マガジンのカバー画像

学びと探究

15
関心を持ったテーマについて、学んだ記録を残す。人権、哲学思想、自然保護など。
運営しているクリエイター

記事一覧

固定された記事

2023年の振り返り「没頭と人間的成熟」「自然資本と環境問題」「マイノリティと人権問題」

雪で覆われた乗鞍高原で過ごす年末。2023年の振り返りもしつつ、今後の人生で達成したい社会課題についても書いてみようと思う。けっこう長いしまじめなnoteです。 2023年の振り返り ~生活と遊びを深める~今の自身の生活がよいものかどうか判断するときに、自分が重要な指標にしているのは、「没頭」と「人間的成熟」という2つの側面。これら2つが達成されていれば、自分は生活に満足して心身豊かに毎日を過ごせる。 「没頭」という観点から2023年を見ると、非常に遊びを深められた一年だ

賞賛から生まれる副作用 ~社会的圧力とどうやって向き合うか

誰からも賞賛される物事がある。仕事、料理、人と円滑に喋れること、運動していること、夢に向かって努力していることなど。それらを自分が持っていると「すごくえらいこと」に当てはめられて、他から賞賛されるようになっている。 たとえば、楽しく働くことは誰からも賞賛される。「やりがいを持って働くのはすばらしい」「自分らしい働き方を」という言葉は大量に流れている。 しかし、この賞賛される物事にあてはまらない人は、否定されているような感覚になる。楽しく働けていない人、働くことが困難な人。

フロー体験と娯楽について

「フロー体験」とは、自分のレベルに適した挑戦(簡単すぎず難しすぎず)であり、それを行うことによるフィードバック(何らかの報酬)もある状態で行うことにより、集中が研ぎ澄まされ、時間を忘れて行為に没頭するような体験を言う。またその後、より自分が成熟したと感じられて喜びに変わる。(スポーツなどでは「ゾーン」という表現も部分的にある) たとえば自分の場合、趣味の登山がフロー体験にあたる。 まず目標とする山を決めて、計画を立てて山頂までの歩みを進める。登っている間、難易度が高いルート

カメラ遊びと、その洗練された魅力について

一眼ミラーレスのカメラを買って四年ぐらい経ち、一番と言っていいほど美しく撮れた写真。 月明かりに照らされる乗鞍岳。空には星が広がり、池はリフレクションする。一瞬だけ池が霧に包まれて、違う世界のような空間が広がる。 最近はよくカメラを使って遊ぶ。 良い写真が撮れたときは、それだけで一日に満足して、他に何もいらないと思えるぐらい、カメラ遊びには引き込まれる魅力がある。 これまで、自分のいろいろな関心事を文章にしてきたが、カメラに焦点を当てて書いたことはない。このnoteで、自

将棋とフロー状態について ~なぜ没頭できるか~

将棋を指していると、時間も何もかも忘れて、行為に没頭している瞬間が多くある。日々の悩みや憂いなどはすべて頭から締め出されて、ただ「最善の一手はなにか」ということしか考えていない。それが一局を終えるまで数十分続く。 この没頭感覚はフロー状態と言われるものに近い。 フロー状態の難しさフロー状態というのは簡単に入れるものではない。フローにはいくつかの条件がある。目標が明確であり、自分の最大限の能力を発揮すれば達成できるかどうかの難易度であり、自分の最大の関心ごとである必要がある

簡単には共有し得ない感覚があるとき、どうすればいいか

自分が身体障害と向き合っていたとき苦しかったのは、「この自分の身体や心が感じている気持ち悪い感覚をわかってくれる人はいないのではないか」ということだった。 自分の感覚をいくら説明したとしても、相手が完全に同じ体験をするわけではない。理解しにくい感覚であるほど「わかってもらえた」と思えることは少なく、むしろ孤独感を強めることもある。 このように他者に共有するのが容易ではない感覚で苦しみを持つとき、どうすればいいのか。そして自分には到底感じ得ることができない感覚を他者が持つと

最近学んだテーマ、効果的利他主義(Effective Altruism)、近所の地質など

自分は日常的に気になることや調べたこと、それで深まったことなどをひたすらメモに殴り書く。紙のメモに書く場合もあるし、iCloudメモに書くときもある。iCloudのメモは4,5年間で5000件以上溜まっている。 文章にできるほど思考が整理されていないが、最近学んで感じたことなどをザッと書こうと思う。そのとき興味のあることを残しておくのは大事だし、近い関心を持っている人がいたら嬉しいし。 効果的利他主義(Effective Altruism)効果的利他主義(Effectiv

サーキュラーエコノミーについてのメモ ~「捨てる」という選択肢をなくす~

サーキュラーエコノミー(循環型経済)について、以下の書籍と資料を読んだメモを記す。取り組みの具体例などはあまり挙げず、最後の参考資料にまとめ、重要なキーワードや概念、感じたことなどをメモしていく。 廃棄を出さない仕組み ~ 「捨てる」という選択肢をなくす ~サーキュラーエコノミー(循環型経済)とは、資源を半永久的に活用し続けて廃棄を出さないという考え方。 まず第一に「地球の資源には上限がある」という前提に立つ、ということ。言葉にすると当たり前すぎるが、食料や資源が尽きると

3000m級の高い山に登るために、必要な筋肉とトレーニング

3000m級の高い山に登るために必要な身体作りについて、まとめたnoteです。 登山がしたくても、ブランクがあって登山体力が低下してしまったり、年齢による衰えは起こりえます。その一方で、高齢になっても3000mを超える山に挑戦できるのが登山の醍醐味のひとつです。 そこで、登山体力をつけるために必要なトレーニングはなぜなのか、また高齢になっても登山に挑戦し続けられるのはなぜか、調べたことをシェアします。 登山では使う主要な筋肉まず筋肉の種類について、速筋と遅筋の二つに分け

自身も差別に加担していると自覚すること ~マジョリティ側の特権について~

差別について語らない社会というのは、(たくさん存在する)差別がないことになっている社会である。 差別について語らないひとは、レイシスト(差別主義者)を育てることに加担している。 以上の、出口 真紀子さんによる講演記録がとても素晴らしかったので、それについてのnoteを書く。社会のマジョリティ側が気付かずして持っている「特権」についての話。 差別は個人の課題、つまり「差別をする人が悪い、その人の責任だ」というだけではなく、構造的、文化的な問題であるということが書かれてある

ジェンダーステレオタイプは、いつ形成されるのか? ~「男性は〜」「女性は〜」 ~

以下の研究を見て、「多くの人に浸透しているジェンダーステレオタイプは、生まれてからいつ形成されるのか?そんな情報をいつ浴びたのか?」ということに興味が湧いてきた。 全世界共通で持っている(持たされている)観念、というだけでおもしろいなと思うし、無意識のバイアスとどう向き合うか、というダイバーシティの観点からも、ステレオタイプは外せないテーマなのでよく調べる。 今回はジェンダーステレオタイプについての研究やおもしろかった記事をいくつか挙げていく。 https://www.

プラスチック×環境問題 についてのメモ ~どういう影響があるっけ?~

プラ削減について、環境にどういう影響があるか?ということがあまり理解できていなかったので調べていました。それについてのメモ。 プラスチックの特性 ・可塑性 (熱などで自由に形を作れる) ・耐久性 ・軽量性 ・自然分解されない プラスチックがなぜ環境に悪い? ・自然に腐らないので、ゴミとして集積される ・有限である石油を使って生成される ・製造過程が不十分だと、有害な物質が発生する可能性がある ・炭素と水素の化合物なので、燃やすと二酸化炭素が発生する ・適切に処理されないプ

将棋の初段になるまで、9ヶ月で取り組んだこと

2021年4月ごろから将棋を始めました。将棋AIに関心があったのがきっかけです。先日ようやく将棋ウォーズの初段になれたので、取り組んだ内容を備忘録として残しておこうと思います。将棋は最高におもしろいです。 30級~4級まで(約2ヶ月) 私は幸いなことに、アマ四段の友人がいたので、まずアドバイスを2つもらいました。 ・1つの戦法だけを指し続けること ・負けがほぼ決まっている対局も投了せずに最後まで指す 戦法を固定することは非常に大事。将棋は経験値がモノをいいますので、いろ

無意識の影響を探究すること

なぜその行動を取ったのか?なぜ取りたくない行動を取ってしまうのか?同じ事象でも、なぜ思い通りに行くときと行かないときがあるのか? 自分の中にある無意識のバイアス、潜在意識の影響を知ることは、長い間追い続けているテーマである。自分の心の中で何が起きているのかを知りたいと感じて、本屋や図書館に行くたびに脳科学や臨床心理、精神分析の本に手を伸ばす。 10代のころから集中したいと思っても集中できないことが多かった。まず第一に不安のような孤独感のような漠然とした何かが現れて、目の前