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ホロモデルのススメ 新アプリ解説編

皆さんこんにちは✨

AR技術などを駆使してアニメキャラやVTuberなどのデジタルフィギュアを空間に飾ることができるアプリ「ホロモデル」(HoloModels)の解説記事などを書いている一周と申します。

ホロモデルは2018年から展開されていますが、2021年4月に操作性や拡張性を改善した新アプリがリリースされました。


本記事はその新アプリの操作等について、新規ユーザー向けに解説するのが目的となっています。旧アプリ版の操作などは以下にまとめ記事を書いているのでそちらを参考にしてください。

なぜわざわざこんな記事を書くのかというかというと、いまのところ新アプリのチュートリアルが公式で用意されていないからです。
さらにいうと公式は旧アプリでも、「今後仕様が変更になる可能性がある」という理由で、割と長い間正式なチュートリアルを作らずにいたという前例があるというのもあります。(待っててもしばらくは出ない可能性の方が高いです)

とはいえ、旧アプリも大部分の仕様は新アプリと同じなので動画で見たいという方はこちらの公式HPの遊び方のページを見ていただくといいと思います。


なお、ここから書くことは記事の執筆時現在(2021年7月時点)の情報です。今後のアップデートで変更になる可能性があるので、その点はご了承ください。

そもそもなぜ新アプリがリリースされたのか

本題に入る前になぜ旧アプリがあるのに新アプリがリリースされたのか…ということですが、ホロモデルを展開するGugenkaさんが過去に行った配信によると

旧ホロモデルがリリースされた2018年以降、ARの新機能やiPhoneにも搭載され始めたLiDAR(ライダー)スキャナ機能などが登場していますが、それらを盛り込みたくても既存の仕様に引っ張られて難しい状態だった…

というのが主な理由です。

新アプリ発表時の配信のリンク等も貼ってあるので詳しく知りたい人は下記の記事をどうぞ。

現在、旧アプリでしか使えないデジタルフィギュアも、順次移行していくと公式では説明されていますが、移行した商品はリリースから約3カ月経った執筆時現在でもごく一部で、販売されてきたモデルの多さや過去の動きを見てもまともに移行完了するまでには年単位かかると思っておいた方がいいと思います。(と書くと早まるかもしれないので書いておく)


話が逸れましたが、ここからは具体的な説明に入っていきたいと思います。

現在はプロモードのみ

メインメニューでログインして「始める」を押すと、モードセレクト画面に移ります。といっても、現在は「プロモード」のみです。

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旧アプリにはポーズを変えられないなどの制限の代わりに、AR非対応端末でも遊べる「ビギナーモード」がありましたが、新アプリでは開発上の理由からかまだ実装されていません

新アプリリリース以降に発売されたデジタルフィギュアはこの新アプリのみの対応となっていますが、ビギナーモードが未実装のため、AR非対応の端末しかない人は新しいモデルで遊ぶことが出来ません

ただ、今後ビギナーモードが実装される可能性や端末の買い替えにより使えるようになることもあるため、一部の「期間限定」のモデルはとりあえず買っておくのもありです。(一度購入すれば販売期間が終了しても使えます)

アイテム選択

この後AR空間に設置するアイテムを選ぶことが出来ます。画面上にも書いてあるように後からでも変更可能です。

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ちなみに旧アプリではこの機能がなく、全アイテムを毎回ロードしていたため、起動が遅い、使わないアイテムが大量に表示されて邪魔といった不満が出ていました。

ボックスの配置

「ボックス配置」と「QRモード」のうち、左側のボックス配置を選択します。(※QRモードはホロモデルを使ったリアル会場でのイベント等で使われるモードです)

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黄色い粒がアプリが床として認識している個所になります。設置可能なスペースは水色の線で囲まれるので、そこに中央の「+」を合わせると、画面の説明にあるような〇が表示されるので、画面をタップするとボックスが配置されます。

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フィギュアは上のラックに、それ以外のアイテム、シール、ワールドは下の箱に入ってると思います。

画面上の各アイコンの説明

ボックスを置いた後の画面は、分かりやすいUIなので説明は必要ないかもしれないですが、初心者向け記事ということで一応説明しておきます

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歯車アイコン…ボックスの非表示、再配置などの機能を使うことができます。文字で書いてある通りなので詳しい説明は省略。

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唯一説明が必要そうなオクルージョンの機能はこういうこと↓が出来る機能です。端末によっては対応していない場合もあります(旧アプリでは機能自体がありませんでした)

QRスキャンモード…今のところ、購入したデジタルフィギュアを使う場合には用がないと思われるので省略

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カメラモード…右上のカメラアイコンを押すと動画撮影に切り替えることが出来ます。撮影は右の〇。

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左下のアイコンを押すと、背景を現実のものではなく、単色の背景に変えることができます(色も調整可)
部屋で撮影したいけど片付けが…とか合成を前提とした撮影の場合には便利です。

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↑上記機能を使って撮影したもの。注意点としてはこの機能を使うと若干パースがかかるので求める絵とズレたりする可能性もあります。

目アイコン…UIの表示・非表示を切り替えます

スプレーアイコン…デジタルフィギュアを色々編集するために使うメイン機能。この後詳しく説明します。

各スプレーの使い方

スプレーアイコンを押すと呼び出せる各スプレーの使い方を反時計回りの順番に説明していきたいと思います。

各スプレーの機能は公式では以下のように説明されています。

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↑公式HPの「スプレーの種類」より

ちなみにパーツ、変身、ボイス、アニメーションのスプレーが対応しているかどうかは各デジタルフィギュアの販売ページに掲載されているので確認してみてください。ボイス、アニメに関しては別売りのケースがほとんどです。

サイズ…文字通りフィギュアのサイズを等身大の1/1から豆粒大の1/144まで変更することが出来ます。

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上部の数字を選択するとそのサイズになりますが、下部の方は目盛りである程度自由にサイズを変更できるようになっており、ちょっと特殊です。数字を選択した時の目盛りの動きを見ると分かりますが

一番左が1/1、一番右が1/144となっており、1/2が中心部分になっています。自由にサイズを変更できるとはいえ、仕様上1/7あるいは1/10より右に行くと微調整がしにくくなると思います(あまり使うこともないと思いますが)

ポーズ…関節を自由に動かして好きなポーズが取れる、ホロモデルというアプリの根幹部分となるスプレーです。(※他の類似アプリはプリセットのポーズやアニメーションを前提としていることがほとんどなので)

スプレーをかけるとまずフィギュアの上に「体」という表示が出ると思いますが、ここで体の各部位の関節を動かすことが出来ます。

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具体的な動かし方については、旧アプリ版にはなりますが、過去記事の操作編Part4で各部位の説明

同Part5では少し難易度の高い腕と指の挙動について詳しく説明しているので参考にしてください。

旧と新でポージングの操作性が大きく変わったということは今のところないのである程度参考にはなると思います。(正直習うより慣れろのアプリではあると思いますが)

※注意点として旧アプリから新アプリへの移行で、「体」の一部だった「視線」が分離しており、そこは説明が異なっている点はご了承ください。


話を新アプリに戻します。

フィギュア上部の「体」の左右にある「<」と「>」で押すことで、体以外の髪の毛、服、指、アクセサリー、フィギュア自体の角度、顔のライティング(陰影)などを動かすモードに切り替えることが出来ます。動かすことができるものはフィギュアによって差があります。

※執筆時現在のVerだと、切り替える際に「None」と出ると思いますが、恐らくバグで、特に操作できるものはありません(Gugenkaさんに報告済み)

フェイシャル…フィギュアの表情を変えることが出来るスプレーです。
目、眉、口に対してキャラごとに異なるプリセットが用意されており、数値で位置や形を細かく調整できるのが特徴です。

「通常」モードのほかに、漫画的表現の><(下記画像4枚目)といった表情をできるモデルもあります。使いたい場合はフィギュアの上部の通常の左右にある「<」「>」で切り替えられます。(※表示されない場合は非対応)

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変身…衣装等が2種類用意されているモデルに対して使うスプレー。以下は一例ですが、対応しているモデルはごく少数なのでほぼ使うことはないと思います。

パーツ…ポーズスプレーでは切り替えられない一部パーツを変えることが出来るスプレー。例えばバーチャルシンガー・花譜のデジタルフィギュアではフードを被る、被らないを変更できたりします。対応しているフィギュアはそこそこ多いです。

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ボイス…別途、入手したり購入したりした専用ボイスを再生するためのスプレー。特に分かりにくいことはないと思います。期間限定販売・配布が多かったりします。ちなみに再生中はモデルの口が動きます。


アニメーション…こちらも別途購入したアニメーションを再生するためのもの。無料で遊べる東雲めぐのフィギュアにも一応搭載されています。

Gugenkaさん等が開催しているMIKULAND関連のアニメーションはかなりクオリティが高く、一見の価値がありました(現在は購入できませんが、今後のイベント時に再販される可能性もあります)


なお、Gugenkaさんは今年頭に自社内にモーキャプスタジオを構築したようなので、もしかしたらアニメーションが搭載されたモデルが増えるかもしれないし、そうでもないかもしれません。(どちらかというとxR関連の受託案件で使われそうなイメージですが)

プリセット公式が用意したポーズを呼び出せるスプレー。そのキャラならではポーズが登録されていることが多いです。ポージング操作が面倒という人はこれで撮るのもあり。
また、スカートをはいているキャラクターを破綻なく座らせることはなかなか難しいので、座らせたい場合は座ったポーズのプリセットを改変するようにすると楽だと思います。

6月末に発売されたGUMIモデルなどは同じく再現が難しい「グー」のポーズのプリセットが用意されました。これ以降のモデルのプリセットには登録されていく可能性が高いと思います。

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セーブ…現在編集中のポーズを名前を付けて保存することが出来ます。これとは別にホロモデルにはオートセーブ機能があります。詳しいことはロードスプレーの項で。

ロード…過去にセーブスプレーで保存したポーズを呼び出せます。ポーズ一覧のうち、AutoSavedDataというものを選択するとオートセーブで保存されていた直前のポーズを呼び出せます。アプリが落ちたり不具合があった時に活用してみてください。

ポーズスプレーを使うとAutoSavedDataの中身が更新されてしまう点だけ注意。

各スプレーの使い方はこんなところです。公式の説明不足を少しでも補足できたのであれば幸いです。

既知のバグや要改善の仕様

私が把握しているバグや改善の余地があると感じた仕様を以下に書きます。
端末やモデルによって起きる起きないの差もある可能性もあるので、参考までにどうぞ。

・ポーズスプレーを使うと使うたびにどんどん軸がズレていくことがある

どういう条件で起きるのかは不明ですが、そこそこの頻度で起きるバグです。これが起きるとポーズスプレーを使うたびにデジタルフィギュアの身体が勝手に曲がってしまうので正直使い物になりません。

これが起きた時の対策ですが

・左上の歯車ボタンを押す
・すべてリセットを選択
・ボックスやフィギュアを置きなおす
・ロードスプレーをかけて「AutoSavedData」で自動保存されたリセット前のポーズを呼び出す

という工程を踏むと軸がズレていく現象を解消できます(環境によってはできないかも)。

・ポーズスプレーの「None」

上記で述べましたが、Noneの項目は特に操作が出来るわけでもなく、操作時のタップ数が単純に増える存在になっています。なぜこの状態でリリースしていまだに残ってるのか普通に謎。

・ポーズスプレーの「視線」の操作をキャンセルすると寄り目になる

これはモデルによるのかもしれませんが、ポーズスプレーの操作のうち「視線」を一度動かした場合、キャンセルしたとしても元には戻らず寄り目になってしまう現象があります。

また、この「視線」は以前「体」の一部で、新アプリから独立した項目になったのですが、UI上の位置が「体」の項目と離れているため、使用頻度が高いこともあってタップ数が増える原因になってしまっています。

・ロードスプレーのポーズ一覧のソート条件が不明

旧アプリの場合、セーブしたポーズは登録順に並んで呼び出せたのですが、新アプリの場合、そうではなくなり、どういった条件でソートされているのかよく分からない状態になっています。ポーズ数が増えてくると結構厳しい仕様です。

要望は出した方がいい

ちなみにこれらのバグなどは公式アカウントとプロデューサーに伝えてあるので、いつか改善されるかもしれませんし、されないかもしれません。

ただ、公式が把握していないバグや不満な点はフィードバックとして返さないといつまで経っても改善されないので、公式タグ「#HoloModels」を付けて投稿したり、公式へのリプなどで書くといいと思います。


私は過去に何度か要望をまとめて公式に送っていますが、理にかなっているものに関しては反映されたものもそこそこあります。「ダメもとで」くらいの気持ちで送るといいと思います。


ホロモデルやVtuberを通じてGugenkaさんと約3年間付き合って思ったのは、ユーザーの声に耳を傾けて、可能な範囲で取り入れてくれるいい会社だと思いますが、一方で向こうから積極的にフィードバックを求めたりする会社ではない(アンケート等をしているのを見たことがない)ので、アプリの改善はある意味ユーザー側にかかっている部分も大きいと思っていたりしますw

自分がハマった仕様

これはバグではなく、私が新アプリにログインしようとして出来なかった時の話ですが、iОSの場合、safariがモバイル用Webサイトにつながる設定になっていると「アプリが見つかりません」となるようです。同様の画面が出た場合は以下の方法を試してみてください。

ちなみに新アプリはiPadに正式対応していないのでレイアウトがズレる可能性があります。私の環境では使うのには問題ないレベルのズレですが、端末によっては問題があるかもしれません。(ちなみに旧アプリもiPadはネイティブ対応はしていませんでした)。その場合はダメもとで公式に要望を出してみるのもありかも。


公式タグ  #HoloModels  を付けて投稿しよう

ここからは解説ではなく「お願い」です。

ツイッターでホロモデルの専用タグ「#HoloModels」で検索すると分かりますが、タグを付けて投稿されている作品は、累計100体以上のデジタルフィギュアが販売されていることを考えると、正直少ないと思います。発売直後の作品ですら投稿数が少ないこともよくあります。

そもそも売れていないのではないか?というとそうでもなく、6月の新聞記事では

ホロモデルのリリース以降、デジタルフィギュアは前年比約3倍のペースで売り上げを伸ばしている。新型コロナウイルス禍でバーチャルイベントが増加し、フィギュアの露出が増えたことも追い風になっているという。
(中略)
 デジタルフィギュアのほかアニメのVR映像制作などを手掛け、20年12月期の売上高は5億2399万円と、創業時の約20倍に成長している。

https://www.niigata-nippo.co.jp/news/economics/20210609621743.html

と、前年比約3倍のペースで売上を伸ばしているそうで、販売数自体は増えているということらしいです。実際、頑張って検索してみるとタグを付けずに投稿している各作品のファンなどは結構いたりするのですが、タグがないために可視化されず、第三者からみるとコミュニティが盛り上がっていない印象になっていると思っています。

長期的な展開を考えると、デジタルフィギュアの販売を検討している会社の関係者が見た時にSNSが盛り上がっていることは重要だと思いますし、盛り上がりを受けてホロモデルで新たなモデルを販売するといったことにもつながると思っています。

さらにいえば、デジタルフィギュアというものはサービスが終了したら、多くの場合、使えなくなりネットの海に消えていくことになります。タグを付けて作品を投稿することでサービスの寿命が延びると考えると各ユーザー側にとっても悪い話ではないと思います。

作品の質とかそういうものは気にせずどんどん投稿しちゃいましょう。

というわけで、ホロモデルの新アプリに関する話は以上となります。ここが分からないみたいなのがあれば、コメントやツイッターへのリプ等で頂ければ可能な範囲で、対応・追記したいと思います。

それではまた



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