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「世界史を変えた薬」の読後感想

コロナ禍を解決する切り札であるワクチンが今話題になっている。
そこで、薬・ワクチンが今までに世界に与えた影響を教えてくれる本「世界史を変えた薬」を読んだ感想をまとめてみる。

1.薬理効果のある化学物質の発見以前の治療薬

 病魔は太古から現在に至るまで、人類を何度も恐怖に陥れてきた。また、科学が発展するまで病気の原因も非科学的な存在によるものと考えられていた。例えば、太古の人々は悪魔が体にとりつくことで病気になると考えを持っていた。彼らは悪魔を取り払うことができる、あらゆる方法を試した。祈祷、体に汚物を塗りたくる。現代では考えられない方法で病気に打ち勝とうとした。このような方法は、一見無意味に思えるが、当時の人々は目の前で苦しむ人々を助けたいという一心で考え付いた方法であると思うと、「非科学的で無意味」と一蹴することもできない。現に、今でも病気になると人々は回復を願い神に祈ったり、科学的に根拠のない精神的な療法を頼る。今も昔も病気と精神論は切っても切れない関係なのだろう。

2.薬理効果のある化学物質の発見以降の治療薬

 しかし、時代が進み科学技術の発展とともに、病気の原因が細菌やウイルスであることが判明し、これらに有効な化学物質が発見され始めると、今までと状況が変わってきた。まず、病気に有効な化学物質の単離・精製
が試みられ、続いて大量生産へ移行が進む。また、戦争によって薬への需要増加も相まって、薬の研究もスピード感を増した。皮肉なことに、人の命を奪う戦争が人類の命を救う薬の開発を一役を担っている。

3.これからの製薬業界へ期待すること

 これから、新たな薬はさらに開発されていき、治療方法が確立されていない病気にも有効な薬剤は現れてくるだろう。新薬開発によって、一人でも病気に苦しむ人々が救われるように願うばかりだ。



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