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Study46.人参をおいしいポタージュにするには、炒めるか、煮るか。(続編)

3月に行っていたニンジンポタージュの実験(→Study25.人参をおいしいポタージュにするには、炒めてから煮るか、煮るだけか。)から、さらに条件を変えて実験を行います。今回は、「炒める」「煮る」の2つで比較します。※炒めてから煮る工程は経ません。

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途中切り方に迷った結果、いちょう切りと細切り用のスライサーとの2種類が混ざっています。炒めやすく・火が通りやすい「細切りスライサー」をお勧めします。

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米油で炒めている様子です。油にニンジンの色が移っていきます。

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煮ている様子です。アクは取らずに煮て、最後水気がすっかりなくなるまで水分を飛ばします。同量の豆乳と混ぜて攪拌させたものが下写真です。

「炒める」は黄色、「煮る」は赤みが強い。

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左が「炒める」右が「煮る」です。色に違いが出ており、肉眼でないと観察が難しいのですが、「炒める」は黄色味が強く「煮る」は赤味が強く白っぽく仕上がっています。(成分を同じにするため、「煮る」も攪拌時に同量の米油を加えています。)

炒める、は”とろみ”が強い

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とろみにも違いが出ており、左の「炒める」はモタッと、右の「煮る」はトロッとしています。

炒める、は味を濃くしやすい

味をみてみると、「炒める」の方が甘味が強く・味も濃く、美味しく感じます。「煮る」も十分甘いのですが「炒める」と比べると若干水っぽく感じます。それぞれ加熱後、「煮る」の方が重量が重く仕上がったため、水分が多く含まれていたと考えられます。味の違いが水分量の差から感じるものなのかを確認するため、「炒める」に加熱後に生まれた重量差分ほどの豆乳を加えてみます。

「美味しさ」は成分の濃さ

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すると、味の濃さから生じる美味しさの違いがほとんどなくなりました。そしてむしろ、この時点では「煮る」の方が美味しく感じてきました。「美味しさ」は、水分が少なく食材の成分が濃いほど強く感じられるようです。ニンジンのポタージュ実験は過去にも行っており(Study25.人参をおいしいポタージュにするには、炒めてから煮るか、煮るだけか。)、その結果と比較すると正解が分からなくなりました。

ニンジンの味が違うけど、表現が難しい。

しかし、両者には確かに味の違いがあります。表現が見つからずこういった言葉になるのですが、「炒めた」ポタージュは炒めたニンジンの味がして、「煮た」ポタージュは煮たニンジンの味がします。この微妙な違い、なかなか伝わらないかもしれません。

今回の実験で、ニンジンの味を凝縮しやすいのは、「炒める」ということははっきりしました。「美味しさ」については判断しかねる結果となったため、次回条件を変えて実験を行うことにしました。引き続き、お楽しみに。


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