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インプットと経験

先日、知人の社長が経営している飲食店に顔を出した。コロナ前にはFCを含め全国6店舗まで伸ばしたので、これは弾けるのかと傍観していたのですが、コロナの影響もあり3店舗まで後退した。

私は、来店する前に不思議に思った。ここ3年間で飲食店や居酒屋などは、店を畳む寸前もしくは倒産寸前まで多くの店が追い込まれた。それでも、3年以上前から根強いファンがいる店舗は、苦境に立たされながらも何とか厳しい3年間を店舗を畳まずに今日まで至っている。そして、多くの店舗が今年から反転して攻めの経営をみせる時期になっていたり、インバウンド狙いの対応も考慮している。

1.はじめに

知人の店は、googleの口コミで1000人近くが投稿して、3.8~3.9前後の高水準をキープしていた。10年以上店舗をキープしているだけあって市場における評価もそこそこあった。そして、複数の雑誌に掲載されたものを切り抜きして店舗にも綺麗に貼られていた。

店舗に入り、注文を頼むと直ぐにある事に気が付いた。味を不味くは無いのだが、ガツンと来る何かが無かった。簡単に言うならば、料理人が拘り過ぎて一般的な舌と鼻をする人には、上品過ぎてコスパが悪いと感じた。
そして、恐らく10年以上前から同じメニューと味をキープする事だけを粛粛と守ってきたという感じだろう。

店主は、非常に働き者で経営者という事もあり、仕入・下準備・調理・片付け等の多くのタスクを自分でやり切るタイプだった。天候、そして湿度や温度で変わる食材の違いの差を微調整し、味を一定に保つところに生き甲斐を感じている感じがしました。

そして、このままではヤバイという感じも受けました。

即ち、東京山の手線圏内には数多の飲食店が毎年新規参入する競争争いの激しい世界です。そんな中で同じメニューしか提供していないという違和感を非常に感じました。同じメニューを提供し続ける事は、オペレーションコストを下げて安定する意味合いもありますが、私にはチャレンジ精神が足らなく感じました。

即ち、どんな飲食店でも7割位のスタメンメニューと3割位のチャレンジ精神のある新メニューを試している店舗が最終的に生き残っていると思う。どんなに名店の味であっても、ファンは色々なお店を経験し、味覚も肥えてくるし、飲食店にかけるコストの感覚も鮮麗されていく。即ちお客様が色々なインプットをもとに経験し続けて、今までの経験が新しい経験によりブラッシュアップされていくという事です。

2.気が付いた色々

料理一筋の知人は、私よりはるかに素晴らしい方であるのは、間違いない。
只真面目過ぎて、色々なインプットを得る時間が取れていない事に気が付いた。

即ち、真面目な職人肌であればあるほど他業界や周囲の人達が面白い・美しい・楽しい・美味しいと感じるに何かに同調する遊びの時間が取れていないということです。

即ち、現場に週1回位の監査程度の立ち回りならば、週1日を休みだとしても、週5日間を経営者自らがインプットを得る時間に回せます。それこそ、朝昼晩3食を他飲食店の来店数の多い店舗に顔を出して、マーケティングをすることが可能です。そして、どのような新しいメニューがあるのかも感じる事ができます。

そして、このような職人肌の人が同じパターンに陥ることも気が付きました。即ち、飲食店だろうがIT業界だろうが、リモートワークだろうが、麻雀業界だろうが、囲碁業界だろうが関係なく、どんな業界とかにも関わらず、ここ数年間で周囲で何がトレンドでどのような技術が最先端だろうというインプットを入れて、経験に変えた上で自分達のサービスや商品と比較していく必要があるということだ。

IT業界では、多くのエンジニアが1年経つと常にベースとなる技術と最先端の技術を学習しないと数年後には、問題抱えた古いアーキテクチャで構成されたシステムの御守しかできなくなったり、若い世代に追い越されていく現象が顕著になります。だから、常に自分の学んでいる技術以外にも多くのアンテナを張り巡らせ、空いている時間にチャレンジしてみるという姿勢が重要になってきます。

これは、結局私の知人の飲食店でも全く同じであると感じました。

3.知人へのアドバイスの整理

私が知人へアドバイスしようとしている内容は以下です。

・コスパの悪いメニューの見直し。
 ・原価が高くなり過ぎたもの
 ・コストをかけている割に人気のないメニュー
 ・手間が掛け過ぎている割に人気のないメニュー
・新メニューの開発
 ・サラリーマンが1000円札一枚でお腹一杯になる商品
   ・突き抜けなくても良く、腹いっぱいになる80点位の商品
   ・癖のある突き抜けた商品。
・外国人へのアプローチ
 ・外国人にはSNS(ツイッター、SNS)投稿で半額キャンペーン
 ・メニュー表記に英語追加
・飲食店初2時間休憩の導入
 ・超ホワイト企業を目指す為に、飲食店初の2時間休憩
 ・シフトは2h-2h-3h 3h-2h-2hとして、間に休憩を2回入れられる。
 ・従業員の休憩所充実(yogibo導入、冷暖房、アロマ)
 ・稼ぎたい人は、旧来の1時間休憩

・経営者のシフト改善
 ・経営者は、週6勤務から週1~2勤務を目指す。
 ・現場2割、マネージメント2割、6割インプットを求める。

4.纏め

生真面目な人程、同じ仕事や同じライフスタイルをルーチンのように継続する。それ自体は悪い事では無いですが、お客様となる多くの方々が常に同業種競合他社や異業種他社の商品やサービスをインプットとして、常に新しい経験を増やされている。

そんな中、自分達もインプットを増やし、色々経験して感性を磨かなければお客様が離れていったり飽きられてたりするのは必然の理である。

自分達を変化・進化させることには勇気が必要だし、労力がかかる。それでもあらゆる業種で生き残る企業や個人というのは、多くのインプットを経験するということだろう。

私の頭脳は、その知人の経営者のためにフル回転する予定です。

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