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Study40.アスパラポタージュをレトルトにすると腐った辛子になる(加工食品失敗中)

4月いっぱい、活動地域である豊栄町のアスパラガスを使ったポタージュを製品化するため研究に励んできました。そして4月末に納得のいくレシピを完成させ、いよいよ待ち望んでいたパウチ加工を施しました。そして、失敗しました。レトルト完成品が下写真です。

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全く食欲の沸いてこない色に仕上り、分離もしています。レトルト加工前のポタージュが下写真です。

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こんなにキレイな緑色だったポタージュが、腐った辛子色になってしまいました。見た目も味も悪く、加工当日は悲しみから立ち直れず、このnoteを書くまでにいつの間にか一週間経ってしまいました。2.5キロのアスパラガスを仕入れ、約40袋を制作しました。地域の方々と、関係者のみなさん、アスパラガス農家さんに味見をしてもらうためでした。美味しいと言ってもらえるだろうかと、不安と期待を胸に仕込んだのです。

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見るも無残な姿になったポタージュは誰にも味見なんてさせられず、自宅に保管されていました。失敗から4日たった頃、ふともう一度味見してみようという気になりました。そして久しぶりに味見してみると、まずいの一言で片付けていた味を、冷静に感じ取れるようになっていました。少しマイルドになっているように感じたのです。

「失敗はしたけど、ここから見えてくるものもあるかも知れない」そして未開封のポタージュが後36袋あります。数日間ごとに、ポタージュの味の変化をみていくことに決めました。まずは、レトルト加工から4日目の様子です。

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左が冷蔵保存用、右が常温保存用に加工されたものです。材料はアスパラガス・タマネギ・ジャガイモ・豆乳・塩・レモン汁です。殺菌レベルの関係で両方とも100℃以上で加熱されており、「常温」の方がより高温で長時間加熱されています。アスパラガスの緑色が100℃以上の加熱により悪くなってしまい、豆乳が分離しています。

冷蔵の方が分離が少ない

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まず色の比較ですが、「冷蔵」の方が少し白っぽくなっているのが分かります。状態としては、「常温」の方が「冷蔵」に比べ分離が激しいように見えます。より高温で長時間加熱してあるためかと思います。スプーンですくってみます。

分離が少ないと、まだ美味しく感じる

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やはり「常温」の方が”モタッ”としており、分離が激しいことが分かります。香りは、両方とも「水炊きの鍋で煮込みすぎた白菜」のような香りがします。食べてみると、「常温」の方が分離した分舌触りが悪く、味も不味く感じます。「冷蔵」は「常温」に比べると少し舌触りがマイルドなので、まだ美味しく感じました。しかし、見た目が影響することもあり、あまりスプーンは進みません。

豆乳と緑の野菜をレトルト食品にするには、技術がいる

レトルトパウチ加工してからの加熱温度が高く・時間が長いほどに「分離が激しく」「分離により見た目と舌触りが悪く」なることが分かりました。豆乳の性質によるものだと思います。なぜ加工前に気づかなかったのか、と後悔が残ります。そういえば豆乳は、自宅で加熱する際も少しでも沸騰させてしまうと分離し始めてしまい、その反応は塩分など調味料が含まれるとより起こりやすくなります。「100℃以上の加熱」に耐えられるとなぜ考えたのかでしょうか。

諦めません。

豆乳を使ったポタージュなどのレトルト食品は存在しますが、大豆の扱いに慣れたメーカーさんが作っているようです。企業内で行われている研究や蓄積され進化する技術の尊さに気づく体験となりました。まだ諦めはしません。美味しいポタージュを届けるため、豆乳の性質、野菜の色の性質、食品加工について勉強を進めていきます。更新ごとに、完成に近づきますように。


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