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今日のお客様に質問されたこと

春が近づいて来ましたね。来週あたりから、サムライ剣舞シアターも桜シーズンの繁忙期に入るような気配です。スタッフ皆、体調を整えつつ、たくさんのお客様をお迎えする準備を進めています。

今日は何人かの海外のお客様から質問をいただきました。「そんなところを疑問に思って、そんな風に質問するんだ?!」という驚きもありましたので紹介します。

(質問1)「女の子が着物の上につけているエプロンは何?」

いつものように袴を着付け、「今日はサムライスタイルですよ~」と説明していた時、女性のお客様からこの質問をいただきました。
エプロン??と最初は混乱しましたが、なるほど、今日はきっと大学や専門学校の卒業式で、たくさんの女性が女袴スタイルで歩いているのをご覧になったのでしょう。確かに、女性着物の高い位置の帯と大きな結び目に覆いかぶせるように袴を付けているのは、エプロンっぽいかもしれない。。。
「あれはエプロンではなく女性用の袴で、昔の女子学生のスタイルだったのですよ」
「なぜ袴を付けるのですか?」
「学校制度ができて、体育の授業なども始まったからですよ。」
「なるほど~!!」
そんな会話をお客様と楽しみました。
※もし違う見解をお持ちの方がいらっしゃればコメント欄で教えてくださいね。

(質問2)「なぜ武将は切腹するのか?」

シアターのデモンストレーション・ショーでは、切腹の説明と儀式の解説をしています。

ショーの後、イギリスの年配男性からご質問。疑問のポイントは、「優秀な武将は次の戦で役に立つのになぜ切腹させるのか?合理的ではなく理解できない。」とのこと。
これまでも切腹について質問を受けたことはありますが、たいていは命の尊厳や自死の是非という観点で聞かれることが多く、この切り口で質問されたのはこれが初めて。ちょっと驚きました。

「戦国時代は、武将なら誰もがナンバーワンになる可能性があったが、最終的にトップになれるのは一人だけ。負けた武将は切腹して世を去らなければ、勝った武将は安心できなかった。もちろん、その前の段階で駆け引きにより、弱い武将が強い武将の傘下に入ることはあった」と説明。

「それはとても合理的な理由だ」とご納得をいただけたようでした。

※それ間違っている~!などありましたらコメント欄にお願いします。

(質問3)明治維新でなぜサムライをやめたのか。なぜ短期間に大きく変わったのか。

こちらも上記の男性とその娘さんからの質問。疑問を抱いた理由も言ってくれて、かなり勉強熱心。拙い英語を駆使して長々と説明💦

「江戸幕府は260年続いたが、その間に鎖国して、西洋諸国の科学技術の発展に比べて大きな差が付いてしまった。そしてお隣の超大国である中国(清)が英国に戦争に負けた(アヘン戦争)というニュースが入ってきて、国内の知識層は危機感を覚えた。幕府は急いで西洋式の軍隊システムを導入しようとしたが、元々軍事政権である幕府に自己変革は難しかった。地方の武士を中心に、もはや幕府には任せておけない、何か新しいものが必要ということになり、江戸幕府が終わった。新しい指導者たちは、日本の植民地化を防ぐために、日本が十分に西洋化していて”文明国”であることをアピールする必要があると考えていた。だから、ちょんまげを切り、洋服を着用した。

「なるほど!!たくさん質問に答えてくれてありがとう!」
「いえいえ、いい練習になりましたよ」

そんなやり取りにご満足いただけたのか、お土産をたくさん購入してくれて帰って行かれました。イギリスのお客様にアヘン戦争の話して大丈夫だったのかは分からないが…。

日本の歴史や文化に興味を持って質問してくれるのはとても嬉しいです。

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