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「イースター」が日本に浸透しない3つの理由

「イースター」ってご存じでしょうか?
毎年春頃に行われるキリスト教圏で誕生したイベントで、キリストが復活したことを祝う「復活祭」です。イースターのシンボルは卵やうさぎ。卵の殻を割ってくる様子がキリストの復活を表していたり、うさぎが多産であることから、豊穣や繁栄のシンボルとされていることがもとになっているそうです。キリスト圏に行くと、イースタエッグなどの商品がたくさん販売されていて、クリスマスと同様に(またはそれ以上)大切にされていると聞きます。

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ハロウィンと同様、しっかりと仕掛けたのはディズニーリゾート。2010年から春のお祭りとして提案し「春のディズニー」の世界観を作りました。近年はUSJも春イベントとして採用し認知度は爆上がりしているはずなのに、なかなか盛り上がりに欠ける印象です。

なぜ、ハロウィンのように盛り上がらないのか?

イースターが日本で浸透しない背景を検討するにあたって比較するべきは「ハロウィン」。

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両方とも海外生まれのイベントで、ディズニーが仕掛けている。イベントの在り方も同質的です。ただ市場規模は圧倒的な差(富士経済より)。

・イースター市場規模(2019):8億円
・ハロウィン市場規模(2019):1,155億円

なぜ日本で「春のイースター、秋のハロウィン」という構図になれないのか考えてみました。


【理由1】 日程が固定されないと盛り上がりに欠ける。

最大の理由はこれだと思います。
日本の季節イベントで社会的なものを純粋想起で挙げてみると、お正月(1/1)・バレンタイン(2/14)・七夕(7/7)・ハロウィン(10/31)・クリスマス(12/24)・大晦日(12/31)‥あたり。どれも全て移動祝日ではなく固定祝日という共通項があります。

日程が固定化されていれば、毎年刷り込まれていくものの日程が毎年変わる場合は覚えにくい。また、プロモーションの山を作りにくくで盛り上がりに欠け、モーメントが作りにくいこともあるでしょう。

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【理由2】 巻き込みたい”お酒”が花見に持っていかれる。

アミューズメントパークを起点にして提案されたハロウィンやイースターを暮らしの中に落とし込むために欠かせないのは「食」です。バレンタインはチョコレート、ハロウィンはかぼちゃ、クリスマスはケンタッキーとケーキ‥と言った具合に季節イベントと食は強い関係性を持っています。
外食チェーンやコンビニで露出できればGoodですし、家庭料理でも登場すると浸透への王道を突き進めている感がありますが、春は少し敵が多いかもしれません。
日本は新生活・新学期のタイミングで桜(花見)という強いモチーフもあり、春のパン祭りもあります。大々的に仕掛けられる体力をもっているお酒を巻き込みたいところですが、お酒銘柄はあいにく花見と歓迎会などに持っていかれがち。お酒ブランドを巻き込めないのが痛い。

また、スーパーで言えば4月と9月は棚替えのタイミングで、成長段階のイースターで特別棚が作れるのはまだ難しい(イオンさんはイースターを積極的に盛り上げてようとしてはいるのですが

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食べものとしては卵がありますが、卵は日常的に喫食するのでイースター日は特別感を付与しなくては、イベントを楽しむものにはなりません。卵やウサギのモチーフは活かしやすそうですが‥。


【理由3】 何をすればいいか分からない。

最後の理由はこちら。
ハロウィンなら仮装やパーティーをする、クリスマスならツリーを飾る、ギフトを配り合う、七夕なら短冊に願い事を書く、バレンタインなら告白をする。といった何(What)が明確にありますが、イースターはそれを明確に打ち出せていない点があります。
イースターにはエッグハントという、色をカラフルに塗装した卵を庭などに隠して子どもたちで探し合うというイベントがありますが、老若男女で楽しむ仕掛けにはならなそうです。


イースターのCMOがいない。

上記の理由をみると、マーケティングでまず整理すべきな5W1Hが弱い印象。イースターのGoalを「ハロウィン並の市場規模を作り上げるイベントにする」とするならばテコ入れが必要そうです。
企業や商品にはマーケティングの責任を担うChief Marketing Officer/チーフマーケティングオフィサーとなる役職がありますが、季節イベントにはCMOは不在なので仕方ないところかもしれません。
※第一、イースターをハロウィン並にすべきとするイシューはない。


以上がイースターの考察でした。
そんな私は今個人ワークとして「お月見」の復活にむけて諸々準備中です。お月見はどうやったら復活できるか‥もしよかったらこちらも読んでくださいまし。

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