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Blenderキャラモデリングの入門本を完走した感想

こんにちは。普段はAR技術などを駆使してアニメキャラやVTuberなどのデジタルフィギュアを空間に飾ることができるアプリ「ホロモデル」(HoloModels)の解説記事などを書いている一周と申します。

今回はホロモデルではなく、Blenderでキャラクターを作るための書籍を(ほぼ)完走したのでその感想を書いていきたいと思います。(ほぼと書いたのは最終章のアバター化はやらなかったからです)

参考にしたのは5月に出版された「Blenderで作るキャラクターモデリング入門実践ガイド」というVtuberの緋子さんが書いた本になります。



定価は4000円前後と若干お高いですが、私個人はDMMブックスのほぼ全品50%ポイント還元セールを利用して、実質半額に近い値段で購入しました。秋以外の冬春夏に開催されているセールなので、この記事を読んでるタイミングでセールが行われている(あるいは時期が近い)のであれば狙ってみるのもありかもです。その他出版社独自のセールなどで対象になる可能性もあります。

こういうものが作れます

完成品は書籍の表紙や本記事のサムネにも出ていますが、一通りやるとこんな感じでポーズを付けた可愛い猫耳キャラクターが作れます。(やりたい人はVRChat向けアバターやVRM化も)


ちなみに私自身はBlender自体はちょこちょこ触っていますが、この頭身のキャラクターを作るのは初めてで、これまでの作例はこんなレベルです。



キャラモデリング入門本であって、Blender入門本ではない

Amazonの低評価レビューを見ると分かりますが、この本はBlenderキャラクターモデリングの入門本であって、Blender自体の入門本ではないという点は購入を検討しているBlender初心者の方は理解しておいた方がいいと思います。

低評価レビューの一例

これは教科書ではなく手順説明書である

Blenderはほぼ触ったことなし。入門書の名前と高評価に期待して購入。見てみると、下絵をインポートします(下絵配布のサポートサイトがあるらしいがURLの記載もなしで発見できず)やら結合します(結合の手順は乗ってない)やらとても初心者には再現できない代物。
ある程度blenderができる初級~中級者向けではなかろうか。これで入門を名乗らないで欲しい


なので、まずは上に貼った作例ツイートのYoutube動画「ワニでもできる!モデリングforVRChat」や「トハのBlender ブログを見ながら作ってみるゼロからのキャラモデル」をやるとか、Blenderの基礎的な操作を覚えてから挑戦された方がいいと思います。

また、上記のレビュータイトルに書いてある「教科書ではなく手順説明書である」というのは確かにそうで、各場面でなぜこうするのかといった解説はほぼありません

とはいえ、本書がカバーしている範囲の広さを考えるとこういう形式にならざるを得なかったと思いますし、分からないことやつまづいた部分はある程度調べるみたいな癖を付けておくと今後の学習に役立つ気がします。


なんというかこの本のイメージは、キャラモデリングの「模写」をしていく感じだと思います。私個人は模写も大事なステップだと思っているので、この点は気になりませんでしたが、気になる人は気になるのかもしれません。

キャラモデリングをしたいと思っていたけど、なんとなく避けていたとか苦手意識があったとか、何をしたらいいか分からないみたいな方が、この本でモデルを完成させて、その「成功体験」を基に次のステップに行くみたいなのが、理想的な使い方な気がします。

個人的には完成させたことで、キャラモデリングに対しての苦手意識が減り、必要な勉強を続けていけば、そのうち自分がデザインしたキャラクターをモデリングできるという気持ちになれました

そういう目的に4000円も出せないという方は、無料のBlenderキャラモデリングチュートリアル動画はいくつかあるのでそちらを参考にしてみるのもいいと感じます。そちらでも十分次のステップに行けると思います。


書籍で分かりづらいところはモデルを参考に

上記以外にも低評価レビューはいくつかありますが、そもそもモデリングの解説と書籍というメディアは相性がいいかというとそうでもなく、どうしてもわかりづらい所はあります。(物理本だと拡大もできないし)

ので、書籍の冒頭にもURLが貼ってある出版社のサポートサイトにおいてある、サンプルデータをダウンロードして、そのモデルデータを見ながら作業するといいと思います。各章のスタート時点と終了時点のBlendファイルが提供されています。

これならどの角度・距離からでもモデルが見れますし、各種設定や数値なども参考にできます。

書籍で詳しい説明が省かれている部分などで、「あれ…?ここどうやったんだ…?」と思った時は、サンプルモデル(その章の完成品)を見に行くと前に進めることもあると思います。

もちろん、書籍の元になった著者の動画「Blenderで美少女錬成講座」を見るのも大いに参考になります。



割と誤植や内容の間違いが目立つ


これは執筆時現在の情報なので今後修正される可能性がありますが


といった感じで誤植や内容に問題がある部分がいくつかあります(これ以外でも執筆時現在の電子版では、387ページの「アルファ」が「ァ」になっている誤植も)

実は初版で間違いがあり、2刷以降では修正されているのですが、それでも誤植や内容間違いが残っているという状態のようです。

ここまでくると著者というよりは編集者の問題だと思いますね…最終的に前に進めても、時間を浪費するシーンがいくつかあったので頑張ってほしかったところです。入門本ということで間違いに気付きにくい人も多いと思いますし。

(編集された方は、ほぼ確実に書籍を見てモデルを完成させてないと思います)


まとめ

ここまで書いてきた内容をまとめると


・定価は高いがセールを狙うと2000円位で買える
・Blender自体の入門書ではないので、基礎的な操作を覚えてから挑戦
・手順の説明がメインなので「模写」対象として使うのがいいかも
・苦手意識を減らして成功体験を基に次のステップに行くには最適
・省略された分かりづらい部分は著者の動画、サンプルファイルを参考に
・説明不足、誤植、間違いがいくつかあるのでそのつもりで

ちょっと厳しいことも書きましたが、個人的には購入&完走してよかったと思いますし、上記で書いたような条件に合う人、納得できる人にはお勧めできる本だと思いました。気になった人はぜひ挑戦してみてください。

それではまた

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