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できなくなったら要らないと感じ始めた

昨今の自粛生活が仕事やライフスタイルに及ぼした影響についてアンケートを取ったところ、集まった回答には「特に困ったことはないし日頃のストレスから解放されて幸せだ」というような声があったそうです。通勤しなくなったこと、食事や睡眠に気を使えるようになったことなどが関係していそうです。

回答者の中にはまた「意欲が減退した」と答えた人もいました。

追っかけしてたバンドに興味がなくなりました(20代女性、東京)
もともと服が好きなのですが、インスタなどで素敵な服を見ても買いたい気持ちがなくなってしまいました。その他にも、興味を持てる事柄がどんどん減っていってる感じがして寂しさがあります(37歳 女性 販売職)

鬱傾向で何にも興味が湧かなくなったのならまずいと思いますが、かつて夢中になっていたものに関心がなくなる代わりに新しい楽しみを見出したのであればいいでしょう。その場合、かつて好きだとか夢中に思っていたことは本当に好きだったのではなく単なるFOMOでそう思っていただけではないかと私は考えています。

FOMOとはFear of missing out の略で、大切なこと・有益なことを見逃して取り残されることへの恐怖心を指します。Wikipediaの説明だとこのように書かれています。

FOMO(Fear of missing out、フォーモ、取り残されることへの恐れ)は、自分が居ない間に他人が有益な体験をしているかもしれないという不安に襲われることを指す。社会的関係がもたらすこの不安は「他人がやっている事と絶え間なくつながっていたい欲求」という点で特徴づけられる。

大抵これはSNS中毒を取り沙汰する文脈に出てくる概念ですが、今回新型コロナウイルスの影響で外部の人との接触、イベントへの参加の機会が半強制的になくなったことで多くの人がFOMOを抱かなくなり、その結果あれもこれも実は大して重要なことじゃなかったのだと気づいたというのが私の見立てです。

これは本当に良い機会で自身の生き方や価値観を見直すことにつながっているのだろうなと思います。ちょうど先ほどYouTubeの樺チャンネルで、この危機ムードの中でこそ新しいことに気付けるのが重要だよねという動画を観ました。この異常な事態の中で、逆にこんなことをしたいと思えたことがあるならば素晴らしいことなのではないでしょうか。

最後に、こうしている間にも医療従事者が四六時中検査・予防・治療に力を尽くしている現実があります。また自粛生活の中でも食料品や物資に困らないのは物流に携わる人、さらにはその製品の生産に関わる人がいます。こうした人たちにとっては意欲が減退したとか新しい楽しみを見つけられたと言っていられる状況ではないかもしれません。一般人にできることは少ないものですが、せめて今もこの世の中を支える人たちに感謝の気持ちを抱いて日々を送るようにしたいと思います。

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