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私とセカイの影

夕暮れを背に歩いていると少しずつ私の影が伸びる.そのうち誰かの影に繋って,しまいには宵闇に飲み込まれていく.毎夕飲み込まれていく.たまらなく自身が矮小だと思わされる魔性の一時だ.いっそ夜は優しい.宵闇の向こうにみんな消えて,一人佇んで,ようやく私は私の存在を自覚する.

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