事業持続のもとは世界観(23)

久しぶりに経営っぽいお話をします。
今日は経営の出発点であり到達点、事業って何かということです。

事業ってなんだろう

実はここの定義が曖昧で、また、会社、法人、経営、経済、、、、似たような意味の言葉も多くて、私自身も混乱してきた歴史があります。

こういう時はまず辞書。weblioで見てみましょう。

ことわざ【事業】
  すること。しわざ。また、仕事。
  「はかなき—をも、しなし給ひしはや」〈源・朝顔〉
じぎょう【事業】
  1 生産・営利などの一定の目的を持って継続的に、組織・会社・
  商店などを経営する仕事。「事業に手を出す」
  2 大きく社会に貢献するような仕事。「宇宙開発事業」「慈善事業」

英語のBusiness(忙しいこと)よりは、まだ具体的な感じもしますが、それでも直感的に理解するのは難しいように思います。だって、事業が「経営する仕事」だとすると、事業経営って何だろう、、、

こうして、謎が深まるばかりだったのですが、自分で定義したほうがすっきりする、というのが私の結論。私には、事業の意味は「ある経済単位(国、個人、法人)が営む経済活動」っていうのが一番ピンときます。

いろいろな世界観

事業を語るときの語り口も様々ですが、それは、事業を見る人の世界観によって変わってくるからです。

・お金儲けの手段
17世紀、株式会社が貿易航海というベンチャープロジェクトを源流として生まれて以降の資本主義の定義。現在も株主に対して投資リターンを生み出す手段としての側面が強調されることもあります。

・生産主体
土地・労働・資本から何らかの生産物を算出する主体。経済学の定義。18世紀にオーナーが丸儲けしていた時代、唯物論が導かれる背景になったこともわかります。

・よりよい世界の実現
社会問題を解決し、よりよい社会、よりよい世界を実現すること。経営学では、2000年以降、ポスト資本主義として語りだされて、最近のCSR、SDGsで強調されるようになりました。

私にとっては、事業は「よりよい世界を実現すること」で、生産はその手段です。収益はその生存条件です。
財や富が生産されて初めてよりよい世界に寄与しますが、これは目的ではなく実体。生産されたものが持続的に効用を発して初めて世界がよくなります。
儲かっていないと事業を継続できないし、業容拡大のために資金を得ることもできません。その点で収益(儲かること)は生存条件です。

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