり、かのんの歌が本当に好きだという思いが伝わってくるシーンだった。もしかしたら、ラブライブシリーズでこれまで描かれてきた幼馴染の関係とは、違う関係性がこの二人では描かれるのかもしれない。始まりは君の空のMVでもほんの少し示唆されていた過去も気になる。

葉月恋について
かのんと同じくらいアニメ前と印象が変わった人。ドラマパートではどちらかといえばおっとり、ふわっとしたお嬢様という印象だった。かしこいかわいい生徒会長よろしく真面目すぎる性格なので、新設校の結女を守らなくては、と使命感を感じてしまっているのかもしれない。彼女からしたら、スクールアイドルなんて訳の分からない活動の勧誘を勝手に始めたクゥクゥとかのんは悩みの種。
とはいえ、言い合いでも「相応しくない」「勝手なことはするな」とは言ったけれど、相手を悪く言ったり普通科を貶めたりはしないところが彼女らしい。(音楽科の生徒の邪魔にならないように、とは言ったけど。感じ悪さを出すための脚本の都合?)
アニメだと、かのんとはお互いに第一印象最悪っぽいけれど、今後どう仲間に引き入れられてしまうのか、とても楽しみ。
ゆるふわお嬢様な葉月恋を知りたい方は、始まりは君の空のドラマパートや朗読動画を是非……!

平案名すみれについて
私の期待値も界隈(?)の期待値も高かった、ご存知、あの平案名すみれ。
だけど、1話は出番が……あまりに少ない……。ギャラクシーカウンターも0のまま。ノーギャラクシーです。とはいえ、かのんと同じ挫折を味わっただろう彼女が今後どう物語に関わるのか楽しみ。

3.初めてNHK Eテレで放送されるラブライブ!

これまで再放送はあっても放送が始まったのはスーパースターがシリーズ初。今までも割とラブライブシリーズ推しだった公共放送さんが最近は番宣も兼ねてラブライブシリーズをなにかと取り上げてくれている。
「リエラのうた」とかいう、どう見ても「みんなのうた」のセルフパロをミニコーナーとしてぶっ込んでくる始末。
これ毎回曲変わるらしいです、気合い入りすぎでは??
NHKさん、年末とかいろいろ期待しちゃいますよ???

ところで、ラブライブシリーズでありがちなのが、過去作でもあった「ん?」となるシナリオのツッコミどころ。だけどラブライブ!はいつも「細かいことはいいんだよ!!」と小さな矛盾(小さくない時もあるけど)を蹴っ飛ばし、音楽とセリフの力で強引にストーリーを進めてしまう。

スーパースターの1話でも、突然かのんが歌い出したと思ったら、ついさっきまで「スクールアイドルが学校にとっていいものとは思えない」とか、「私を誰だと思ってるのぉ!?」とか言ってた恋とすみれまで参加してまだ結成していないLiella!全員で踊り出す
最後に「もしかして私、歌えた!?」って。
え? ウタエチャッタノォ??
ラブライブ老人会のオタクである私のような人間にとっては、これがラブライブだ!!と嬉しくなるけれど、好みが分かれるとは思う。(1作目の時からラブライブは割と好き嫌いが分かれるアニメだと思ってる)
この辺り、毎話の緻密な構成と丁寧な物語展開で既存のファン層以外の間でも話題になった虹ヶ咲のアニメとは違うところだ

だけど、思い出して欲しい。
ラブライブ!スーパースター!!は深夜アニメではない。日曜の19時のゴールデンタイム、NHKのEテレで放送されているアニメだ。ターゲットとなる年齢層は過去作に比べてより広い。そう考えれば、大切なのはストーリーの整合性が取れていることよりもインパクトのあるシーンやセリフ音楽のはず。
だから、この時間帯を考えたとき、京極尚彦監督とシリーズ構成花田十輝さんのコンビ、そして藤澤慶昌さんの劇伴という、1作目以来のチームが最高にハマっていると私は思う。

4.挿入歌「未来予報ハレルヤ!」

作曲はラブライブシリーズの作編曲ではおなじみのEFFYさん(作曲はMIRAI TICKETや僕らの走ってきた道は…など)、作詞はLiella!の既存曲の中でも既に名曲の呼び声高い(私が言ってるだけかも)「私のSymphony」を担当された宮嶋淳子さん
ド直球な歌詞が燻っていたかのんの心そのもので、刺さる刺さる。
個人的にクゥクゥがかのんの背中を押し、そのまま千砂都とグータッチするシーンが好き。すみれと恋はまだ距離があるから枠を挟んで別々に踊っているのかな?とか思った。
かのんが弾き語りで歌っていた冒頭の部分も気になるし、早くフルが聴きたい

まとめ

期待以上すぎて、テンションおかしくなりました。
2話までの1週間が待てないです……

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