Study53.アスパラポタージュのおいしい解凍方法と食べるときの温度
4月からスタートしたアスパラガスポタージュの開発は、やっと食品加工業者様との試作まで漕ぎ着けました。
工場で加工したポタージュをお互いに試食したところ、工場の方々が「こんな味だったかな?」という味になってしまったそう。「そんなはずはない!」と不安いっぱいになってしまったので、味が変わってしまった原因の一つとして考えられる「解凍方法」について細かく実験し、お届け時に同封する「丁寧な解凍レシピ」を確定することにしました。
以前も温度ごとに解凍実験は行ってたのですが(Study43.ジャガイモペーストの冷凍方法・解凍方法(2/2))「ポタージュをお湯に沈めるか」「後半溶けてきたタイミングで溶けやすいように揉むか」といったさらに細かいところまで比較していきます。
試した方法は5種類
① 湯煎2分→冷水2分
② 湯煎2分30秒(後半混ぜながら)→冷水2分
③ 湯煎3分→冷水3分
④ 湯煎2分(ずっと混ぜながら)→流水3分(前半揉みながら)
⑤ 湯煎3分→流水3分(前半揉みながら)
()内は何かしらの手を加えた場合記載しており、記載がない場合は全くポタージュには触らずに調理しています。①・③は湯煎中・冷却中は一切触りません。②・④・⑤は、湯煎中に短時間で解凍されるようお箸を使って「沈め」たり「揉んだり」という手を加えています。
早く解凍するほど滑らかに
実験結果はこちらです。実験結果はこちらです。
① 少し分離し、ドロドロ
② ❸よりサラサラ
③ わりとサラサラ
④ サラサラして本来の甘味も感じる
⑤ サラサラして本来の甘味も感じる
①は少し分離し舌触りが悪くなってしまいました。②・③の比較が面白かったのですが、湯煎時間が短い②の方がサラサラと舌触りが良いです。加熱時間は短いのですが、早く解凍されるようにお箸で「揉んだ」ため、早く解凍されたためだと考えられます。
この実験から、より早い解凍が美味しさに繋がる可能性を感じ、④・⑤ではお鍋につきっきりで最速で解凍させるようにしました。④は最初から「沈めたり」「後半揉んだり」し、⑤は④と同じ方法で解凍し、解凍したあとさらに1分多く湯煎してしまっても変質しないかどうかを確認しています。
結果としてはどちらもサラサラとした舌触りで甘味も感じ、一番本来のポタージュに近い状態になりました。溶け切ってから湯煎し続けても1分ほどなら問題ないこともわかりました。
ポタージュのおいしい温度
冷却方法もつど少しずつ変えていたのですが、冷却方法については舌触りにあまり関係していないように感じました。ただ、一つはっきりしたのは、「ぬるい」ポタージュより「冷たい」ポタージュの方がおいしい、ということです。冷製ポタージュとして開発しているのですが、ぬるいと香って欲しくない香りまで立ってしまいます。
キンキンにせずに、冷水で冷やす
一方で気をつけてもらいたいのは、「冷やし過ぎ」です。実験で食べきれなかったポタージュを一晩冷蔵庫に入れて翌朝食べたところよく冷えて味は美味しかったのですが、冷た過ぎて食べ終えることには身体が冷えてしまいました。体を温めたい朝なのに、冷えてしまっては良くないです。その点も踏まえると、今回実験で行ったように冷水で冷やす(冷蔵庫でキンキンには冷やさない)、という食べ方をおすすめしていきたいと思います。
この実験を踏まえ作成したポタージュの解凍方法はこちらです。
まずは豊栄町内の方々にお配りする予定なので、一緒に同封してお渡ししていきたいと思います。
8月の販売が目標です。無事にお披露目できるように、もう一踏ん張りです。
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