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旅は道連れというけれど/旅するコーチ

先週に引き続き、東京に来ています。

午前中、関西で仕事をして午後移動。
宿泊して朝移動して、午前中に関西でアポ。
というような感じ。

これまでと時間の使い方のパターンが変わってきました。
これからあと数か月はこんな感じが続くかな。

移動していると、いろんな方に出会います。

これまでに、ハズレがなかったわけではないけれど(新幹線の中で大宴会を始めちゃった団体さんとか)基本的にポッと心が温かくなることはあっても嫌な思いをすることはなくって。

昨日も飛行機の中で、スーツケースをいれようと持ち上げようとしていたら
「お手伝いいたしましょうか?」の声が。
キャビンアテンドさんではありません。乗客の上品そうな私より少し年配の白髪の紳士が声をかけてくださいました。ありがたく感謝をしてお言葉に甘えさせていただいたのですが、この一言にわたくしえらく感銘しまして。

「(荷物)あげますよ」
でも
「大丈夫ですか?」
でもなく
「お手伝いいたしましょうか?」

問いかけは、YESにしろNOにしろ相手に答えがある。

「大丈夫ですか?」という問いかけもその点では同じなのだが、YESにしろ NOにしろ次のアクションまでまたやり取りが必要になる。場面は搭乗中の飛行機の中。狭い機内の中、通路は人で埋まっている。なんなら搭乗予定の飛行機の到着が遅れ、すでに時間に遅れが出ている。そんな場面で、良かれと思って人の荷物荷物勝手に触れるでもなく、私を気遣いつつ、私の意思も大切にして、さらりと手を貸してくださるスマートさよ!私がもたもたとスーツケースを担ぎあげるより、後ろに並んでらした方のためにも、よりスムーズに事を運ぶことができたように思う。

こんな些細な出来事でも、心が潤う。
ありがたや。

そんなこんなで、結局飛行機は30分遅れで離陸した。

今回の席は、3列並びの通路側。
座席選びにはこだわりがあって、移動の旅に席はお任せにせず吟味して選ぶのだが、今回の出張は急に決まったのもあって、いつもの席が埋まっており仕方なく空席の中から選んだ。必ず目的地に行かなければならないのだから、乗せて運んでもらえるだけでもありがたい。

飛行機が飛び立ち、落ち着いた飛行が続いていた。
窓側の私と同年代か少し年上の女性が声をあげた。

「富士山が見えますよ」
私の隣の真ん中席の女性も窓を覗き込む。

「わぁ!ほんとだ!」
私も気になり、窓に目を向けるが流石に私の席からは見えない。

窓側の女性は嬉しそうに窓にスマホのカメラを向けている。その背中からも彼女のワクワクが伝わってくる。
真ん中席の女性も窓側に身を乗り出し写真を撮っている。
このお二方、お連れかと思ったらそうではないらしい。

私が羨ましそうな顔をしていたのだろう。

「お撮りしましょうか?」
と、窓側席の方が私のスマホで写真を撮ってくれた。
その背中もまたウキウキと楽しそうだ。

長崎から来たという女性。神戸で乗り換え羽田に向かうのだろう。飛行機に初めて乗ったというわけではない。むしろ、ある程度乗り慣れているのだろう。いつも行きも帰りも富士山が見える側の席を取るのだという。

富士山ほど日本人の心をとらえて離さない山もないだろう。その姿を見るだけで心豊かにしてくれる。大いなる力に守られている気持ちになる。いつも多大なる存在感を示しながらその姿を拝めない日も多い。だからこそ、くっきりとその姿を拝めた時は、それだけでとてもハッピーな気持ちになれる。

その後も、大荒れの天気だと言っていたのに、飛行機が無事飛んでよかった。揺れると覚悟していたけど、そんなに揺れなくてよかった。操縦が上手な機長でよかった。30分遅れて飛んだけど定刻少し過ぎるくらいまで巻き返した機長すごい!とまるで一緒に旅をしているかのように話が弾んだ女三人。こんな経験は初めてだ。

今回は通路側の席しか取れず、車窓の風景も見れないと思っていたのに、窓側の方の周りを巻き込むコミュニケーション力のおかげで、美しい富士山の姿をスマホにおさめることができました。これからどれだけ同じような写真を撮ろうとも、この写真を見るたびこの日の3人の会話を思い出すことでしょう。

帰りは新幹線。

朝のテレビでも荒れたお天気という予報は続いていた。しばらく調子が悪かった晴れ女復活かな。

雲はかかっていたけど、地上から見た富士山も美しかった。

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