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観たアニメ2021春

途中「完走は難しいかな…」と感じた春クール。音楽に関する書きものに集中していた4月末から5月下旬、映像のインプットを一切止めていました。こういうときに限ってドラマもアニメも良さそうな作品がちらほら。スッキリと納品したあとで5、6話ずつ一気に追いかけたら、やっぱり良作揃いでしたね!楽しかった。

では早速参ります。

Vivy-Fluorite Eye‘s Song-

OP曲「Sing My Pleasure」は私にとって今期のオープニング大賞でした。
本編の選り抜きメインな映像と、ザ・最近のアニソン!な疾走感&ストリングス多めなオケに乗せた、新人・八木海莉さんのボーカルに心を持っていかれた。なんだろう…好き。乾いた声質とうまさのバランスかな。
期間限定のオープニング映像を貼ります。

歌姫AIヴィヴィと相棒「マツモト」が、人類がAIに滅ぼされる未来を変えるために100年かけてAIを滅ぼすお話。本来の使命である「歌で皆を幸せにする」と永遠の命題「心を込めるとは?」を抱えるヴィヴィ、AIを発展させた人間の葛藤、ヴィヴィと人間の交流、迎えた未来…全部練り上げられたラスト。
過去と未来、前提となった歴史、そしてまた…と、分岐点と時系列が複数が置かれるので複雑ですが、主題はシンプルだと感じました。

「そもそも何故、この計画が歌姫AIに託されたの…?」という謎の明かし方にぐっときた。この種明かしに関連して、勝手に子安賞を。重要人物「オサムさん」の青年期から老年期を演じた子安武人さんの、特に老年期の声が印象に残っています。むちゃくちゃ良かった。最近ようやく「Sing My Pleasure」の歌詞を初めてしっかり読み、詞にオサムさんを繋げてしんみりするありさま。だいぶのめり込んでるな…。

アニメーションは、腕力で押し切るヴィヴィの肉弾戦描写が素晴らしかった。大柄な彼女の、質量を感じるアクション。技術が発展してもAIは人より重量ありそうだよな、と納得する動きと音。メカメカしいキメ顔ビジュアルも美しいです。

ほぼ全話に歌姫AIが登場することもあり劇中歌も多め。OPとEDの主題歌すら劇中歌になるのでリフレインが止まりません。歌を聴いて人が喜ぶ一方、歌が破滅を招くという演出。怖い。

特別総集編では結末が明らかになっているので、ネタバレ含めざざっと内容をさらいたい方はこちらからどうぞ。全部観られそうなら1話から追うことをお勧めします。大丈夫、13話で終わるので。


SSSS.DYNAZENON

お約束な合体バンクを2021年に観られるとは思わなかった。90年代の勇者シリーズを彷彿とさせる流れと絵づくり。ベタだなー楽しいなー!そういえば前作グリッドマンにも、勇者の必殺技構図が出てきましたね。
アンチくん&2代めが出てきたところで、グリッドマンの後半を観返しました。そうだった、グリッドマンはエヴァだった。主題こそ異なりますが、ダイナゼノンにもエヴァやシンゴジラなどの庵野作品や往年の円谷特撮へのオマージュを強く感じます。登場シーンに電柱の描写、街の破壊と災害など。

ローテンションな主人公チームのキャラクターも良い。とはいえガウマさんが生き返った理由や姫の存在など、一切の謎は続編に持ち越された形で終わったので、ストーリーや謎を追うというよりは作り手の「好き!!」を味わう作品という印象でした。
グリッドマンに続き、オーイシマサヨシさんのオープニング「インパーフェクト」がヒーロー全開です。貼ります。

冒頭何話かで、戦闘中、実際に曲が流れているという細かい演出があって笑いました。街の皆さんも、この曲が街宣車よろしく流れたらうるさいだろうに。


ゴジラS.P.(シンギュラポイント)

構図や描写に庵野作品へのオマージュを感じるといえばこちらも。特撮に関する自分の教養の引き出しが小さい自覚はありますが、シンゴジラ「後」のゴジラという印象。紅塵、葦原博士の謎。葦原博士のビジュアル庵野さんですよね…?
ストーリーやSF設定が理解できた気はしないのにすごくおもしろい!という経験は滅多になくて不思議だった。情報の洪水に押し流される心地よさ。SFの深度や登場人物の多さといった複雑な要因を持ちながらも、登場人物やジェットジャガーの造形など画面の表現はポップ。登場するAI・ユングとペロ2はどこかで交わるよなと思いながら見ていたら、最後の最後にありましたね。
OPはBiSHで映像も合わせてかっこよかった。あと、EDの ギターに毎回翻弄されていました。


フルーツバスケット The Final

はい最後!寂しいなーーー!ありがとうございました!!
原作を結末まで読む前に観たファイナル。最後、てっきり十二支側が1人ずつ解き放たれていくもんだと思っていたら慊人さん…!驚きのあまり涙が出た。

大名作・フルバ。連載当時は中高生で周りにもハマっている人がいたけど、私自身は触れる機会がなかったのです。再アニメ化のおかげでストーリーをきちんと追えました。前回も書いたけど、これを中学時代に真正面から受け止めたら、影響受けただろうな…同級生や友人の顔が浮かびました。
今回のアニメ化では、原作のさまざまな要素やエピソードをしっかりすくい上げつつまとめられた構成。原作も全巻手に入れたので、これから後半を追います。


ゾンビランドサガ リベンジ

3年前の1期は観ていませんでした。当時私は福岡に住んでいて、三瀬峠の焼き鳥屋さんに出かけたら等身大パネルがドーンと飾られていました。1期は出会いからチームになるプロセスでしょうか。2期から観ても十分おもしろいし、あんなに佐賀弁全開とは思わなかった。何ば食べんしゃっとーとかいな。

歌唱シーンの楽曲と振り付けが特に好きでした。振り付けのモーションキャプチャCGと日常シーンで、メンバーのお顔があまり違わなくて好きです。歌唱シーンといえば、スキャットマンジョンを彷彿とさせるリリィの5話だけ、CGではなく手描きでしたね…ステップを踏みお客さんを煽る細かな動きが素晴らしかった。
そして最終回。振り付けも歌も熱く、カメラワークやアングルも相まってぼろぼろ泣いてしまった。作り手の振り付け&ダンサーチームの熱も伝わりました。


バクテン!!

見応えのあるCG映像、といえばこちらも。
モーションキャプチャの新体操シーン、動きもアニメならではのカメラワークも素晴らしい。さらに印象に残ったのが音でした。演技中の踏み込みや着地といった音がリアル。どれだけ丁寧に録って配置したかがうかがえます。
劇伴担当の林ゆうきさんは新体操競技の経験者だそうで、競技の楽曲もドラマティックだった。楽曲や音など、目だけではなく耳からも競技の熱を伝えるぞ!!!という気合を感じます。実際の動きを下支えにアニメーションへ昇華された映像と音、大好物です。1話の演技シーンを貼ります。

たとえ小型ドローンだとしても、こんなに近くで撮影したら邪魔だしあぶないのでは…と感じるほど、マットに入り込み競技者に迫るカメラアングル。現実の競技でここまで撮影されること、あるんだろうか。しなやかさでダイナミックな新体操競技にも、改めて興味を持ちました。

ストーリーは高校に入って新体操を始めた主人公とチームの成長譚。舞台は宮城県岩沼市。震災10年となる今年、宮城・岩手・福島を応援するプロジェクトの一環で製作されたそう。最終回で映画化が発表されました。


美少年探偵団

初めて触れた西尾維新作品。
原作小説の雰囲気を活かしたのだろうと推測できる、主人公のモノローグとテンポの良い会話劇が中心に据えられています。その分、目に見えるものでは遊びに振り切っている印象。とにかく画面が贅沢だった。有名絵画のオマージュや影絵のようなトーン、絵本の挿絵のようでもあり「ジョジョ!?」とおののいたり。見えるもの全てが楽しかった。なんてったって制作会社が「シャフト」。色彩感覚やアートの引用も細かいので、画面を「鑑賞」するのもいいかもしれない。
小説が原作なので謎解きもしっかりできます。進めていくうちにタイトルの印象も変わりました。確かに彼らはイケメンじゃなくて美少年、巻き込まれる少女・眉美も美少年。1−3話のダイジェストを貼ります。


NOMAD メガロボクス2

ボクシングを進化させたメガロボクスという競技がアクセントになってはいるものの、スポーツやアクションよりじっくり人間ドラマを楽しむタイプの作品。
前作を観ながら私は「あしたのジョー」をちらつかせていました。別人とはいえ、真ん中にいたのはジョーとおっちゃんだったしね。
ただ今作は単に「メガロボクスの続き」として楽しみました。群像劇の要素が増し、チーム番外地の子どもらも大きくなっていて、闘犬の面影がなくなったジョーをはじめキャラクターの描写もストーリーもいい。「あしたのジョー」が原作という位置付けではありますが、オリジナルアニメとしても見応えがあります。


シャドーハウス

アニメから入った作品。実はまだ原作を読んでいません。
終始不気味で不穏で謎しかなくて、その謎がすこーーーーーーしだけ垣間見られたところで終わるの!?という1クールの構成が素晴らしい。
設定やキャラクター、あらすじは、唯一無二と言われる原作あってこそ。そんな原作の魅力も伝わるし、映像化で加えられる要素にも引き込まれました。PVを貼りますね。

「おかげさま」こと真っ黒なシャドーたちと、瓜二つな造形の生き人形のペア、基本は一人二役のキャストですが、主人公のエミリコ&ケイトだけ別人です。ここにちゃんと意図があることに、途中で気づいて感動した。そして怖かった。

シャドーが発したり、単独で動いたりするススの描写もさることながら、なんてったって8話エンディング近く、エドワードとピアノの衝撃!映像にびっくりしすぎて長文をしたためました。


僕のヒーローアカデミア5期

はい!安心と信頼のヒロアカ5期。A組vsB組の対戦もよかったなー!がんばったね、心操くん。 と言いつつホークスも好きで、福岡での戦闘や、デク・爆・轟の3人よりちょっとだけホークスが速いあのシーンの描写が嬉しかったです。
あれ、そういえば夏もまだ続いてますね…。


おわりに

このほか「かくしごと」の再放送に癒され「MARS  RED」の大正ロマンな世界観を探り、「PUI PUI モルカー」を一気見するなどして、完走したのは合計13本。結局いつも通りでした。

続編として追っていたのはヒロアカNOMADフルバダイナゼノン。そのほかは初めて観るものばかりでしたが総じて楽しめたし、オリジナルが良かった印象です。Vivyを引きずっている気もする。
作り手のこだわりや熱量が伝わる作品が多くて楽しかった。

夏はPodcastで話した作品を中心にちらほら観始めたところです。

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