会っておきたい人には会えるうちに会っておこう
恩師との再会
■人生は、出会いと別れ、日々是好日♪
やったこと、言ったことで悔やむことはよくある。電車やバスで席を替わることを言い出せなかったことはあっても、やらなかったこと、言わなかったことで後悔をしたことは少なかったと思う。
しかし、そんな私も60歳を前に何人かの同期と突然の別れを経験し、会っておきたい人には会えるうちに会っておこうと思うようになった。
■半世紀の時を超え、親友に誘われるまま大和へ
1月下旬、友人と2人で神奈川県大和市を訪ねた。この地を終(つい)の棲(す)み家と決め、移住した恩師に会うために。
■教卓の前で背筋をピンと伸ばしていた先生が…
私たちは、小学校1年生から毎年、丁寧な直筆の年賀状をいただいてきた。そしてあれから50年がたってしまった。
部屋のドアを開けると91歳の先生は、あの頃のように背筋をピンと伸ばし、私たちの顔をしっかり見つめた後、「はたやま あつしくん! くじ よしたか くん!」と名前を呼んでくださった。
そして先生は、「あれ-、何から話したらいいの…」と涙ぐんでしまった。
3人でどのくらい語り合っただろう。外はすっかり陽が落ちていた。
私は「小学1年の時、先生から読み書きを教えていただきました。先生でよかったです」と伝えた。
すると先生は「教え子さんにたくさんたくさん教えていただきました。本当にありがとうございました」と、何度も何度も繰り返しながら、私たちの手を固く握りしめてくれた。
■人は人に出会うために生まれてきたと思う
いつでも、誰とでも、共に過ごすひとときは一期一会なのだろうが、恩師との再会は、やはり感無量だった。
私は、還暦を前に、人生で出会うべき人には必ず出会うのだと考えるようになりました。もしかしたら、人は人に出会うために生まれてきたのではないだろうかとも。
人はその人の言葉に出会うために学ばなければならないのだと思います。花渕先生は「教え子さんにたくさんたくさん教えて頂きました」という言葉を遺してくれました。ただただ嬉しくて涙があふれました。先生、本当にありがとうございました。
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