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オンライン発表会

練習期間(2021年3月31日〜4月25日)



それは突然のお誘い

「小さなつどい」に苦戦し、「無邪気」を練習していた2021年3月末、先生から連絡が入った。

「オンラインピアノ発表会を4月25日に開催しようと計画中です」

発表会ができるなんて想像もしていなかった。

でもこれは貴重な経験だ、ぜひとも参加したいと直ぐに返信。

練習期間は1ヶ月、さて何を演奏しよう??



選曲はどうする?

発表会があるのは嬉しいが、突然のことで新たな曲に取り込む余裕はない。

先生は「新曲に挑戦するのも大歓迎だが、これまで練習してきた曲の中から無理なく弾ける曲」でというスタンスだった。

昨年練習した「人形の夢と目覚め」をすすめられたが、ブルグミュラーを「1ヶ月に2曲合格」を目標に日々練習をしていた。

苦戦している「小さなつどい」、得意系よと言われたがピンときていない「無邪気」、譜読みを始めたばかりの「進歩」。

抱えている曲のことを思うと、「人形の夢と目覚め」に時間を取られるのはなかなか辛いところだ。

「人形の夢と目覚め」の中の「踊り」部分の軽快でテンポの早いメロディー、ラストのスケールなど苦手要素が多すぎる。

今から練習したところで最終的な仕上がりレベルは想像できる。

その直後のレッスンで、ブルグミュラーの「無邪気・進歩」あるいは「進歩・やさしい花」の2曲にすれば教本も進むし、発表会の練習も兼ねられると希望を伝えた。

先生は「自分が弾きたいと思う曲を弾くことが一番練習をがんばれます、最終的にはzakiさんの気持ち次第ですよ」と言われた。

練習する曲が増えることに少し迷いもあったが、そういわれると挑戦しないことがもったいないようにも思え、「人形の夢と目覚め」で参加することにした。



追い焚き足りず

昨年演奏したときよりもブラッシュアップしようと、各パートごとに練習に勤しんだ。

「眠り」の部分はペダルを付けて弾くこと、「夢」「踊り」との表現の差をつけるために子守唄のようにゆったりと響かせること。

「夢」は某給湯ボイラーの「お風呂のお湯が沸きました」でおなじみのメロディ。

「踊り」の部分は人形が主人公の夢の中で踊るシーンで滑稽な前半から次第に盛り上がり、ラストは右手の派手なスケールが見せ場だ。

今でもそうだが、左手の音を抑えて、音の粒揃えて弾き続けることが大の苦手だ。

左手が一定のテンポとリズムで弾くことができれば、右手はそれに乗って歌うだけが、私の右手は勝手にノリノリになって先走る。

速い動きは苦手なのにもかかわらず、突っ込んでしまい自滅するタイプだ。

過去にうまく演奏できなかった曲を○ヶ月後に弾いたら驚くように弾けた・・・という話を聞くが、私には当てはまらなかった。

「お風呂のお湯を沸かし直す」と挑んでみたが、追い焚き不足なまま本番当日を迎えてしまった。



発表会(2021年4月25日)

オンライン発表会は18組+講師演奏で約2時間で行われ、参加者とそのご家族がzoomに集った。

ドレスコードは「いつもより少し素敵な服装」、かわいくドレスアップした子供たちも多く和気あいあいと始まった。

前半は子供~初心者のグループ。

流行っていた鬼滅の刃の曲を弾く子たちが数組、グランドピアノで弾く子もいれば、電子ピアノの子、卓上キーボードの子もいたが先生はどの子にも「がんばって弾けましたね」「素敵な演奏でしたよ」と拍手と笑顔を送っていた。

JRの発車メロディに駅員さん風アナウンスを入れながらメドレーで弾いた幼稚園生の男子、「ドア閉まりまーす」でフィニッシュしたのがとても可愛かった。

先生ご自身はピアノに対して強いこだわりを持ち、真剣に向き合っていることが日々のレッスンからも感じ取っていたが、この光景を見てピアノ以外も排除しない、音楽に触れる喜びや楽しさを教えられる人なんだなと感じた。

自分の演奏順番になってもzoomに参加できなくてあたふたする方がいたり、お父様のピアノ伴奏と小学生の娘さんのヴァイオリンデュエットに合わせて妹さんが踊りだし画面に映り込んでしまい、それに気づいた娘さんがどんどん不機嫌な表情になってしまうというハプニングなどもあったが、とても楽しい雰囲気で進んでいった。

私は初心者部門のラストで演奏、黒地に小花柄のワンピースで挑んだ。

自分の出番2つ前にくらいになったら、音声と画像をオフにしてウォーミングアップをすることが許可された。

軽く指鳴らしをした後、先生から「次はzakiさんで人形の夢と目覚めです」とアナウンスが入る。

オンラインとはいえ発表会なので、まずは椅子から立ち上がり、カメラに向かってお辞儀して挨拶。

それから、演奏に入った。

いつもミスするところはうまくやり抜けたが、緊張でいつもよりテンポ上がってしまった。

細かいミスはあったが、弾き直すこと無くそのまま演奏を続けられたのがよかった。

きっと前半の子供たちは飽きていただろうし、私の後に演奏する上級者たちはウォーミングアップしてて聞いていなかっただろう。

自分さえ納得できれば十分だ。

その後、ドビュッシー、ショパン、ベートーヴェンと上級者たちが続いた。

ショパンが得意な先生なのでショパンを弾いた生徒さんが多く、わざわざ自宅ではなくグランドピアノの練習室から中継されている方もいた。

自分の演奏を聞いてもらうために、服装や環境を整えて参加されている様子が上級者から伝わってきて、見習いたいなと思った。

中には和気あいあいの雰囲気で油断されたのか、幻想即興曲を弾かれた方が同じところでミスが続き、何度も弾き直したが先に進まなかった挙げ句、あれ?あれ??あははは・・・・と笑いながら弾いていた。

その後持ち直した演奏は素晴らしかったが、自分が同じ様になった時にどう振る舞うべきか考えさせられた。

先生はショパンのワルツop.34−1を演奏された、言うまでもなく素敵な演奏だった。

発表会後、先生からは「お辞儀してる時に緊張してるように見えましたが、曲が始まったらいつもより楽しそうに演奏されていて、ミスしたときも動じずに音楽の世界から抜け出さなかったことと、ラストのスケールまできれいに弾ききったのが良かったです」と褒めていただいた。

100%満足する内容ではなかったが、また次の機会があれば出てみたいなと思える良い経験だった。


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