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サンドウィッチの場合も「お弁当を広げる」だよ!

おーどりー――これも、とある雑誌の校正をしていたときのことなんですが。
ハチ――はい、はい。また、なんかすごい勘違いしてる表現に遭遇したの?
おーどりー――そうなんです。「サンドウィッチを広げる」という表現にぶち当たったのですよ。最初は何のことかわからなかった。サンドウィッチをパンと具に分解するのかな?とも思ったの。
ハチ――あー、これ、ひょっとして。
おーどりー――たぶん想像している通りだと思うけど、「お弁当を広げる」の意味で使ってた。アメリカのとある公園の紹介記事だったんだけど、その記事を書いたライターのなかでは、「アメリカ人はお弁当なんか食べないじゃん。食べるとしたらサンドウィッチだから、広げるのはサンドウィッチだ!(これを思いついた私すごくね?)」となったようで。。
ハチ――なるほど。お弁当ってのは、そのライターにとって弁当箱に入った、卵焼きとか唐揚げが入った、いわゆる日本の弁当であって、サンドウィッチはお弁当じゃなかったという訳だ。
おーどりー――まあ、「お弁当を広げる」という表現を額面通りに受け取っちゃった例よね。でも「サンドウィッチを広げる」という表現に行き着くとは。参りました(笑)
ハチ――逆に、すごいというか何というか。最近、変てこな表現が雨後の筍のごとく、どんどん生み出されてくるのがわかったような気がする。
おーどりー――スポーツでも何でもそうだけど、基本とか基礎って大事だと思うわけよ。基本がしっかりしていれば、ちょっとした言葉のお遊び的なことは「おしゃれ」とか「粋」に感じるんだけど。基本がなってないと、それは単なるグジャグジャなやつ。
ハチ――お。なんか偉そうじゃない?
おーどりー――大昔、一瞬お茶を習っていたことがあって、家元をお迎えしたお茶会に出席したの。その席で、家元はすっごい大胆なお茶の点て方をするわけね、デモンストレーションとして。柄杓をすごく高く持ちあげて、そこからお湯を注いだり。そうしたら、あたしたちの先生が慌てて、「み、皆さんはお家元の真似をしないようにっ。皆さんは、お家元みたいな点てかたをしてはいけません!」と言われたことを覚えてるの。でも思い返すと、さすがは家元なんですよ。すべてが美しかった。あたしたちがそんな作法でお茶を点てたら、ただ単にふざけてるようにしか見えない。
ハチ――なるほどね~。
おーどりー――あたしたちも気を引き締めてやりましょう。
ハチ――そうしましょう。
 
 
本日の言葉
広げる
意味:包みや巻いてあるものをほどく。あける
(大辞林第版)
 
ちなみに、お弁当を広げる機会はめっきり少なくなりました。「つまらない」ですね。
 


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