【一日一首】秋の田の…【小倉百人一首】
1 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ(天智天皇)
【ひらがな】
あきのたの かりほのいほの とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ(てんじてんのう)
【意味】
秋の田んぼの隣に立つ粗末な小屋は、茅葺屋根の編み目が荒いので、天井から降る露で私の衣の袖は濡れてしまっていることよ
【文法解説】
「つつ」 接続助詞 しきりに…していることよ(和歌の末尾に用いられ、”つつ止め”と言われる)
※詠嘆的に訳すとよい
【単語解説】
「苫」 ”かや”や”すげ”を表す。乾燥させ束ねることで屋根の材料にする。
【八月文庫感想】
難解な文法や修辞は使われておらず、率直に農民の貧しい暮らしを詠んでいる和歌である。
【参考文献】
谷知子『百人一首解剖図鑑』、株式会社エクスナレッジ、2020、p20,21
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