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Study86_2.旨味を最大限に引き出した「ひらきなめこ」の唐揚げをつくるには?(下処理・洗い方のコツはある?編)
この記事は、《自然にやさしく 環境負荷の小さい農業の普及を目指し、野菜セットの定期宅配をはじめとした様々な取り組みを行う会社「坂ノ途中」》が取り扱う野菜から1つをピックアップし「一番おいしい食べ方」を探究していく記事です。
前回行った「ひらきなめこ」の実験記事はこちらから
Study86_1.下調べ編
前回の下調べ編に続いて、早速実験開始です。まずは「洗い方」「下処理方法」に注目していきたいと思います。前回からの振り返りですが、「洗い方」に関して以下のポイントがありました。
・なめこの滑りは洗わない方がいい、という記述が多い。その理由は(ぬめりには旨味や栄養が含まれているという説から)
・さっとすすぐだけで風味が失われることはない(キノコは初めからほぼ水分でできているから)
この一件相反する主張ですが、よく読むと「旨味・栄養」という表現と「風味」という表現を使っています。風味というのは、「香りを含む食べ物全体的な味わい」ということ。前者より後者の方が「香り」の側面が強いと思われます。ともあれ、総括して「おいしい」のはどちらなのか?確認していきたいと思います。
また、「下処理方法」に関しては以下のポイントがありました。
・冷凍するとおいしくなるらしい
こちらも同時に検証していきます。今回用意した条件はこちらの4つ。
A、 洗わない
B、 さっと洗う
C、 ゴシゴシ洗う
D、 洗わない(冷凍)
基本は全て生の状態からスタートし、比較のために(D)だけ冷凍しました。(B)は水を張ったボウルに5秒浸水し、少し振りすぐに水を切る。(C)は1分間手で混ぜながらよく洗い水を切る。(D)は洗わずに8時間冷凍したものです。
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水に浸水してしまうと、なめこ表面から一部が洗い流されているのがよく見えます。この剥がれ落ちているなめこがどこまで味に影響してくるでしょうか。
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加熱方法は、水から終始トロ火で加熱し蓋はせず10分煮ます。最終ゴールはあくまでも唐揚げですが、唐揚げにしてしまうと油によって味が感じにくくなってしまうので、序盤は「煮込み」や「焼き」で比較をしていきます。出揃ったものがこちらです。
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パッと色だけ見ると、(C)の煮汁の色が薄いように見えますが、味には関係してくるでしょうか。※煮汁の濃度に差が出ないように、なめこの重量と煮汁の量の割合が同じになるように調整しています。
冷凍すると、明らかに旨味が強くなる!
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味見をしてびっくりしたのは、冷凍したひらきなめこの旨味がダントツで強いことでした!そして、(A)と(B)はほぼ旨味の強さは変わらず、ゴシゴシ洗ってしまった(C)はダントツで旨味が薄くなってしまいました。
かつお出汁を思わせる強い旨味
旨味の感じ方にも驚きました。まるで動物性のかつお出汁のような強い旨味を感じます。普段実験で野菜ばかり食べているので肉のようなインパクトのある旨味には出会うことが少ないのですが、この旨味の強さには驚きました。
さっと洗うか、洗わない方が旨味が残る。
さすがにゴシゴシ洗うと旨味が減る。
このことから洗いに関しては、どうしても汚れが気になる場合はさっと手早く洗い、気にならないなら洗わなくても良いと言えそうです。補足として、元々ひらきなめこは粘り成分が少ないなめこなので影響が出にくかったという可能性も残っています。とはいえ、なんとなくやっていた行為に裏付けができ、うれしい限りです。
なめこ自体の旨味はそんなに変わらない
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肝心のひらきなめこ本体の味ですが、違いは見えてきませんでした。どれも肉厚でしっかりした歯応え!食べ応えがありおいしいです。下調べで「大きく育ったなめこは茎の食感がおいしい」という記述を見かけていましたが、茎よりも「カサ」が肉厚で食感があるように感じました。これは小さいサイズのなめことは別物です。
ここまでで、どうやら「洗いすぎない方が良さそう」ということは分かったのですが、水分に邪魔されず旨味をダイレクトに感じられるであろう「焼き」でも実験をしていきます。次の記事もお楽しみに*
「ひらきなめこ」について詳しく知りたい、購入したい、という方は坂ノ途中のHPからどうぞ*
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