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人間とおんなじように感情がある


このあいだ牛のせりに立ち会う機会があった。
住み慣れた山奥から3頭の牛を市場に連れて行く。


牛を運搬車に乗せなければならないけど、、


「どこかに連れて行かれる」
連れて行かれる場所が自分にとっていい場所ではないことを察知したのか、
牛たちは足をピンッッッと張って微動だにしなくなった。
大人5人がかりで引っ張ってもびくともしない。

「本当はこんなことしたくないけど、、」
お尻のあたりをバシッと叩いて鼻輪をつけて
無理やり力ずくで引っ張る。

見ているだけで痛々しかった。

ーなんとか運搬車に乗せて市場へー

市場にはせりの前日に連れていったため、
3頭をまずは檻の中へ入れなければならない。

ここでもまた引っ張るわたしたちと動かない牛との戦いが始まる。
わたしは鼻輪に手をかけ、もう1人がお尻を押す。


その時わたしは気づいてしまった。

牛の目から涙が流れている。

目が乾燥していたのかもしれない
運搬車で運ばれたストレスかもしれない

けれどその時に見た涙は

「連れて行かないで」

そう言っている気がして、引っ張ることができなくなった。

「人間以外の動物にも、ちゃんと感情がある」
このことを身をもって感じることができた瞬間だった。


動物にとって、運搬車での移動は
私たちがほぼ毎日経験する通勤通学ラッシュ、帰宅ラッシュとは比べ物にならないほどストレスであるのだそう。

牛は体が大きく、運搬車に乗る頭数も限られてくるため、まだマシな方ではあるけれど、

豚や鶏たちはひどい。
運搬車の中に身動きなど全く取れないほど
ぎゅうぎゅうにつめられる。

なかにはそのストレスから市場にたどり着く前に
命を落としてしまう場合も少なくない。

その証拠に『死亡豚置き場』というものが設置してある。


わたしがお肉を食べる背景には
こんなに残酷な出来事が起こっていたとは。




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