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自分にしかできないことは、きっと身近な人との関わりの中にある

「就活悩んでるみたいで、ちょっと相談乗ってもらえないかな?」

友人からそう連絡をもらって、就活中の大学生たちとオンラインで話すことになった。就活していたのはもう7年前。相談先、私で大丈夫かな。そう思いながらも、私も就活中にたくさんの社会人と話をさせてもらったし、これも何かの縁かなと思って引き受けることにした。

一言でいうと、彼・彼女らはとても賢かった。先を見据えて学部の選択をしていたり、将来やりたいことを実現するために一社目でどんな力をつけたいかを考えていたり。「ちゃんと考えていてすごいね。どうしてそんなに考えられるの?」と聞くと、こう返してくれた。

「自分にしかできないことがしたいんです。」

自分にしかできないこと。そういえば私も同じような気持ちを抱えていたときがあった。誰にでもできる仕事じゃなくて、自分にしかできない仕事がしたい。特に社会人一年目の頃は特に強く願っていた。願わなくなったのはいつからだろう。

思い返せば、最初のきっかけはフリーランスになったことだった。

フリーランスの形にもよるけれど、当初完全に一人で働いていた私の場合は、風邪で休んだら代わりはいないし、仕事が不調でも助けてもらえる状況ではなかった。

会社員でもフリーランスでも、自分一人で仕事をするということは、任せてもらえる喜びと引き換えに同等のプレッシャーが付き纏う。自分にしかできないことを代わりのいない状況でやり続けることは、必ずしも楽しいことばかりじゃないかも知れない。そう思った。

そして大きなきっかけは、家族を亡くしたことだった。

父が亡くなってもう3年。今でこそしっかりと事実を受け止めて前を向けているけれど、報せを受けた時は心底後悔した。「もっと娘としてできることがあったはず」「仕事の忙しさを言い訳に向き合うことから逃げちゃダメだった」と。

仕事は、大変なことも多いけれどやっぱり楽しいし、任せてもらった役割を全うすることはとても大事だ。だけど正直、世の中を見渡せば私の代わりになる人はそこらじゅうにいる。

だけど身近な人との関係性においてはどうだろう。娘である私、妹である私、孫である私、友人である私だからこそ、聞けること、言えること、できること、やらなきゃいけないことがきっとたくさんある。

自分にしかできないことは、どこか遠くにあるのではなく、身近な人との関わりの中にあるのかも知れない。そう感じた。

というのはあくまで私の場合であって、今回話をさせてもらった就活生の方々にあてはまるとは限らない。彼・彼女らはどんな道を進んでいくんだろう。いつかまたどこかで出会ったり、一緒に働けたらいいな。

そんな未来を想像した、温かな時間だった。


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