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テレビ中心の団らんはオワコンか?

 昨日、ウチの娘から
「ドンキでテレビが映らないテレビがバカ売れしているらしいよ」
って話を聞きました。
「は?? 映らないテレビ?? 何それ?」
ってなったんですが、これが今年のスマッシュヒット商品だと聞けば、調べずにはおれません。

「ほうほう。チューナーレステレビ(スマートテレビ)というのか。」
「定額の動画配信サイトを見たり、大きな画面でゲームをしたりする人たちに、評価されてるんだな。」

さらにNHKの受信料も必要ない。
となると、受信料で定額動画配信サイトに二つ入ってもおつりが来ます。

「これはおいしい。なるほど売れるわけだわ。」と納得。

 設計の仕事でプランニングする前にお客様からご要望を確認しますが、家族のだんらんについて伺っても
「家族全員でテレビを見ることないですね~」
と言われることが多くなりました。
「なんとなくリビングに集まっては来るけど、みんなそれぞれバラバラな事をしてるかな~」って言われたりします。

 テレビを中心とした団らんはすっかり過去のものになりつつあることは、設計をしてても肌感覚で分かっていました。
にもかかわらず、目にするプランの多くは、テレビの前に大きなソファーが置いてあって、家族みんなでテレビが見れるような配置になってます。

これって、ちょっと不思議と思いませんか?

せっかく新居にソファーを置くんだったら、もっと素敵な景色を見ることが出来る位置に置きたくないですか?
薪ストーブの中でゆらゆらとゆれる炎を眺めたくないですか?

ソファーの置き場所ひとつでいろんなくつろぎのイメージが膨らんできます。

 テレビが悪者みたいな言い方しちゃいましたけど、テレビのメリットだってたくさんあります。
共通の話題作りになりますし、情報はリアルタイムで入ってきます。
大きな画面はとにかく気持ちがいいですしね。
人によっては、テレビをつけておくことで静けさを紛らわせている場合もありますね。BGMのように。

テレビが団らんの主役ではなくなっただけで、テレビが不要になったわけでは無いでしょう。
お一人お一人の時間の使い方が多様化して、テレビは一つの選択肢になったのです。

これを設計者の立場から考えると、一気に提案するプランが変わります。

「音楽を聴きながら好きな本をゆっくりと読む時間が大好き」って方なら、少し家族から離れて一人になれる静かなスペースがお好みでしょう。

動画配信サービスでアニメ三昧って方なら、先ほどのスマートテレビやプロジェクターの大画面でゆったりと鑑賞できるリビングが欲しくなるでしょう。

「ヨガやストレッチなどで体を動かすとすっきりするんです。」って方なら、大きな鏡が付いているフィットネススペースがあれば嬉しいですよね。

「大好きな愛犬と過ごす時間が何よりの癒しです。」って方なら、愛犬にやさしい滑りにくい床仕上げで、愛犬が少々走り回ってもOKなリビングが欲しくなります。なんだったら専用のドッグランも欲しいですよね。

リビングにはソファーとテレビがあるものというのは、もはや固定概念です。
家づくりは、自分らしいくつろぎの形を改めて考える、またとないチャンス。

くつろぎの形は「個性」そのものです。
是非とも「個性的な家」を建ててくださいね。







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