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HERO IS COMING.“LATE”

2022年JRAで4年間続いたキャッチコピー「HOT HOLIDAYS!」に代わり、新たなキャッチコピーが発表された。
その名も「HERO IS COMING.」

中央競馬を彩ってきたHERO馬たちは、人々の記憶の中で今もなお走り続け、熱く語り継がれています。そして、これから登場するであろう新しいHEROへの期待が我々の胸を熱くする、それが「HERO IS COMING.」です。
JRA公式サイト

2021年は19年ぶりとなる3歳馬による天皇賞秋の制覇に加え、グランプリ有馬記念を制した“エフフォーリア”、白毛馬として史上初のクラッシクレースを制覇した“ソダシ”、14年ぶりのスプリントG1レースを制覇した“ピクシーナイト”など新たなヒーローが誕生した。
今年も新たなヒーローの誕生を願って、という意味合いでのキャッチコピーだと感じます。

そんな2022年波乱のG1が続いている中、とあるサラブレッドが平場のレース、京橋ステークス(3勝クラス)に圧倒的1番人気で出走した。

その名は“プログノーシス

netkeibaより

栗東・中内田厩舎 4歳牡馬
父:ディープインパクト
母父:Observatory
通算成績:4戦3勝[3-0-1-0]
(2022年4月8日現在)

たったの4戦、しかも2歳時の出走は叶わず、デビューは2021年3月。
そしてクラシック未参戦の彼がなぜ圧倒的1番人気に評されたのだろうか。

毎日杯
まず1つ目の要素が現在唯一の重賞挑戦となった毎日杯でのパフォーマンス故だろう。
2021年毎日杯は後のダービー馬“シャフリヤール”がレコード勝ちを収め、後のダービー4着の“グレートマジシャン”や名牝シーザリオの子供“ルペルカーリア”が出走する非常にレベルの高いレースとなった。
その毎日杯に彼はデビュー戦後僅か1週間の間隔で出走。そして3着に終わったものの1着に0.3秒差に迫るパフォーマンスを見せた。
ダービーに出走は叶わなかったが、もし出走していたら、掲示板を争う可能性はあったかもしれない。

ダービー後
6月、彼は中京にいた。そこで出走したレース(6/5 8R:1勝クラス)はムチを使わず直線で一気に交わし3馬身差で完勝。
そして5ヶ月の休養を挟み、11月のマイルCS直前のレース(11/21 10R:武田尾特別)に出走。恒例となった出遅れで4コーナー前までほぼ最後尾の位置取りから最後の直線で他馬をごぼう抜きし、結果2馬身差の圧勝を収めた。
京都競馬場の改修工事に伴いロングラン開催となりボロボロになりつつあった阪神競馬場の芝で上がり32.8秒という脅威的なパフォーマンスを発揮。
まさに父親ディープインパクトの様な末脚だった。

振り返ると、未勝利戦には2022年ダイヤモンドSの勝者“テーオーロイヤル”、毎日杯は前述の通りだが、1勝クラスのレースでも2021年ローズSの勝者でもあり秋華賞では3着となった“アンドヴァラナウト”といった名の知れた競走馬と競ってきた。
春は一体どのレースを走るのだろう、とファンは心待ちにしていたが、ゆっくり調整を続け、ようやく本日の阪神10R 京橋ステークスに出走。

そして、本日も勝った。全く同じ勝ち方で。


レース後主戦を務める川田騎手は

「道中も直線も、全体的に良い走りができていませんでした。まだまだ時間が必要かなと感じる内容でした。また改めてですね」
netkeiba

とさらに成長の余地がある、と思わせるコメントを残した。

次はどのレースを走るのだろう。
そしていつのタイミングでG1に出走するのだろう。
しかし私は確信している。
彼がG1でも最後の直線で大外から突っ込んで1番先にゴールインする姿を。
「ヒーローは遅れてやってくる」
きっと秋にはそう言われることを願いながら、彼をこれからも応援します。

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