現在、先延ばし期間
わたしは、47歳のおひとりさまなのです。
両親をはじめとした、ほとんどの親族が亡くなっています。もちろん同世代の親族は生存しているようですが、諸々の事情があり、縁遠くなっています。少なくとも親族が住む場所も、連絡先も、わたしは知りません。
実質的に、天涯孤独なのです。
お盆を迎えたこの時期は、そんな事実を強烈に意識します。
だから。
午前に家を出て、お墓参りをして。
毎年訪れる甘味処で、宇治金時ミルクかけを食べて。
帰宅して、ぼーっとしているときに。
まだ、墓じまいは早いかなあ、とか、考えちゃうのでした。
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現在、日本ではおひとりさまが増えているようです。検索してみたら、一億総おひとりさま、という記事まで見つけてしまったから、ちょっと安心しました。
でもわたしの身近には、おひとりさま、少ないんですよね。
少なくとも、身の回りにいる知人・友人はほとんどが家族持ちです。いずれはおひとりさまになる時期が来るのだとしても、いまじゃない。入院することになっても身元保証人に困ることはないし、継承したお墓の先行きを不安に思うこともない。
だからたとえば、墓じまいをいつにしたらいいんだろ、と打ち明けても、「まだ早いでしょー!」と言われて、おしまいになることが多いのです。入院するときに身元保証人がいないんだよねえ、とぼやいても、「今は健康だからいいじゃない」という言葉が返ってくることが多いのですね。
まあ、しょうがないです。まわりの人の反応に、納得してます。
そしてわたしだって、結局、なにかを始めるわけでもなく、なにかを決めるわけでもなく、そのまま、いつもの毎日を過ごしているのでした。
なぜって、わたし、47歳ですから!!
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お墓参りしたとき、手を合わせて亡くなった家族に語りかけてきました。
わたしは、今年も元気です。
飼い猫ひめと一緒に、楽しくしあわせに暮らしています。
だから安心して、そちらの世界で見守っていてください。
とね。
おひとりさまだから、老後の問題や死後に迎える問題、いろんな面倒ごとに、いずれはひとりで対処しなくちゃいけないけれど。
でもまだ、早いと思うのです。
きっと亡くなった家族だって、そう思うでしょう。
だからいろんな面倒ごとを、いまのわたしは先延ばしにしてます。先延ばしってあまり褒められた行為ではないけれど、さすがに、いま、身体的には健康な状態で、死後事務委任契約を結ぶなんて早いもの。
現在はまだまだ、先延ばし期間。