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雑節 半夏生(はんげしょう)

7月初旬、夏至を過ぎた今頃、雑節「半夏生(はんげしょう)」と呼ばれる暦日を迎えます。

半夏生は梅雨のいま頃、葉の半分を白く化粧し(半化粧)、池泉(ちせん)庭園に純白の彩を与える多年草です。ヒトリシズカ、フタリシズカといった春の野山に観る山野草にも似ていますが、種属科目もこれらとは違い、池の周り等の湿地のような環境を好みます。

京都では祇園にほど近い建仁寺両足院が毎年今の時期に庭園の特別公開をしています。

半夏生には梅、桜、山吹、藤といった華やかさ、艶やかさは全くもってありません。ですが梅雨のこの時期、畳の上からお庭を静かに眺めると、半夏生の生命力ある青々しさと白い半化粧は、梅雨の雨音と静けさを艶と変えて、お庭を鑑賞する人々の心を穏やかにさせながら、同時にこれから迎える夏の活力をも与えてくれると感じます。梅雨のこの時期、半夏生は日本の風土に根差した不思議な魅力と活力を人々に与えてくれます。

梅雨の雨は鬱陶しさを感じることも少なくないでしょう。しかし昨今は梅雨らしい梅雨を感じることが減りました。極端な豪雨が多くなった今、半夏生を眺めて心穏やかに梅雨を過ごせる時間はむしろ貴重に思えます。梅雨もまた、水に恵まれた日本人にとっては、これから迎える暑い夏を健康に過ごすための大切な準備時間と感じます。

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