入場料を取る本屋#文喫 を空間デザイナー的に観察してきた
12/11に六本木の青山ブックセンター跡地にオープンした入場料を取る本屋文喫に行ってきました。
とてもおもしろ空間だったので空間デザイナー観点でレポートをまとめてみようと思います。
まず最初に目につくのは入場料を取るという点です。このアイディアはここ数年で小売業の中でささやかれ続けていたアイディアです。
海外では多くの事例が存在しているのですが、日本でこの規模で実施したのは大変珍しいです。
しかしこの本屋の魅力はもっと奥深いものでした。
トキメキとはこのことです。
この本屋のコンセプトは「本と出会うための本屋」です
想像をし得ぬ本との巡り合わせるデザインがところどころに散りばめられています。
デザイン的に何を実現させたいのか細部の一つ一つに意図が感じられる、とてもいいトータルコーディネートでした。
この本屋は、本との出会い方そして別れ方を「初恋」というモチーフとして作りあげられています。
実際に体験してみて「初恋」に似た本との関係を結ぶことができました。具体的には後半で、、、
空間は平面的にピンク色のハッチングがかかった無料エリアとブルーのハッチングがかかった有料エリアに分かれています。
無料エリアにホテルの受付のようなキレイ目のカウンターで入場料1500円(2018.12時点)でWi-Fiのパスワード付きのバッチを受け取り有料エリアへ入場します。
バッチやショップカードなどすべて「初恋ピンク」
入場するとまず目に飛び込んでくるのは、普通の本屋のようなわかりやすい陳列ではなく、アバウトに書かれたポップと平で重なり合った本の陳列です。
大きさもタイトル名の重なりもすべて無視した陳列は、偶然的な本の出会いを作り出すデザインになっています。
実際に歩いているうちに、何冊か本当目が合う本があるんですよね。不思議なことに
これって一目ぼれってやつか??みたいな感じです本当に。
ちなみに無料スペースは整理された陳列になっており、ここは逆に普通の本屋よりも視認性の高い陳列になっており、トーン&マナーを保ちながら提供する体験に違いをつけるゾーン分けのデザインになっていました。
おそらく何か企画などあるときにこの部分が一気に変わって新鮮さを保つようなデザインだと思います。
いくつか出会ってしまった本を持って落ち着ける席はこんな感じです。10席くらいしかないですが、しっかりとした大きさがあってこの席に座れれば一日過ごすことができそうなくらい快適な大きさです。
コンセントは1つ
他にも食堂やこのようなカジュアルな席もあります。
雰囲気的に空間にあっていてイメージづくりとしてマッチしている
だかこの席で長居するのは物理的な椅子の形状から難しそう
きっとここはイベントスペースに早変わりする仕様なんだと思いました。
ちなみにドリンクはや食事メニューはこんな感じでした。
お茶がおいしかった
そして、ゆったりと本との出会いと読書体験を楽しんだ後に、この本屋の仕組みがいかにすごいと感じることになります。
出会ってしまった本。その中でお気に入りの本がある。
今買うかどうか、、
普通の本屋であればとりあえず棚に返して、また後日、もしくはAmazonで買えばいいやとなりますよね
しかし、この本屋はそうはいかないんです
取り扱っている本の中には、レアなものが多く、しかも一度 返本台に返してしまったら、もう二度その本とは出合うことができないような気がしてくるのです。。
これはすごいです。ここで買わなくては、、いやしかし、、、
そうです。これこそ本との初恋体験
出会ってしまった本に対して。付き合うか、別れるか本気で考えないといけないのです
これによって甘酸っぱい思いをしながら、これは購買欲高まるなぁと思いながらレジに本を持っていきました。
恐ろしい本屋です 最高です 文喫は書店の未来が詰まっていました。
本当はもっと解説すべきポイントはたくさんあるのですがここまでにしようと思います。
面白い体験ができるので、興味のある方は行ってみるといいと思います
オススメです。
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