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全てが「相変わらず」だった 〜新海誠『天気の子』

全てが「相変わらず」だった。
新海誠の絵も、RADWIMPSの歌も。
相変わらず感動はしちゃうけど。

自分の感覚としては、世界と女の子という天秤が釣り合ってない。東京と女の子、でも良いけど。主人公は女の子を選択したが、東京が水浸しになっただけで終わった。もちろん水浸しになって「江戸に戻った」だけで相当な被害があるはずだけどそんなもの描かないのが新海誠だし、家や街を浸す水が驚くほど透明なのも新海誠流。
リアルすぎるほど東京なんだけど、東京じゃない。
君の名は、では、女の子を救うことと世界を救うことが同じ側にあった(結果的に記憶という代償は払ったけど)のに対して、その二つが対立してしまうというところまでは共感した。

RADWIMPSの音楽、がやっぱり無理みたい。
二人が空から落ちてくる場面の合唱と手拍子、なんだそれ。幸せなら手を叩こう?ゴスペル?
「君の肩に全てを背負わせて」とか、「大丈夫」とか、「愛にできることは」とか、映画の内容をあまりに直に指示しすぎていて、それじゃ言葉の意味はあっても音楽の意味薄いよ、と言いたい。オペラを作ってるの?
もちろん途中いい曲もあったのは記憶に残ってる。エンドロールの最後の電子音も、SFのようでも病院のようでもあってそれこそよく意味はわからないが、不思議な感覚だった。
ネットカフェでどん兵衛のCMが聴こえてくる、ああいう風でなくちゃ。東京で何も持たぬものが生きる、という最初の数分は妙にリアルだった。「ひとり空間の都市論」。

新海誠ほかのもみなきゃ…

お金も欲しいですがコメントも欲しいです。