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【物書き部企画】海外在住者対談!「私の住む街、こんな街」 中東編

海外在住者対談!

「私の住む街、こんな街」

海外に住むってなんか憧れる〜、というあなたの夢を現実味のあるリアリティに引き戻す、という対談プロジェクト(笑)です。

物書き部 〜第二章〜 Presents
田村淳の大人の小学校・すばらしき児童たちのインタビュー記事
田村淳の大人の小学校・すばらしき児童たちとは?


3度目の対談は、本当に内容が濃すぎて、この世離れしていました。
ちょっと予告を入れると、ラクダチョコレート、羊の脳みそ、トイレのペットボトル、手首を切る処刑・・・

今回の(濃い〜)メンバーは:


トルコのアンカラに住んでいたみ〜こさん (以下: み〜こ)
中東とアフリカに住んでいた福沢さん(以下:福沢・今回はドバイ中心にお話ししてくれました)
エジプトで発掘作業をしていたにしよしさん(以下:にし)


この御三方と対談しました。
インタビューアーはヴェネチア在住のナターシャです(以下:ナタ)

読んで時間の無駄にはならないので読んでみて下さい!

1)どこに住んでいますか、なぜその国に住んでいますか?

み〜こ:30年近く前ですが、夫の駐在で最初はイズミールに行くはずが、仕事が始まらなくて、トルコのアンカラに2年住みました。


福沢:これまで色々な国住みました。商社で働いていたので中東とアフリカを転々としていました。
(ここから超複雑な家庭環境から、手書きのドバイ建国の王様の肖像画Tシャツまでの話は割愛しますが、元の対談の音声ファイルにて確認できます。)


にし:学生時代にエジプトの考古学の発掘隊員としてダハシュールでに数ヶ月ずつ、計一年くらい滞在しました。下っ端で行ったので一番初めに覚えたアラビア語が「領収書」です。笑 


2)その国でしか食べられないものはなんですか?逆に手に入らないものは?

み〜こ:イスラム教の国は豚肉が手に入りにくいですよね。お酒はラクっていう透明なお酒があって、水を加えると白くなる蒸留酒があります。


ナタ:アニス(八角)の香りのやつですよね、フランスにもRichardっていうブランドであります!


福沢:マクドナルドのオリジナルバーガーでマックアラビアっていうのがあります。シャウェルマっていう、削ったお肉でラップを作るのをマクドナルドで出したって感じですね。
あとはラクダのお肉や、ラクダミルクを使った料理です。ラクダバーガー、ラクダのこぶを蒸して食べたり、ラクダミルクチョコレートは空港のお土産で手に入ります。


ナタ:ラクダミルクチョコレートって普通のミルクチョコレートと比べてどんな味がするんですか?気になる。


福沢:ラクダミルクって淡白であっさりしていて、ほのかにナッツのかおりがするので、チョコレートもそんな味がします。
ラクダミルクチョコレートを作っている会社って王族系の会社なんですけど、ドバイって、ラクダの所有数で富を測る傾向があって。ラクダを誤って車でひいちゃうと、処罰されるくらいラクダが重要なんです。そのラクダをたくさん飼っているこの王族のラクダ乳業メーカーが、ラクダミルクチョコレートを出しています。


一同:ヘェ〜!食べてみたい!


福沢:あと珍しい食べ物で言ったら羊の脳みそとか。


み〜こ:羊の脳みそは栄養満点だから妊婦が食べるって聞きました。
にし:スーパーに普通に売ってますよね。パックにスライスされて。唐揚げ風にして食べたら美味しいよ、と勧められて、本当においしかったです。
(妊婦の方居たら、是非試してみましょう。)


福沢:生卵はやっぱり現地で食べれないので、出張の人が来る時に日本から手荷物で持ってきてもらいました。


にし:エジプトではうさぎを食べたことがあります。あと日々食べてたのはコシャリ、というご飯料理ですね。パスタ、レンズ豆、ご飯にトマトペーストを混ぜたのを食べてました。


ナタ:イタリアでもスーパーにうさぎ肉が普通に売られてます。


み〜こ:トルコのドナルケバブは羊肉が多かったかな。日本でも羊肉?


福沢:日本に輸出してるドナルケバブはほとんど牛肉です。


3) 海外に住んでいて不便なことはなんですか?

み〜こ:当時、日本料理屋がイスタンブールに一軒しかなくて、
日本料理は自分で調味料とか取り寄せてご飯作ってました。


ナタ:トルコでは運転してたんですか?


み〜こ:いや、もう動物の方が人間より貴重な命なので、運転なんて怖くて出来ません!夫は運転手が居ましたし、私はタクシーで移動してました。ラマダン(断食)の間は1ヶ月間、タクシーの運転手が、夕方の渋滞にはまるとお腹が空いてるからイライラしちゃって、すごく機嫌悪かったです。
トルコのアンカラはイスラム教の国とは言っても、女性の髪の毛を隠すスカーフは廃止、都会の女の子はミニスカートにタンクトップで出歩いて居ましたし、大学で働く人たちはラマダンもしてませんでしたね。


にし:エジプトもカイロ(都会)と田舎で違いましたね。都会の人はアメリカ人も多かったし、ちょっとノリノリな感じでしたが、田舎に行ったり、年配の方はやっぱり髪の毛を隠す方が多かったですね。


み〜こ:そういえば、今思い出したんですけど、私居た時に湾岸戦争が勃発して、家族は先に帰って下さいと日本に返されたのを覚えています。日本大使館が爆破されたりして危なかったんですよね。


ナタ:み〜こさんの不便な所「戦争」・・・とメモしておきます。(笑えない)


福沢:ラマダンと言えば、ドバイでラマダン中に気温が54度に達した日があって。暑いとかの次元じゃなくて、冷房のビルから出る瞬間に「あぢっ!!」って外がヤケドしそうな暑さなんですよ。
表にサンダルで出ると、数歩すると、サンダルの裏が溶け始めて”ペッタ、ペッタ”って地面にくっつき始めます。砂漠だから湿度が低いのかと思いきや、海に面しているから湿度も80~90%になるくらい高くて、本当にサウナ状態です。


ナタ:プールの意味がないですよね。温泉水みたいな暑さになっちゃって。日中は出かけると危ないですよね?


福沢:プールは本当に温泉みたいな暑さになります。現地の人も夕方になると出かける習性です。女性の皆さんが黒い格好しているので、並んでコウモリみたいに見えますし、男性は長い白いカンドゥーラを来ておばQみたいな格好で、日が沈むとコウモリとおばQの大群が街中にざわざわ出てくる感じです。
当時、ブルジュハリファって世界一高い高層ビル(834m)の建設をしていて、インドから建設で来ている労働者は、50度以上の暑さの中、4人で一つの部屋を使って代わるがわる睡眠を取り、照り返しのあるビルの高いところに登って、トントンカンカン建設してお給料は一日800円、本当に大変そうでした。
その他にも、砂漠の真ん中にスキー場とスケートリンクを建設したり、私が住んでいたホテルの真ん中にもスケートリンクがあって、なんか一生懸命、日本で節電しているのがバカらしくなるような電気の使い方していますね。


ナタ:50度になる砂漠の中にスケートリンクやスキーリンクを作るって・・。
(ここからエネルギーの話が続きます。)


福沢:もう一点!アラブのIBMがすごく不便でした!
Insha'llah(神の思し召しのままに)
Bukra(明日やろう)
Ma'lesh(気にするな)

何に関しても全部先延ばしの精神があるので、何も進みません。


にし:アラビア語に「ごめんなさい」って言葉があるのかなって調べたことがあるくらい、誰も謝らないんですよね。
み〜こ:私の夫も元々イズミールに転勤した時に、プロジェクトが始まらず、Insha `llahで片付けられてました。


4) 着るものの特徴を教えてください

福沢:男性が着るカウドゥーラ(おばQ)も国によって違います。サウジアラビアはチェック柄とか、巻き方で身分を表す、肩に布をかけていい身分があったり。


ナタ:商談はこういった衣装で行くんですか?
名刺の交換とかもありますか?


福沢:私は暑い中、ネクタイ締めて断固スーツで行ってました。名刺の交換も今はやりますね。偉い人は名刺くれませんが笑


ナタ:にしよしさんは発掘中はどういった服を着てたんですか?


にし:気温差が激しくて、朝6時に到着するとフリースを着てないと寒すぎるくらいで、そこから毎時間5度ずつ上がるくらい暑くなりますw
昼の12時になると1枚でも無理なくらい暑いです。乾いているので、水分補給には十分注意するように言われてました。喉が渇いた時点ではもう脱水症状を起こしているかもしれないって。
測量の会社の人が来ると、機材など持って慣れていないから、ちゃんと水飲んでなくて倒れちゃう人とか多かったですね。


ナタ:私も夏のエジプトを何度か体験しましたが、逆に半袖よりも長い白い袖の方が太陽に直接当たらず、涼しかった覚えがあります。


み〜こ:あのゆったりとした白いカンドゥーラ(おばQ)って理にかなっているんですよね。


ナタ:男性の方ってあの下にパンツを履くんですよね?


福沢・にし:一応は履くんですけどね、田舎のおじいちゃんとか履いてない人多いですよね。
よっこいしょ、っていろんなものがこんにちはしてる・・


福沢:中東がみんなそういう服を着ていると思われがちですが、ドバイやレバノンは体の線を見せるものも自由に着てますよ。


ナタ:あのダボっとした中に結構おしゃれなブランド品着て、メイクも髪もばっちりしてるんですよね。


み〜こ:おうちの中ではすごい派手な服着てるんですよね。


にし:そう言えばカイロの下着屋さんもエロかったです。


福沢:わかる!


にし:すごい勝負下着売ってるんですよね。見えないところにおしゃれするんだな〜ってすごい感動しました。


ナタ:エジプト大使館のパーティーに呼ばれたときに男女別室で、男性の立食パーティーの様子を見ながら、女性はクッションがたくさん置かれたリラックス部屋で、皆さん来ていた服やスカーフを取って、派手な服で、男性諸君が立食パーティーしている様子を画面で見ながら座ってご飯食べてましたね。


福沢:他のアジアの国とか、先進国と違って、中東って本当に「えっ」と驚くことが多いですよね。


5)住んでいる場所の特徴を教えてください

福沢:高級ホテルに住んでいる人は本当に居ます。ホテルの何階かはレジデンス(月極)で住むようになっていました。お金を持っている人は本当に現地の人とはかけ離れたようなところに住んでいましたね。
ドバイは8割外国人で2割が現地の人で、その8割の外国人の中でもほとんどが出稼ぎで来ているインド人で、彼らの住む場所はルームシェアが大半です。日本でいう経済格差がかわいい、と思えるくらいドバイでの経済格差は深刻です。


み〜こ:トルコの家は、地震が少ないから、支柱もなしにレンガを積んでいるだけの家が多かったです。
アンカラは人が多いのでアパートしかないんですが、木炭で沸かしたお湯をパイプに通って全館暖かくなってます。だから室内は暖かいんですが、木炭で光化学スモッグがすごく出ちゃうんです。うちの旦那が気管支が弱くて、会社が用意してくれたアパートが素敵なところだったんですが、目の前に煙突から黒い煙がもくもく出ているのを見て、(私が全然気に入らない家具が置いてある家に)引っ越してしまいました。


ここから恒例の「トイレトーク!」

にし:発掘の隊員用のアパートがカイロのタハリールスクエアから一駅のところに用意されていて、便利な立地でしたが、「トイレの紙を流しちゃだめ」って言われてました。


福沢・ナタ:トイレットペーパーが固くてつまりやすいですよね。
にし:新聞紙で拭いているのと変わりない硬さですよ。


ナタ:ウォシュレットの代わりに大きなペットボトルに水が入ったのが置いてあるところもありますよね。


にし:紙がなくてペットボトルしか置いてないところで、始めて左手を使って、自分でゴシゴシとお尻を洗った時に「僕は一つ大きくなったぞ」という気持ちになりました。


福沢:ビデもありますよね、トイレとは別に洗えるウォシュレット。友人が何に使うのか分からなくて買ってきたスイカを冷やしてました。


一同:絶句・・・(ビデはヨーロッパにもたくさんありますが、基本、用を足した後に下半身を洗う所です、写真の右側)

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ナタ:うちにもビデあるんですけど、いまだに使い方が分かってないです。移動しないといけないし、上から水が出るからどういう角度で当てればいいのか分かりません。


福沢:ビデは研究しましたね、ここまでズボンをおろしてこの角度にすれば洗えるって。ドバイは田舎に行くとシャワーのノズルが付いていて、それがウォシュレットがわりです。


ナタ:あのシャワー、すごい水圧ですよね。
福沢:そうそう、ガツンって来ますね。
(トイレトークは毎度、大盛りあがりです。)


6)手に入らないから自分で作っていたものはありますか?

み〜こ:餃子の皮とか自分で作ってました。後はケーキとか作ってましたね。甘いものもあるんですが、現地のおやつは甘すぎてだめでした。


福沢:お肉は手に入るんですが、薄切りのお肉がないので、スライサーを買って自分で切ってました。
み〜こ:私も自分で切ってました、半解凍にしたお肉を薄切りにしてました。
私がいた時はまだ大丈夫でしたが、数年前に駐在していた先輩は、鳥の羽がついた状態から調理するので大変だったわよ、って言われました。私はその状態だったら鶏肉食べてなかったかも。
(しばし、鶏肉部位トークで盛り上がる)


福沢:豚肉が手に入らず、ラムもあまり調理しないし、鶏肉中心の食事になるので飽きてくるんですよね。そしてドバイはご飯がまずくて・・・美味しくない、の下ですね。

7)恋愛について教えてください

福沢:ドバイは出会い系サイトがあって、みんな顔隠してるから誰かわからないんですよね。


にし:僕もエジプトの出会い系サイト調べました!目しか見えないからどうやって出会うんだろうって。


福沢:説明の欄にお家柄が書いてあるのが、ドバイっぽいな、って思いました。名前からもどの家族かわかるからそれでなんとなく「どこの村のなんとかさん」まで分かるんですよね。後は女性の方が男性の顔が見えるので、女性が選ぶ傾向があるかな。


にし:アラブの春(2011年の革命)からSNSの発達が急速に進みましたよね。
福沢:でもアフガンとかサウジとか「超保守的イスラム圏」の国では出会い系サイトなんかに登録して身バレしたらリンチされるでしょうね。むち打ちとか公開処刑もまだありますからね。
サウジでは風で服がめくれて下着が見えちゃった女性が処刑されたとかありますからね。悪魔が誘惑したって。
盗みをすると手首を切られるとか有名ですよね。被害者がやってもいい、(加害者の手首を切ってもいい)と同意すると切ってもいいって事になります。
ラマダン中に観光客が、コーラをガブガブ飲んでいて、捕まった事もあります。「誘惑」したって。みなさん唾を飲むのも我慢して飲まず食わず断食してるので、知らなかったでは済まず・・・。


ナタ:やっぱり中東すごいですね。この対談やるたびに、みなさんのお話聞いて賢くなっている気がします。アフリカの話ができなかったのが残念。またアフリカ編やりましょう。


〜〜アフリカ編の予告編〜〜

福沢:アフリカはイエメン以外なら海沿いの国は全部行きました。ナイジェリアは頭がよく、メールで騙してくる詐欺師が多くて。エジプトも多いですけどね。
にし:そうそう、もう額に詐欺、って書いてあるくらい分かりやすくて。目が肥えてくると、どんな感じで詐欺してくるのか楽しみになります。変な日本語で「僕、怪しくないよ」っていう人は500%怪しいんですよ。
福沢:今アフリカで一番知られている日本語って知ってますか?
ナタ:車の名前とか?
にし:もったいないとか?
福沢:正解は「ETCが挿入されていません」です。


一同爆笑


福沢:中古の日本車がたくさん輸入されているのでね、車に乗るたびに言われるからみなさん覚えた日本語がこれなんですよね。
ナタ:バスとか、日本のミニバスみたいなのを使うから崎陽軒とかのバス見たことあります。
福沢:住吉豆腐とかね、それに機関銃載せてる兵士さんが居たり、まさか豆腐屋のトラックがそれに使われてるとは・・。
み〜こ:福沢スペシャルを、後3回くらいやってほしいですね。 
福沢:その時にチュニジアの家に手榴弾投げ込まれた話しますね。
続きは乞うご期待!


元の対談がマジでオススメなので、時間があれば!こちらから聞けます!