見出し画像

お世話になった人⑦

音響の会社を退職後、レストランのホール係としてアルバイトを始めた所の総支配人の話を前回はした。今回は、唯一、社員だった私より5つ上の人の話をしようと思う。

彼は人当たりがよく、よく1階の店舗を任されていた。学歴なども聞いたのかも知れないが覚えていない。ただ、出会ったレストランの前に別の所で働いていたが、人間関係が良くなくて辞めて、こちらに来たというような話はしていたと思う。

総支配人には確かに理不尽だったかも知れないが、私の仕事の出来も劣悪だったので、仕方のない事と、私は受け止めていた。彼に対しても総支配人は同じように当たって、よく笑い話をしていたのを覚えている。理不尽は理不尽でも、愛嬌があるところが総支配人のいい所だったと思う。

その社員の先輩からは、本当に業務の細々とした部分をたくさん教えてもらったのだった。ゲストのいない時には、他愛のない世間話をしたり、注文の取り方、ドリンクの作り方から、出し方、料理の順番から、慣れてきた頃にはレジ打ちまで、本当にお世話になった。

他のアルバイトやパートさんにもウケがよく、みんな彼を頼りにしていたし、貴重な人材であったと言えると思う。

私が仕事を覚えた頃、総支配人たちとプライベートでBBQや飲み会に誘われた時は、彼が車を出してくれて、助手席には総支配人が座って、絶え間ない話に私もよく楽しんだのだった。何度も言うが、総支配人は理不尽だという事もあるが、話もとても面白いユーモアに溢れる人だった。

月日が流れ、会社の上層部の決定により、私を雇ってくれた総支配人が交代するという事があった。総支配人と言えども、会社にとっては雇われ店長のような感じだったらしい。目標にしていた売上を出せなかったのが、1番の理由だったようだ。

新しい総支配人は横浜の中華街にある高級中華料理店のひとつから来た人で、40歳の人だった。この人の話はまた別の機会にする事にする。この人と一緒に、50歳位の副支配人、23歳の女性の社員の人3人が新しく入ることになった。

先にいた総支配人は引き継ぎののため、事務所に新しい支配人と2人でいた期間は、みんな困惑していて、総支配人が2人いて、2人ともを総支配人と呼ぶべきか、または苗字で〇〇さんと呼ぶべきかなどの小さな議論となっていたのだった。

新しい総支配人に変わってからは、そのお世話になった社員は、一緒に入ってきた女性社員と交際する事になった。さらに月日が流れ、新しい総支配人との人間関係も落ち着くと、その2人に付き合うような形で一緒に出かけたり、スノーボードの施設にも連れて行ってもらったことがあった。

前の支配人は、この後、私は行く事になるホテルで、配膳(フード接客関係の派遣会社)として、働いていたが、よくオープン前の仕込みの時間や各々の携帯などに連絡があって、そのホテルで一緒に働かないかと行ってくるのだった。

私もこの誘いを最後まで拒否し続けた。だが、その先輩社員と新しい支配人が連れてきた人との交際が破局すると、彼もまた辞め、最後、私も辞める事になるのだった。

彼とは、そのホテルで、配膳として一緒に働く事になったが、ホテルという広い場所なので、一緒の勤務場所になるという事は少なくなり、交流も一気に減って行ってしまったのだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?