見出し画像

英国大学院留学の1年間を各月で振り返り

みなさん。こんにちは。
今回はイギリス修士留学の1年間をできるだけ詳細に振り返ります。
質問等はXのDMでいただけると、スムーズだと思います!

9月

9月15日に渡航し、空港周辺のホテルに1泊して、翌日にバスで大学に向かいました。

9月20日のコースが始まる週はWelcome Weekとされていて、各コースのイントロダクションの講義や、大学が主催する新入生向けのイベントが多数開催されます。

IDSのイントロダクションの講義は、4つのコースの学生150人くらいが集まり、開発とは何かという議論を行うワークショップで、「うぉー。開発学勉強しにきている感じがするー」とテンション爆上がりで、とても楽しかったです。

また、所属するコース(MA Poverty and Development)の顔合わせもあり、まさかのコースメート7名であることが判明します。めちゃ少ない!!!

大学の新入生向けイベントは、学部生向けのものが多く、友達もいなかったので、ほとんど顔を出さず、この時期は部屋にこもって論文を読んでいたり、イントロダクションで仲良くなったコースメートと街に出て飲みに行ったりしていました。

また、イギリス開発学勉強会(IDDP)に所属していたので、ロンドンの懇親会に参加してコミュニティを広げるようなこともしていました。

10月

10月は授業も本格的に始まりました。
秋学期にとっていた授業は2つ。
・Poverty and Inequality (P&I) コース必修(火曜日)
・Economic Perspectives on Development (EPD) 選択科目(木曜日)

授業としては週に2回でそれぞれ講義2時間にセミナー1.5時間。プラスで毎週水曜日の午後に1.5時間のイギリスで修士をやるTipsを教えてくれるような時間が、コース主催で行われていました。

事前のリーディングはだいたい3本から4本という形で、月曜と水曜をリーディングの日にして、金曜日は授業以外のことをやり、土日は休むといったスケジュールを組んでいました。

また、フラットのメンバーや、大学院のコースメート、日本人留学生とパーティーをやったりして交友関係を広げることもしていました。

10月はOnigiri Actionの時期でもあったので、協力隊経験者の先輩と、外国人を巻き込んでOnigiriを作ったりするようなイベントをやったりもしていました。

勉強スタイルの確立と、ソーシャライズに注力した10月だったと振り返って思います。

11月

11月は1回目のアサインメントの期間で、2つのモジュールともに、お題が与えられて48時間でペーパーを提出するというTake Away形式でした。

P&I: データが与えられて、その中から1つの国を選び、貧困と不平等に関してクリティカルに分析する
EPD: 各講義から1つずつお題が出されて、そこから1つを選んでお題に回答する

初めての英語のペーパーが、Take Away形式でなかなかしんどかったですが、クラスメートも初めての人が多く、助け合いながら提出しました。
苦しかったですが、学生感が溢れる時間で、楽しい思い出になりました。

週末はクラスメートと遊びつつ、イタリアのミラノに旅行したりもしていました。
Sussex大学はGatwick空港まで電車で40分もあれば到着する距離にあって、LCCが発達しているヨーロッパでは航空券が安く取れるので、ここから旅行にハマり出します。

また、秋学期の最後の日にPantomimeを披露するという伝統がIDSにあり、11月半ばあたりから週3回ペースで集まって練習をしていました。
僕はキーボード担当のミュージシャングループとして関わりました。

これがめちゃくちゃ楽しい+交友関係がすごく広がるイベントになりました。
IDS生は、ぜひ関わることをオススメするイベントです!!!!!

また、11月は春学期の選択授業を決める時期でもありました。
イギリスの修士は1年間しかないので、先輩がおらず、受講した先輩の感想を聞くことができないのが、なんとも痛手です。
IDSの選択授業で質問がある方は、いつでもご連絡ください!

12月

秋学期は12/9に講義としては終わり、1月に最終課題を提出して、完全に修了となります。

僕の場合は、必修コースのP&Iが1/12までに3,000語のエッセイ(貧困と不平等に関するギャップを見つけて分析)を提出するものと、選択コースのEPDが1/12提出の48時間エッセイで、1回目と同様に各講義からお題が与えられて、そこから1つを選んで回答するものでした。

ということで、時間もあるし!遊んじゃえ〜。
と、みんな一気に休暇モードに入ります。

僕も例に漏れず休暇モードに入り、
12/12〜14でイギリスのBath
12/14〜16でチェコのPraha
12/20〜26でイスラエルとパレスチナ
合間にクラスメートと飲みに行ったり、大晦日はお蕎麦を食べたりして、たまにパソコン開いてみるものの、ほとんど遊んでいました笑

街もクリスマスムードに入るので、お店も早く閉まったりして、街全体で休暇モードに入る時期でもあります。

1月

1/1はイギリスもNew Yearムードですが、1/2からイギリスは通常運転です。
1/2から試験勉強を始め、エッセイとペーパーの準備をし、1/12に無事2本の課題を提出。

春学期の講義自体は1/23からスタートなので、課題の提出後から講義開始まで10日間ほど空いている。

遊べる!!!(12月も遊んでただろ!)

ということで、1/14〜19までモロッコに遊びに行きました。
マラケシュ、フェズ、シェフシャウエン、タンジェなどの各地を6日間かけて周りました、
モロッコは大学時代からずっと行きたいと思っていた国だったので、憧れの国を観光できて、本当に嬉しかったです。

そして、1/23から春学期スタート。

春学期は3つのモジュールを取りました。
・Debating Poverty and Vulnerability: Policy and Program (DPV) コース必須、30クレジット、火曜日
・Business as a Development Actor (BADA) 選択科目、木曜日、30クレジット
・Reserch and Design 全員必須、月曜日、15クレジット

上記には「クレジット」を記載したのですが、これが単位数になります。
春学期は75クレジット分の講義を取る必要があります。

30クレジットが12週の春学期フル、15クレジットが6週の春学期半分(前半または後半)という形になっています。

ほとんどの人たちは30クレジットの必修コースと、15クレジットの選択コースを2つ取るような形でモジュールを組みます。
選択した講義同士のバッティングは発生しないようにスケジュールが組まれているのですが、バッティングはしていないものの、前半に講義が集中して後半が薄くなるようなスケジュールの人もいました。

僕の場合は、ビジネスと開発コースの必修コースであるBADAを取りたかったので、教授にお願いをして履修登録をしてもらいました。
(本来、貧困コースに所属する生徒は、BADAを受講することはできないのですが、年間で30クレジット分は他コースの講義を受けられるという大学の制度を使って特別履修登録をしました)

他にも興味がある講義があったので、
・Aid and Poverty: the Political Economy of International Development Assistance
・Competing in the Green Economy
・Theory and Practice of Impact Evaluation
という3つの15クレジットの講義の聴講をしていました。

ということで、合計で6つの講義を春学期に関わっていたので、リーディングと授業の予習復習でだいぶ忙しかった覚えがあります。

2月

2月も引き続きリーディングと講義に追われつつ、春学期はプレゼンもあったりしたので、バタバタと過ごしていました。

特に、イギリスは冬の日照時間が本当に短く、さらに寒いので、落ち込む気分と闘いながら勉強をする必要があります。

この時に心がけていたのは、きちんと息抜きをすることで、週末は出来る限り勉強せずに、クラスメートと遊んだり、3日連続で空きそうな週末にはポルトガル旅行(PortoとLisbon)に行って、心の平穏を保っていました。

3月

3月になると、いよいよ修士論文の計画が実行フェーズに移ってきます。

2月までは、修士論文の書き方に関する授業は行われていたのですが、生徒も教授も「まぁ、まだ時間あるからね〜」というテンションだったのですが、3月に入った途端、教授は「で、修士論文のテーマはもう決めたの?」というテンションに豹変します。(なぜ?)

また、5月中旬には春学期のモジュールの課題提出があるのですが、4月はイースター休暇で教授と連絡が取れない期間に入ってしまうため、課題に関するディスカッションも教授と始めておく必要があることを感じ始めます。

IDSは、修士論文も課題のエッセイも、スーパーバイザーは割り振られるのではなく、自分から教授にアプローチして合意を取るスタイルが取られています。

ということで、3月の頭に修士論文のテーマと簡単な情報収集を行い、3月中旬に教授に連絡して面談を行い、スーパーバイザーのお願いをする。
春学期の講座の課題も、3月中旬にテーマと簡単な情報収集をして教授に送り、3月下旬に面談をして、方向性について議論とスーパーバイザーのお願いをしておく、ということをしました。

これが大変。めちゃくちゃハードでした。
(ですが、こんなことをやっているのは一部の生徒で、全く教授にアプローチせずに、5月に入ってから教授に泣きつく人たちも多くいるのが事実です笑)

安心して課題に取り組むためには、早めにアクションを起こすに越したことはないので、3月中に片付けておくことをオススメします。

こんな感じで、3月は勉強にバタバタし、あまり遊べなかった1ヶ月ではありました。
(学生なのであるべき姿なのかもしれませんが笑)

4月

4月はイースター!!!
3月末で一旦授業はお休みになり、4月の最終週に1週間だけ授業があるという謎スケジュールのSussex大学。

僕の場合は5月中旬までに5,000語のエッセイ2本と、2,500語の修論計画書を提出しなければならなかったので、4月のイースターは3本分のリテラチャーレビューを行い、アウトラインを作ってスーパーバイザーに確認を依頼するということをしていました。

課題の合間にも、ちゃっかり3泊4日の南スペイン旅には行きました🇪🇸

ということで、教授たちはお休みですが、学生たちは、ひたすら論文を読み続けるイースター休暇となりました。

ちなみに、このあたりから同時並行で卒業後のキャリアも考え始めました。
午前中は仕事のポスト探しをして、午後に論文を書く形で日々のスケジュールを組んでいました。

5月

5月に入ると、本格的にペーパーの執筆が始まりました。

3本分のアウトラインの添削が返ってきて、執筆に取り掛かろうとするも、リテラチャーレビューの内容を忘れてしまっている笑

読み直しつつも、修論計画書とDPVのエッセイを書き進めて、教授に最終チョックをお願いしたのですが、DPVの5,000語エッセイに思ったよりも時間がかかってしまいました(約2週間)。

この時点で、BADAの5,000語エッセイ提出まであと10日。
リテラチャーレビューは終わっているものの、データ収集や分析が全然進んでいない。。。

DPVよりもBADAの方が、複雑なトピックを選んでしまったのに、DPVよりも短い期間で書き上げなければならない状況に。。。
しかも、就活の志望動機書の提出期限も迫っている。

やばいいいい。どうしよううううう。と頭を抱えながらエッセイを書き進めていたのですが、提出3日前に悲劇が訪れます。

ブチっという音と共に、パソコン画面が真っ暗に。
そして、パソコンが起動しなくなる。

このタイミングで、まさかのパソコンが壊れました。

データはOnedriveに保存されていたので、どうにか生きていたのですが、論文はWindows Explorerで大量のタブを開きながら読んでいたので、論文情報がどこかに行ってしまった。。。

深夜の出来事だったので、とりあえず一晩待ってみましたが、翌朝試してみても、どうにも起動しない。
その日の朝10:00までに、1件のポストの募集締切が。。。

図書館に駆け込み、なんとか就活関連は終わらせ、次はエッセイの復元。

Zoteroという論文管理ソフトに、論文情報は入れておいたので、そこから地道に読んでいた論文を探す。
なんとか丸一日かけてエッセイを書ける状況にまで復帰し、提出まであと2日。

状況を知ったクラスメートから、たくさんの心配のお言葉と差し入れをいただき、どうにかモチベーションを保ち、締切8時間前に提出を完了できました。

イギリス留学前からパソコンに調子はあまり良くなかったのですが、「まあ乗り切れるだろう」と、そのまま来てしまったのが悪かったです。

みなさん、パソコンの調子が悪くなったら、すぐに修理に出すか、買い換えましょう。
結局イギリスでMacBookを新調することになりました。

5/25にBADAのエッセイ提出を終え、完全燃焼。
各モジュールのクラスメートと打ち上げをしたり、日本人の留学生と打ち上げをしたり、ロンドンに遊びに行ったり、いったん現実逃避。

すると、修論のスーパーバイザーからメールが。
「エッセイの提出も終わったと思うし、修論のディスカッションしようか。」

現実に引き戻されて、5月を終えました。

6月

6月以降は、修論だけが残っている状態になります。
スーパーバイザーと修論に関する議論や、調査方法などを相談しながら、8月末までの修論執筆のスケジュールを立てます。
(6月にリテラチャーレビューとデータ収集を完了。7月末には第一稿の完成。というスケジュールで合意)

よくよく考えると、7月は修論執筆で忙しくなるから、遊べるのは6月しかないのでは???
と、謎の思考回路になり、クラスメートと旅行にもたくさん行きました。
・3泊4日でLake Districtというイギリスの国立公園にハイキング
・2泊3日で、北アイルランド(BelfastとDerry)とアイルランド(Dublin)に旅行
・4泊5日で、トルコ(IstanbulとCappadocia)に旅行

また、5月に提出した就活の結果が続々と出て、6月中旬にオンラインで面談をし、その中でUNVの内定を取りました。

こうして、旅行と就活に全振りした結果、修論はほぼ停滞の1ヶ月でした。

7月

UNVの任期が8/1スタートで決定。
(最大限に後ろ倒ししてもらいました)

7/19にイギリスを旅立ち、日本に10日間一時帰国してから、アフリカに飛び立つというスケジュールにしたので、突然のハードスケジュール。

ただでさえ、修論が約1ヶ月遅れをとっているのにも関わらず、引越し準備や、クラスメートとのFarewell Partyだなんだで、大慌て。

とりあえず、アポ取りしていたインタビューをこなして、データ収集は完了!
仮説通りのインタビュー内容で一安心。
合間を縫って論文を読み漁る。

結局イギリス出国の前日も、IDSの勉強スペースにこもって修論を書いていたので、友人から「明日出発でしょ?何してるの?準備は大丈夫なの?」と心配される始末。

準備も修論も、全然大丈夫じゃないです。

そして、日本に帰国。バイバイ英国。

また約1年間海外に飛び立つので、朝から夕方に論文を書いて、夜は日本の友人に会ったり、赴任に備えて買い物したり、親友の結婚式に参加したり、バタバタの一時帰国を経て、7/30にアフリカに向けて旅立つのでした。

アフリカに向かう飛行機の中では、たくさん時間があったので、機内でもトランジットの空港でも論文執筆。

スーパーバイザーに「7月末までに第一稿を出す約束だったけど。無理。ごめんなさい」と連絡を打ち、7月を終えました。

この段階で、修論の完成度約5割。
(リテラチャーレビューはなんとか終わっている状況)

8月

アフリカで仕事開始。
住居は自分で探さなければならないので、まずはホテルステイ。

仕事の前後で論文を執筆するものの、ホテルのWi-Fiがめちゃくちゃ遅い。そして携帯のデータ通信はもっと遅い。つまり、論文のダウンロードができない。
ネット環境が劣悪だとは思わず、完全に油断していました。

深夜はネットを使う人が少ないので、通信は比較的早いことが判明。
早朝に起きて論文をダウンロードし、仕事前に執筆。
朝ダウンロードしておいた論文を読みながら、仕事後の夕方に執筆。というルーティンを構築して論文執筆。

週末は家探し。(幸運にも初週の週末で家が決まる)
そして、8月第2週は、引越しと生活の立ち上げに注力。

8月3週目に新居で、デザリングを駆使しながら、どうにか論文を書き切る!

スーパーバイザーが気合いで2日でフィードバックをくれたので、すぐに見直しと再執筆。
再度疑問点や質問事項をスーパーバイザーに送る。

8/24にスーパーバイザーと面談し、論文の全体的な流れを踏まえて、分析や結論の中身を議論。

8月の最終週に内容の見直しと、論文の体裁の最終調整を行い、なんとか締切3日前に提出いたしました。

(IDSの先輩の中には、「修論なんて7月末に書き終わるよ」という人もいれば「修論めちゃくちゃ大変で提出ギリギリまでかかった」という人がいて、僕は前者を期待していたのですが、期待しすぎて完全に6月遊びすぎたのと、7月の引越しが修論完成遅れに影響を及ぼしました。。。が、無事に満足のいく論文を書けたのでOK!)


こうして、イギリス留学の1年間に幕を閉じることになります。
イギリス留学を終えての感想は、また別の投稿でシェアするつもりです。

ここまで読んでくださりありがとうございます。
少しでもこの投稿を通して、イギリス(特にIDS)の修士生活の参考になっていれば嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?