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ビジネスを考える

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#働き方

《連続投稿540日目》テレワークかオフィスワークか?~希薄になるコミュニケーションのエコシステムが鍵~

 コロナ危機が進行する数カ月を経て、日経新聞だけでも、【在宅勤務 評価割れる 伊藤忠は原則出社に、日立は継続】や【在宅勤務、つぶやきで和み・ため息に反応 現場の知恵 withコロナ 企業の現場】をはじめとして、テレワークの功罪を問う、在宅勤務の効果を検証しようという動きが顕著になってきています。  そこで、まず、記事などからテレワークのメリット・デメリットを割り出してみると―― ▶テレワークの功罪(1)メリット   ① 多様な人材が活用できるようになる。   ② 個人

アフターコロナでオフィスは無くなる?それとも広くなる?~問い直されるオフィスのあり方~

 日経電子版の記事【米ツイッター、在宅勤務を無期に オフィス不要論に拍車】では、「(記事より)米ツイッターは12日、世界で働く約5100人の全社員を対象に、期限を設けずに在宅勤務を認める方針を明らかにした」と報じています。オフィス不要論、そして、不要論への懐疑論と、アフターコロナへ向けてオフィスのあり方が問い直されそうです。  この記事で最も印象深いくだりは、オフィス不要論どころか、その反対に、ソーシャルディスタンスの観点から、必要なオフィスの面積はむしろ広くなる、との指摘

派生商品のポテンシャル

 日経電子版の記事【サントリー「BOSS」、レモンティーなど派生品続々】では、働き方改革・テレワークと多様化する働き方など様々な飲用シーンに対応した商品を、有力ブランド「BOSS(ボス)」の派生商品として拡充するサントリーの施策がリポートされています。  さっそく、記事などからそれら派生商品を整理してみると―― ▶「BOSS(ボス)」の派生商品(1)ブランド本体   ① 「BOSS(ボス)」缶コーヒー (2)派生商品   ② 「クラフトボス」ペットボトルコーヒー   ③

事業承継の本当の敵~立ちはだかる流儀~

 日経電子版の記事【奮闘する「ムコ殿起業家」 衝突覚悟で老舗を大変革】は、改めて事業承継の難しさを考えさせてくれます。  そもそも、歴史の長い同族会社など、中小企業の存続が危ぶまれる昨今、盛んに後継者難、後継ぎ不在が叫ばれますが、本当にそれが根本原因なのでしょうか?  ――何故、後を継ごうと名乗り出る者がいないのか?  ――何故、後継者がいないような状態になってしまったのか?  この問いに対する答えが、この記事にはあるように思います―― ● これまでの流儀を否定され

人事評価のイノベーション~成長実感と評価・報酬の乖離を解消~

 日経電子版の記事【一風堂、アルバイトが自ら学んで時給アップ】でリポートされる動画による人材育成・評価ツール『イチトレ』は、まさに人事評価のイノベーションと言っていいと思います。  そもそも、人事評価システムの課題を考えた時、その最大のものは、評価される本人の『実感』と『評価』との乖離ではないでしょうか。『実感』と『評価』の乖離が何の説明もされないまま長期間にわたって放置されれば、本人のやりがい、働きがい、向上心がしぼんでしまっても何ら不思議はありません。特に、アルバイトが

ニーズを突き詰めて新たなベネフィットを見い出す~どうやって新たな市場を開拓するか~

 日経電子版の記事【洗濯機が不登校を解決? データが発見した新市場】は、ニーズを突き詰めた結果、新たなベネフィットが見い出され、新たな市場の開拓へと繋がった稀有な事例です。  さっそく、どのような経過で新たな市場が開拓されたのか、記事の内容を整理してみると―― ▶新市場開拓に至る過程【社会課題】・・・・・・不登校    ⇩ 研究・分析    ⇩  【原因】・・・・・・・・原因の一つに、汚れた服で学校に行きたくない、    ⇩      という子供の切実な思いがある。

匠の技、AIがデジタル化したその後は?~人から人への伝承が最も重要~

 日経電子版の記事【熟練の技 ITでシェア AI・VRなど活用】のようなリポートを読むと、いつも思う事があります――AI・ITを駆使して『匠の技』をデジタル化し、人間を代替、さらには効率化できるようになったとして、その後は一体どうするのか?――。  まず、記事から、『匠の技』がAIなどを介在して伝承されていく経路を整理してみると―― ▶『匠の技』の伝承             【熟練者】     『匠の技』『技能』『ノウハウ』『コツ』『暗黙知』       ⇩      

終電という心配がなくなる?~自動運転実用化のインパクト~

 日経電子版の記事【MaaSの本命? 自動運転タクシーの衝撃を探る】は、MaaSに関する出色のリポートだと思います。MaaSの実現によって起きてくるであろうことが、広く体系的に語られており、近未来におけるその情景が瞼に浮かんでくるようです。  まず、記事から、その予測の流れを整理してみると―― ▶自動運転タクシーのインパクト予測 24時間どこでも  マイカーよりも  ドア・ツー・ドア  交通弱者の 使える      低い総コスト   の利便性      需要取り込み  

ロボット、派遣します!?~人材派遣の比率が低下する時代~

 日経電子版の記事【人材各社、AI・ロボも提供 労働力減に備え スタートアップと組む】でリポートされているロボットの派遣ですが、さらに想像をふくらますなら、AI搭載の切れ者アンドロイドが会社にやってくるようで、まるでSF映画の一コマを彷彿とさせるようなシーンです。  この機会に、人材業界で起きていることを考えてみることにしました。  まず、今後の労働市場を展望してみると、何と言っても少子高齢化によって生産年齢人口が大幅に減少する見通しで、それに対する企業の仕事量が減らなけ

「掃き溜めに鶴」のビジネス~イノベーションにおける個人と組織の関係~

 現在進行形の第4次産業革命の時代にあって、『成長』という言葉は、『イノベーション』と同義になりつつあります。何故なら、既存のビジネス(モノ・サービス)でシェア競争をする「ドングリの背比べ」では、革新的なビジネスが出てきた時に「掃き溜めに鶴」になってしまい、持続的な成長は覚束ないからです。イノベーションあってこその成長、もっと言うなら、イノベーションし続けることによってのみ成長が達成されるのです。  問題は、このようなイノベーションのサイクルが、イノベーションアクセラレータ

進行する第4次産業革命の3大潮流   ~個人化✖小型化✖希薄化~

 現在進行形の第4次産業革命はどのような時代になるのか、日経電子版の好記事【企業組織の境界が消える日 個が台頭 柔軟な連携生む】に触発されて考えてみたのはつい最近の事でした(下記参照)。  その時浮かび上がってきた第4次産業革命の時代の大きな3つの潮流は―― ▶第4次産業革命の3大潮流 (1)個人化・・・個人が低コストでイノベーションのアイデアを見える化        できる、個人の活躍する時代。組織内での個人の比重が        高まる。 (2)小型化・・・時代・

日経電子版から今起きていることを知る~第4次産業革命の時代の潮流~

 日経電子版の記事【企業組織の境界が消える日 個が台頭 柔軟な連携生む】は、今、第4次産業革命の時代に起きていることを、大局的な見地から見据えた、実に骨太な論説だと思いました。いい機会なので、日頃日経電子版から得た知見やこの記事をもとに、自分なりに整理してみようと思い立ちました。 (1)イノベーションとは はじめに、イノベーションとは何か、最も簡潔に表現するなら、『アイデア対アイデアの繋がり』であると考えられます。そして、アイデアは個人によって作られ、個人によって運ばれます

『はやぶさ2』とロボットレストラン~新たなステージに入った人間と機械の関係~

 人間と機械との関係は、太古の昔人間が道具を発明し、それがやがて機械へと進化して以来、綿々として続いています。その関係が新たなステージへと入ったことを象徴するかのような記事が、日経電子版に相次いで掲載されました。【米国で増えるロボットレストラン 安い早いを実現】と【人と機械、究極の連携 はやぶさ2未踏への軌跡(1)】です。  人間と機械とのコラボレーションは、これから先どのように進化していくのでしょうか?  【米国で増えるロボットレストラン 安い早いを実現】で紹介されるのは

『24時間営業』とは何か?~その基準と落としどころ~

 日経電子版の記事【セブン、時短営業を実験 FC店の24時間見直し探る】は、人手不足による24時間営業見直しの動きが、ついにセブンイレブンにまで及んできた事をリポートしています。見直しの実験には相当の日数を要するようですが、業界トップの動向は、営業時間に関する新たなスタンダード形成の契機となるのでしょうか?    改めて考えると、24時間営業とは一体何なのでしょうか?特殊なケースを除いて、24時間営業問題は、イコール深夜営業問題である、と言えそうです。ならば、深夜とは何か