見出し画像

『マクロス』の生みの親から聞いた成功に必要なキャリア論


今やっている仕事が全然成果が出なくて苦しい。まったく得意じゃないことをやらされていてしんどい。そういうことって、仕事だとよくあることじゃありませんか?


自分自身、今までやってきた仕事はだいたい得意じゃないことだったり苦手なことだったりして、なじむまでにかなり苦労しました。仕事って、いま与えられているミッションに対してどれだけコミットしているかで評価されてしまうので、苦手な仕事についてしまった人は周りからの評価も得られず、かなりしんどいでしょう。


そんな悩みをもっているあなたに、今回、とても参考になる話を聞いてきましたので共有します。


実は先日、『超時空要塞マクロス』の監督を務めた河森正治監督の講演会が御茶ノ水でありました。2時間におよぶ長丁場のなか、会場に来ていた人々のために自分のこと、仕事のこと、そして未来のことなど、様々な観点からお話くださいました。


なかでも、監督が講演冒頭にお話しされた、自身のキャリア論についてのお話が、個人的に印象的だったので、ここに書き留めたいと思います。


監督自身、プロになったのは大学二年のときで、アニメ制作会社「スタジオぬえ」に見学に行ったことが仕事をし始めるきっかけだったそうです。

当時スタジオぬえで働いていた人たちに自分のデザインしたものを見てもらって、批評してもらうことを繰り返していたところ、「ダイアクロンカーロボット」という子供向けおもちゃのデザインの話があり、それに抜てきされたそうです。ちなみにこのダイアクロンカーロボットが、後の「トランスフォーマー」になります。


それ以降、40年近くこの世界で働いてきた監督が今思うのは、この仕事を続けることができたのは、「好き」ということもあるが、それだけではないのだそうです。つまり、好きなことだけやっていたらプロにはなれない、とおっしゃいました。


じゃあ、なぜ監督は今までやってこれたのかというと、好きということだけでなく、自分の得意なやり方を見つけ、そして得意技を身につけてきたからだと言います。


この「やり方」というのは、いわゆるその人の志向であり、たとえば長所を伸ばす、短所を見つけて補強する、整理整頓する、みんなを引っ張るなど、仕事や日々の生活のなかで自分がなんとなく担うことの多い役割であったり、とくに意識せず、苦労することなくできる行動のことを指します。

ほかにも、発想を重視する、完成度を重視する、計画通りに進める、状況に応じて臨機応変に対応するなどの志向やスタンスも「やり方」に含まれます。


今まで多くの作品を監督し、多くの人々とチームを組んで作品作りをしてきた監督が言うには、自分の得意な「やり方」と違うやり方を周囲から求められると、人はうまく力を発揮できないのだそうです。


だからこそ、自分の得意なやり方を見つけ、その力を磨いて自分のなかの「得意技」を作り出していくことが、生き残るために必要であるとおっしゃいました。


苦手なこと、苦手なやり方は頑張らなくていい。

自身の得意なことを自覚して、その部分を伸ばしていくことを心掛ける。

そのために、自分は何が得意なのか、どういったやり方なら力を発揮できるのか考えることが大切なのだそうです。


監督自身は、発想することや取材、変形や合体などのデザイン的アプローチが得意で、それを生かしてマクロスやその他多くの作品を生み出してきたとのこと。


もし自分が何をすれば自身の強みを生かせるか、仕事で力を発揮できるか悩んでいるのでしたら、監督の言葉を思い出してみてはいかがでしょうか。

今までの過去の経験のなかに、必ず自分が得意としてきた、もしくは他人が面倒で嫌がってやらないことでも、まったく苦にならずにやってこれたことなどあれば、それを武器にしてみると良いと思います。

もしかしたら、いまの状況を切り開くきっかけができるかもしれません。いろんなことを試して、自分にあったものを見つけられるといいですね。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?