雑記

むかし、友人に嘘つきがいた。本当に息をするように嘘をつくヤツだった。何度も騙されたし、微妙にリアルな嘘で仲間内での僕の名誉を毀損したこともあった。インパクトがあって実害がでる嘘だけじゃなくて、些細な、こないだ誰々に久しぶりに会ってさ、オマエに会いたがってたよ、みたいな話も嘘だったりした。ほかにも多方面に面倒なヤツで、オトナになっていくにつれて疎遠になった。抜群に面白くて、いいヤツだった気はするんだけど。

ところで先日、僕は会ったこともないオンナの前で、自分ではない自分を演じていて、その半分は本当で、半分は嘘でできていた。その嘘の半分は本当の話を脚色したもので、もう半分はそうだったかもしれない自分。帰り道にふと、ヤツのことを思い出した。すごく悲しい気がするし、あるいは後悔しているのかもしれない。

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