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腸閉塞16日目: ダブルバルーン内視鏡による大腸小腸の検査

クローン病悪化に伴う腸閉塞で入院して16日目のこと。

この日はダブルバルーン内視鏡による大腸小腸の検査日だった。検査の結果、潰瘍と狭窄が共に認められるものの、食事が詰まるほどではないとのことだ。明日の朝、重湯から食事を再開することになった。6/24の月曜日にクローン病の薬を点滴しなければならないので、退院はその後になると言われた。火曜ごろということだろうか。見通しが経つとちょっとほっとした。

以下にこの日行なった検査とその前後の様子を時系列で記録しておく。

前日の晩に下剤を飲んでいたため、夜1:30頃に猛烈な便意で目覚めた。何があったのか、ベッドの姿勢制御機能で足が高く上げられており、ベッドから降りるのに戸惑った。そうこうする内に少し漏らしてしまっていて、オムツを履いて寝ておけばよかったと後悔した。それからしばらく寝付けずにいた。

朝起きると、夜中に目覚めた時ほどではないが、また足が高く上げられていた。なんなのだろう。

朝、点滴を始めるも、落ちが悪い。5日間ほど挿したままの針の調子がいよいよ悪くなったのか、と思いつつ、様子を見ることになった。2時間ほどで、点滴が漏れ始めた。挿し替えが必要になったが、しばらくしたら下剤を飲み始めるので、トイレに行きやすいよう一時的に点滴を解除することになった。

8時半に吐き気止めを飲んだ。30分後に飲み始めた下剤のモビプレップは吐き気を催しやすいらしい。薬のおかげか、特に吐き気はなかったが、スポーツドリンクをいやに酢っぱくしたような味にはうんざりさせられた。これを1時間かけて1L飲み、30分でお茶などを500ml飲み、30分軽く動き周るらしい。7回ほど便が出て、便が混りもののない液体になったら腸の洗浄が完了したとみなす。綺麗にならなければ、再びモビプレップだ。ここ数日、エレンタールという栄養剤のみで固形物を食事していなかった私は、1Lで十分綺麗になった。ただ、トイレに籠る時間を考慮せずにモビプレップを飲み始めたため、1L飲むのに1時間半かかってしまった。昨夜、便を漏らしてしまってからオムツを履いていたが、下剤を飲む時は本当にありがたい存在だった。汚れれば捨てるだけで済むと思うと、トイレに確実に間に合わなければならないというプレッシャーから解放される。それと少々お尻が汚れっぱなしでも諦めがつくので何度もトイレに行く内に肛門がひりつくのもマシになる。今度からも内視鏡の時はオムツを用意するようにしよう。

モビプレップを飲み終えたところで、検査着に着替え点滴を挿し直してもらった。検査着は温泉浴衣のような前で合わせてとめる服と、お尻に穴の開いたトランクスだ。この穴から肛門を通じて内視鏡を挿入する。点滴はどうにも落ち始めが悪いのが気になった。落ち始めれば順調だったので、様子を見ることになった。

看護師によると、内視鏡のための腸洗浄はできるだけ朝早く済ますようにとのお達しがあったらしい。10時半には腸洗浄が終わって、すぐに呼ばれると思いますと聞いたが、結局呼ばれたのは15時過ぎだった。暇だったのでコーディングしまくった。

15時過ぎに内視鏡室に呼ばれ、看護師2名と同伴して歩いて行った。入院以来、検査に自分の足で行くのは初めてのことだった。ちゃんと歩けたことにちょっとした感動を覚えた。

内視鏡室の前でも30分近く待たされたと思う。通された部屋は特別なもので、内視鏡を使っている最中にレントゲンを撮れるらしい。内視鏡室はいくつかあるが、レントゲンを併用できる部屋が限られていたのが、遅くまで待たされた原因のようだ。ここでも点滴の落ちが悪いのが問題視されたが、点滴の分岐点から鎮痛剤と鎮静剤を注入することには成功したので、点滴の挿し直しは検査終了後にすることとなった。直に薬が効いてきた。内視鏡を挿入した最初の方に少し圧迫感があったがあとは内視鏡が小腸に辿りつくまでぼんやりうつらうつらしていた。意識が比較的はっきりした時には小腸の潰瘍部分についていた。今まで見てきた内視鏡の様子では、正常な腸内はつるつるしていて、炎症を起こしている腸内は膨れたような様子をしつつもつるつるしている印象だった。一方、潰瘍はなんだかざらざらしていて独特の質感だった。内視鏡により造影剤を注入し、体位を変えながらレントゲンを繰り返し撮った。医師たちの会話を聞く限り内視鏡の性能としてはもう少し奥まで見ることができるようだが、私の病状を悪化させては元も子もないということで、潰瘍より奥は診ずに終了した。

潰瘍も狭窄部もあるが、食事が通らないほどではないということで、明日の朝から食事を再開できるらしい。まずは重湯だ。今日は残念ながらエレンタールすら飲ませてもらえないらしい。

内視鏡検査後は鎮静剤が切れるまで2時間の安静が必要になる。オムツを履かせてもらい、ストレッチャーで病室に運ばれていった。ベッドの上で点滴を挿し直してもらった。その最中に便意を催したが、どうにも我慢できなかった。挿し直しが終わったところで看護師に伝えると、防水シートを持ってきて、オムツを履き変えさせてくれた。悲しむべきか、この手のことへの羞恥心はすっかりない。ただひたすらありがたかった。これまで別の病院で内視鏡検査を受けた際は鎮静剤を使わなかったからか、検査時こそ苦しいものの、後で漏らして大変ということはなかった。善し悪しあってどちらが良いとも言い難い。

間も無く微睡んで、起きたら看護師が点滴薬の交換を行っていた。聞くと2時間経ったらしい。お尻がやけに濡れた感じがするので点滴を中断してもらい着替えた。防水シーツの上は漏れた便で水浸しだった。簡易オムツよりもテープ式のオムツの方がよかったかも知れない。もう安静にしている必要はなくなったので、自由にトイレへ行けるが、念のため防水シーツを交換してもらい、私は新しいオムツを履いておくことにした。ここまでしておいてなんだが、この記事を執筆している現在、お腹は落ち着いている。

食事を再開できる明日の朝が待ち遠しい。

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