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172 祈り会 振り返り

今日でミャンマーを覚える祈り会は172回目となりました。
共同代表渡邊さゆりがしばらくの時間、分かち合いをさせていただきます。今夜のお話はまずは4月からのアトゥトゥミャンマーの活動の報告です。そして今のミャンマーの状況について教えていただいたことをお話しできることを少し報告します。そしてアトゥトゥミャンマーと祈りについての三つに分けてお話しできればと考えています。よろしくお願いします。

4月にみなさんからお預かりした献金から、合計で30万円をミャンマーへ送金し、8万円はミャンマーからアジア学院へ研修生として来られる方の渡航費として用いていただきました。
ミャンマーにお送りした30万円のうち20万円は、ヤンゴン市内にあるキリスト教団体へ届けられました。このような送金の活動でそれを受領される側に危険があるということをいつも考えさせられるのです。どうして、命が助かりますようにと思って、みなさんが本当に自分の生活の中でミャンマーへ、と思って祈ってささげてくださっていることを私は身にしみて感じます。定期的に毎月、例えば一つの教会を支えるようにして、アトゥトゥへ献金しておられる方々が複数おられるのです。だからその方の1日1日の生活の中ではミャンマーのことを忘れることがないのだと思います。ささげているからミャンマーのことを覚えているというそういう単純なことではないのです。しかし継続的にこの送金ができているということは、並大抵のことではないということを思います。こうして本当やとっても温かく、嬉しいことなのに、それを受け取る側が、もっとヤバい状況になるっておかしいのです。これが軍事独裁の姿です。どんなに大義名分があったとしても、国民に対して政府を掌握しているものが銃を向けているというのは、人を生かさないということだと思います。

今、ミャンマーの国内で逃げている人々、IDP国内避難者と呼ばれる人々の数が、300万人ほどだという報道があります。それは大阪市の人口よりも多い数です。その人々がひとどころに集められているとか、計画的に安全な場所に留まっているというのではありません。常に移動をする覚悟をしながらそこにいるということです。そんなもの、早く国外へ行けばいいではないか、タイに逃げている人もたくさんいるではないかと思われるかもしれませんが、そう簡単なことではありません。それに、逃げなければならないということ自体がこれまで自分たちが培ってきた生活を全て捨てなければならないということです。そしてそれが自分たちの国の支配者によって起こされているということを考えると、早くどっか外国へなど口が裂けても言えないと思うのです。だから、要請される小さなことにちゃんと向き合って、みなさんにきちんと情報を提供しながら、しかも安全を保ちながら、本当にまるでライオンにアリンコが立ち向かっているようなことと思われてもこれを続けさせてもらいたいと思っています。
今、みていただいているのは4月にお送りした支援金で、教会のスタッフが子どもたちの集まりを開いているところです。残念ながらやっぱりここは絶対に安全ということがなくて、その特定の地域を口にすることができません。

そして空爆を免れている教会は、避難者が多く集まる場所になっています。
国内避難者は先程言ったように、いつまた移動しなければならなくなるかわかりません。今見て位いただいているようなビニールシートが大量に必要で、これで仮小屋を作っておられ、そこで生活されます。

お送りした30万円のうち20万円はカレンの方々のグループを通して、デルタ地帯での支援にしました。避難している人々の生活の多くの時間は水の調達になっています。その時に使うポリタンクが大量に必要で、それを購入したそうです。最初に言葉でその情報が送られてきました。だから私の頭の中には新品の綺麗なポリタンクがドカーンとトラックに積まれているイメージが湧いていました。ちょっとワクワクしていたのです。ああこれで、水汲みの手間が少しでも省けて楽になったらいいなあ、そんなことをこの祈り会で報告できたらいいなあと思っていました。「これです」と写真が来た時にはちょっとびっくりで、これはみんな使い古したもので、それらを集めてお商売をしている人がいるわけです。それを買い集めたということです。
さらにカレンへお送りしたお金は避難先での炊き出しのために使われたということで、今月は子どもたちの食事の様子がわかる写真を送ってもらいました。

二つ写真を取り上げます。一つはNIKKEI ASIAで紹介された避難者への医療を続けているLUKE HOSPITALの様子です。記事には2022年から2023年の間に行われた医療行為についての記録と、CTやら手術のための医療機器が全くない中で助かる命も助からないことがレポートされています。これを見て、戦争中の国は大変だななんて私は思わなかったです。国は領土、法律、そして民がいるから国だと言われています。国民国家主義者では私は全くありませんが、しかし、曲がりなりにも「政府だ」というのであれば、国民が十分な医療を受けることができないどころか、医療者を迫害し尽くして、追いやり、それでもなお人命に関わっていく人々がいることがおかしいのです。

カチン州、シャン州での空爆のことは映画を見られた方も多いでしょうし、またNHKがクローズアップ現代でその映画からの映像をふんだんに使って、また丁寧な取材もやって報道したので多くの方が知ることになりました。この写真もそこで目にされたのと同じように、ピンポイントで、本当に市民生活を送る人々が突然こうやって生活を奪われていくのです。私は荒川ニュースのニュースソースの翻訳と日本語監修を少し手伝っていますが、今日私が訳したのは次のようなことです。

昨日は重火器で6人が死亡し、負傷者も出たとのこと。リストは不明ですが、6人が死亡したという正確なリストはあります。マンモウ市の住民によると、重火器による戦闘を恐れた住民と近隣の村の人々は、北にあるナウンシアン村に避難しています。車、バイク、人の列、物資が道路を埋め尽くしています。たくさんの人がいます。町の人が全員逃げていると思われます。昨夜はたくさんの人が荷物を運び、今朝もたくさんの人が逃げていました。

現在、NUG閣僚が来日中で、各地で講演をこなっています。そこで、東京新聞があらためて日本政府がミャンマー軍の資金源になってはいないかということで記事を掲載しています。日本政府は、クーデターに際して資金援助を軍にはしないと表明をしましたが、実は、クーデター前にすでに契約されていたものについては変更なしとなりました。そこで今懸念されているのは、バゴー橋建設事業です。もともと軍関係の下請業者であるMyanmar Economy Cooperationが行なっている事業です。そこで、発注業者(千葉県にあります)横河ブリッジは、クーデター後にも200万ドルを支払っていることが問題視されており、この橋が完成するとさらに残りを支払うことが懸念されています。今、このミャンマー軍の暴力を止めるのは、軍がもう戦えなくなること、消滅していくようにすることが外側からできることだと思います。けれども利益供与があるのでしょうか。民間のことというような曖昧な逃げ口上で、依然として日本が毅然とした態度を取れていません。これは日本に住んでいる人々が声を大にして問題視していくことができる直接的なアクションです。

ではアトゥトゥミャンマーの4月の会計報告を行います。


先日、アトゥトゥからのメールでお知らせしましたが、新宿ケイズシネマでの上映のトークショーにはたくさんの方がおいでくださいまして本当にありがとうございました。新宿も、また大阪もアンコール上映が決定しました。さらに全国での上映が次々に始まります。映画「夜明けへの道」で検索していただくとみなさんがお住まいの地域でも見ていただけるようになると思います。

この映画を見た人たちがどんなことを言うだろうか、それは映画の感想としてどれも重要なのですが、私は「理由がどうあれ、戦うのは絶対ダメ」と言うような思いにさせられるのは聖書の中に出てくる預言者の言葉を思い出して、すごく心が掴まれる思いになりました。預言者たちは平和だと思っているけれども、本当はそうじゃないという偽の平和を見破れと声だかに語っているのです。そしてとにかく戦うのはダメという意見がこの映画を見て出てくるというのが、実は私たちはこういうのが平和だ、というイメージをつかまされている状況なのではないかと思います。戦わされて、本当は学校で勉強しているはずの人々が訓練をしているのを見ると、それだけでなんだかかつての日本軍の軍事ドリルを思い出して、嫌悪感が湧くというのもそうだろうなと思うのです。だからこそ、私は戦わないでという思いを持ちながらもなお、今この状況でその道を歩く人々を批判している場合か、と思います。一つの側を見たのです。決してミンアウンフラインの軍隊の訓練を見たわけではありません。もし、クーデター軍に巻き込まれてて兵士にされている若者のドキュメントを見たら、そんなところにいるな!と私は思ったと思います。だけどこれって夜明けへの道なんだけど、これが夜明けへの道になっていることをあなたが思っている平和像からそんなに簡単には言えないでしょう?そういう問いを投げられたのだと思います。他の選択肢を見せることがなく、むしろ無意識のうちにどんどんクーデター軍に援助が流れるようなことをしているところから、戦うなというのは死ねというのと同じです。

そんな中で、セルフドキュメントという形で抵抗されていることにこそ私は教えられるのです。自分のストーリーを語ることがこんなにも大木にとって脅かしになるのだというそれを知らされました。だから私も小さな祈りから始まったこのアトゥトゥミャンマーでの今夜の祈りを続けたいと思っています。さあ、祈りましょう。

参加者は合計61アカウントでした。


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