大ヒットビジネス書『頭のいい人が話す前に考えていること』著者・安達裕哉さんに聞く、「現代人にとっての頭の良さ」とは?
日本最大級のオーディオブック配信サービス「audiobook.jp」は、“耳から学ぶスタイル”を広げるため、ビジネスパーソンに明日使えるヒントを届けるラジオ番組『ラジオNIKKEI「マネーのカラクリ」』を放送しています!
番組のパーソナリティは、オトバンク創業者の上田渉。毎月ゲストをお招きし、話題のビジネスや働き方、人材育成、お金の話など様々なテーマを4週にわたってお届けしています。
7月は、ビジネス書単行本として2023年年間ベストセラー1位、さらに2024年上半期ベストセラー1位も獲得し、驚異的な大ヒットとなっている『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社刊)の著者・安達裕哉さんをゲストにお迎え。
現代人にとっての「頭の良さ」とは何なのか? コミュニケーションの本質はどこにあるのか?
番組では、著書『頭のいい人が話す前に考えていること』の裏にある核心的なテーマや、安達さんが昨年立ち上げた生成AI開発・コンサルティングを手掛ける新事業、新人コンサルタント時代に先輩から教わり、今でも仕事の基盤になっているという「仕事を任されたらやるべき8箇条」など、様々なお話をお聞きしました。
その内容を一部noteでもご紹介します!
現代はコミュニケーションが難しくなってきている
上田: 安達さん、ご著書『頭のいい人が話す前に考えていること』といえば、2023年ビジネス単行本で年間ベストセラー1位、読者が選ぶビジネス書グランプリ2024のビジネス実務部門賞でも1位、今年の5月時点で60万部を突破したということで本当に大ヒットしている作品ですけども、どういった方に向けて書いた本なのでしょうか。
安達: 企画当初は若いビジネスパーソンの方々にお届けするつもりで書いたんですが、蓋を開けてみると幅広い年齢層の方に読んでいただいて、ビジネス書というよりはコミュニケーション本としてお読みいただいてる方が多いなという印象です。
上田: コミュニケーションの本って、どの時代でも大ヒットが生まれてる感じがするんですよ。それだけどの世代とっても課題感が強いテーマということですかね。
安達: そうですね。特にここ10年ぐらいコミュニケーションが難しくなったという印象は持っていて、例えば上司と部下の関係でも、昔は「これやっとけ!」「上司に楯突くな!」とか言えてしまっていたのが、今の時代はそれでは通用しない。
上田: パワハラと言われてしまいますね。
安達: 管理職が部下からの突き上げにあってるという話は人事の方から最近結構聞くので、コミュニケーションがすごく難しくなったっていう印象はありますね。
それともう一つ、仕事自体も難しくなっています。
様々なテクノロジーが発達して仕事環境が大きく変化し複雑化したことで、これまでは自分の会社の中だけで完結できていた仕事が、自分とカルチャーが全然違う人たちとも一緒に働かないと通用しなくなってきて、さらにコミュニケーションを難しくしています。
上田: たしかに、自分の会社の中だけであれば共通のバックボーンがあるので、比較的コミュニケーションは取りやすいですが、他社が入ってきた瞬間にそうではなくなりますもんね。
安達: 最近は転職する人も多いですし、コミュニケーションに課題を感じてこの本をお読みいただいてるのかなっていう気もしています。
現代人にとっての「頭の良さ」とは何なのか?
安達: この本を企画するとき、一番最初にぶつかった壁が「“頭がいい”とはそもそも何か」ということです。
それこそ人類の起源からあるような問いで、いろんな定義があると思うんですけども、この本を企画する際「今の現代人にとっての頭の良さってなんだろう」というのは、あらためてちゃんと整理したいなって考えたんです。
上田: 現代人にとってということは、昔は違ったんですか。
安達: そうですね。先ほどコミュニケーションの話をしましたけど、現代人にとっての頭の良さの中心にあるものって結局「人を動かす力」だと思うんです。
昔は、例えば学問を究めてるとか、IQが高いとか、試験でいい成績をとってるとか、そういうことが頭の良さの象徴だった時代もたぶんあったと思うんですよね。
ただ、現代はいわゆる産業社会、知識性労働というところで、結局他者と一緒に成果を出していけるということそのものが、頭の良さに直結している時代。なので、まさに今の頭の良さってどういう考え方が主流なのかっていうのを、最初に決める必要があったんです。
上田: カリスマではなく集合知としての頭の良さ。
安達: はい。1人の人が考えたものっていうのは、実際に大したことないことが多くて、やっぱり今は集団で人間が考える力の方が遥かに強いですし、当然そこには例えばコンピュータとかAIっていうのとコラボレーションするということも入ってきているので、より集合知をうまく活用できる人の方が、やっぱり成果を生み出せるわけですね。
上田: そうすると、今回のこの本の知見っていうのは、集合知としての最大化をするための方法っていう感じなんでしょうか。
安達: はい。それが実は裏テーマとしてあって、結局目の前の人にいかに貢献できるのかっていうのがコミュニケーションの本質的な部分であり、頭の良さがどういうものかというのは、自分じゃなくて他者、要するに対峙している人が決めるんですよというところが、本の一番最初で定義をしたところなので、その話がもしかしたらおもしろがっていただけてるのかなという感じですかね。
上田: ご著書の法則6で「知識はだれかのために使って初めて知性になる」っていうのがまさにそれですよね。
安達: おっしゃる通りです。昔私の一緒に働いていた人の中に、「あの人、頭はいいんだけどね…」みたいな人が結構いたんですよ。
「頭はいいんだけどね…」に続く言葉はいろいろご想像できると思いますが、やっぱり適切に知識を使わないと、「マウント取られてる」って周りから思われてしまう人が、現代ではすごく増えてると思うんです。
上田: 無駄に知識をひけらかす人ってそういうふうに見られちゃうんですよね。
安達: 知識を披露するということはつまり、その場、もしくは間接的に誰かのために役に立つということを前提に使わないと、協力してくれる相手がどんどん減っていっちゃう、という話がこの法則6の部分です。
上田: なるほど。知識をひけらかすのは自分自身の承認欲求を満たすっていうのに繋がるけれども、相手の承認欲求は満たさないってことですもんね。
(7月5日配信の第1週目の番組内容から抜粋)
本編は、ぜひポッドキャスト等でお聴きください。
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【安達裕哉さんプロフィール】
ティネクト株式会社 代表取締役
1975年生まれ。筑波大学大学院環境科学研究科修了。デロイト トーマツ コンサルティング(現アビームコンサルティング)でコンサルティングに従事した後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのち独立。現在はマーケティング会社・ティネクト代表として、コンサルティング、ウェブメディアの運営支援、記事執筆などを行う。個人ブログとして始めた「Books & Apps」は累計1億2000万PVのビジネスメディアに。
【著書のご紹介】
『頭のいい人が話す前に考えていること』
著者: 安達裕哉
出版社: ダイヤモンド社
ナレーター: 市村徹
販売開始日: 2023/8/4
作品紹介:
「audiobook.jp」オーディオブック年間ランキング2023 1位!
どれだけ考えても、伝わらなければ意味がない。でも、話し方のスキルだけでは、人の心は動かせない。コンサルで叩き込まれたのは、人の心を動かす、思考の「質」の高め方でした。本書は「頭のいい人」が何をどう考えているかを明確にし、誰でも思考の質を高め、「頭のいい人」になれる方法を伝授します。
さあ、手に入れよう。あなたが本来持っている考える力を自動発火させ、「信頼」と「知性」を同時に得ることができる黄金法則を。
【マネーのカラクリ番組情報】
番組名: ラジオNIKKEI「マネーのカラクリ」
放送日時: 毎週金曜日7:30~7:45(再放送:毎週水曜日12:15~12:30)
放送メディア: ラジオ NIKKEI 第 1・radiko、ポッドキャスト
※radikoのタイムフリーで放送後1週間の聴取が可能です
制作: ラジオNIKKEI、オトバンク
パーソナリティ: 上田 渉(株式会社オトバンク代表取締役会長)
番組HP:https://www.radionikkei.jp/karakuri/
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