あたりまえをありがたいに(24)

事業を作る・発展させるにあたっての心構えとして大切なことは「あたりまえをありがたいと感じる」ことだと思っています。

あたりまえの世界

長く事業を営んていれば、いろいろな関係者に囲まれています。
・商品、サービスを購入いただき、対価をお支払いいただくお客様
・原材料などを提供頂き、対価をお支払いする取引先
・資金を融通してくれる金融機関、投資家
・商品、サービスを着想し、商品化し、製造し、マーケティングしてお客様に提供してくれる社員
・もしかしたら、派遣社員を派遣してくれる派遣会社
・もしかしたら、業務を受託してくれる委託先
・社員の心身の健康を支える、社員のご家族
・商品、サービスを広告してくれる看板、メディア、サイト

きっと言い出したらきりがないくらいの多くの人がかかわって事業が運営されています。
この中で、最も得やすく、普遍的なものは何でしょうか?

有難い世界

一つひとつをよく見てみても、得やすいもの、普遍的なものって本当にあるんでしょうか?
今いるお客様はどうしてお客様でいてくださっているんでしょうか?どのように出会って、どのようにお客様になり、どのようにお客様であり続けてくれたのでしょうか?

それって、もう一度細部含めて再現できるのでしょうか?

きっと、正確に再現するのは難しいのではないかと思います。例えば、先輩から引き継ぐなどして、私が出会った時から「お客様」だったお客様は、、最初からあたりまえのようにそこにいるように感じてしまいます。でも、個人のご縁としてそのお客様を見たとき、そのお客様と「私」と繋ぐためにはいったいどのくらいの人のつながりと協力があったのか、、、、全容を知ることは簡単ではありません。
やはり、事業も長く続けば続くほど、経緯は失われがちですし、その分ストーリーへの思い入れも薄れてしまいます。

先日、とあるお客様とのお付合いの経緯を思い出していました。現在、多くの領域でご一緒して良好な関係のあるお客様ですが、それは積み重ねた取引の結果であるともいえます。初めて注文頂いたのは14年も昔のことですが、最初にそのお客様関係者に出会ったのはそのさらに6年前、つまり20年前になります。そのご縁をつないでくださった方とお会いしたのはさらに1年前、しかも、偶然の出会いで、こちらのお客様を紹介頂くためにお会いしたわけではありません。初めて取引を始めるまで、濃淡様々な20名近い方が紹介を通じて縁をつないでくださっていました。

それって、取引先、社員、派遣傾斜、委託先だとしたらどうでしょうか?

丁寧にご縁に接する

現在、自分が大切と思っている関係、お客様、取引先、社員、、、これら皆さんとの縁を遡ると偶然なちょっとした出会いであったことが多くあります。しかも、その出会いの時は将来にどんな展開を見せるか見通すことができませんでした。

では、ここから10年、20年を考えるとどうでしょう?

誰かと特定することは難しいですが、目の前にある偶然(のように見える)ご縁を大切にすることで、「その時」にご協力頂ける機会が巡ってくる可能性があります。

事業を作る・発展させるにあたっては、こうした偶然の出会い・偶然を大切にすることが、いざ「その時」を迎えたとき、お互いを支えられる関係を作ることにつながる、ということにこと。「あたりまえのような今」は「過去からの有難いご縁」から生まれたことに気づいていることが大切な心構えだと思うのです。

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