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Study56.トマトをおいしいポタージュにするには、先にミキサーにかけてはだめか、やっぱり切ってじっくり炒めるべきか。

今回のテーマはトマトです。トマトは旨味成分が野菜の中では飛び抜けて多いため、よく炒めてソースにしたり煮込んたりと世界中で幅広く食べられています。

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そんなトマトですが、よくカレーの調理法でたまねぎを炒めた後にカットしたトマトを入れ、水分がなくなるまで根気よく炒めていく作業があります。トマトの水分が抜け甘味と旨味が凝縮されていくのですが、先にミキサーにかけたら早く済みそうなのに、、とずっと思っていました。そこで今回は、「トマトのポタージュを作る」ことをゴールに、トマトペーストを美味しく作る方法を探っていきます。

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左「A 先にミキサーにかけたもの」、右「B 半分に切ったもの」を200gずつ用意しました。それぞれを鍋に入れ火にかけます。ヘラで混ぜながら水分が流れ出なくなるくらいまで炒め、83gになるように揃えます。

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「A ミキサーにかける」を火にかける様子。炒めながら、「B 半分に切る」よりも青臭さがフワッと立ってきます。

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「B 半分に切る」を火にかける様子です。中火だと焦げそうになったため弱火に落とし、あまりにも時間がかかりそうだったのでヘラで潰しながら炒めました。終始、鍋にくっつきやすいので、少し神経質に混ぜ続ける必要があります。

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83gに減るまで炒めた物がこちらです。つまり同じ量の水分が抜けた、ということになります。左「A ミキサーにかける」右「B 半分に切る」のトマトです。(今回時間を計らなかったのですが、「A ミキサー」の方が早く炒め終わりました。

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こちらが、「A ミキサーにかける」です。味噌のような状態になっています。

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こちらが「B 半分に切る」で、状態が全く違います。皮が目立ち、なめらかさはあまりありません。この状態で味を比較してみたところ、どちらもおいしいですが「A」の方が酸味が強いように感じます。

色に違いが出る

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次に、豆乳70gとともにミキサーで攪拌したものがこちらです。(左「A ミキサーにかける」右「B 半分に切る」)写真からも分かりますが、違う色に仕上がってしまいました。驚きです。

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「A ミキサーにかける」は赤みが強く、元のトマトに近い色をしています。

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「B 半分に切る」は黄色味が強くなってオレンジ色に近くなっています。

さっぱりか、甘味と旨味か。

味を比較していきます。「A ミキサーにかける」はさっぱりとした酸味のある味、「B 半分に切る」は甘味が強いように感じ、口に含んだ後から口の中に広がる旨味のようなものを感じます。この違いも、ニンジンの実験の時のように「どっちがおいしい」という判断が難しく、好みに分かれるのではないかと思います。個人的には「B」の後から来る旨味が気に入りました。

目的に応じて

暑い夏の日にさっぱりとしたポタージュを食べたい時は「A」が好きな方もいそうです。強い旨味がある方が好き、という方は「B」もおいしいです。カレーなどのコク出しには、やっぱり人類がこれまでそうしてきたようにゆっくり炒める「B」が良いのですね。

ここまで実験を行い、「結局加熱時間の長さが味と関係しているのでは?」「冷凍しても変わらないだろうか?」という新たな疑問が生まれてきました。次回実験にて明らかにしていきますので、お楽しみに。

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