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⑨人生何が起こるかわからないよ、ロンドンでのミュージシャンとの出会い

ロンドンではいろいろなミュージシャンの方々との出会いもありました。

日本にいるときからジャズジャマイカというバンドが大好きで、来日時には渋谷のクラブクアトロに見に行ったりしてました。その頃ピアノに参加していたアレックスウィルソンさんには偶然ロンドンの地下鉄で再会。

その後、日本にナットキングコールのミュージカルでも来日。ジャズも弾けるけどキューバでレコーディングしたりして、UKサルサ界を引っ張る人となられました。ロドリゴ・イ・ガブリエラというメキシコ出身のギターデュオの音楽監督もつとめ、全米ツアーでニューヨークはラジオシティーホールでのコンサートがありチケットはソールドアウト。ボックスオフィスに開演間際にダメモトで行ったら、ぎりぎりに1枚空きがでたと、運よく見ることができ、ステージのスクリーンにドアップで映し出されてソロを取っている姿をみたら、本当に成功してよかったねえと思ったのでした。彼は今スイスをベースに引き続きラテンミュージックの世界で活躍しています。

私のロンドン留学中、ロンドン郊外のミックジャガーセンターでジャズジャマイカのコンサートがあり、なつかしい!と久々に演奏を楽しんだのはいいものの、終演後駅に行ったら、なんとBRのロンドンへの最終便を逃してしまっていたのです。

やばいということで会場へ戻り、これはアレックスさんに頼ろうと思ったら、まんまと彼はすでに帰ったとのこと。さらにまずい!どうしよう!楽屋の中でピアノを弾いていた若者発見。あ、ジャズカフェでジャムセッションのリーダーをしている人だ!私、あなた知ってます、ジャズカフェで演奏している人でしょうと声をかけて、実は終電を逃したのでロンドンに連れ帰って下さいと。

めちゃ必死だからできたものの、今考えてもほんとに図々しいし恥ずかしい。でもラッキーなことに大所帯バンドで楽器車も兼ねてバスでの移動だったので、みなさん親切にバスに載せてくれて、ロンドンまで連れて帰ってくれたのでした。

そんなジャズジャマイカご一行様、なんと私がイギリスから一時帰国し、ニューヨークに行く前日から一週間、お台場のライブハウスで演奏することになり来日。あなた知ってます!の彼、ソウェトキンチさん東京に行ったらここに行きたいと頼まれ新大久保の楽器屋さんに連れていきました。サックスといえばセルマーということで、お店にあったセルマーのアルトを試し吹きさせてもらい、俺の楽器もこんないい音で鳴れ!と繰り替えし言いながら吹き続けていました。ああ私がお金持ちだったら買ってあげるのにねえと思うほどでした。

そんな彼も数年後、スイスでのモントルージャズフェスティバルのコンペティションで1位になり、優勝の景品がなんとセルマーのアルトサクソフォーン。ほんの数年後この人は自分の力で夢の楽器を手に入れたんだ、すごいと思いました。今でもジャズとヒップホップを融合した独自の世界観で活躍しています。

私のロンドン滞在最後の最後の夜、スーツケース2個の荷造りも終了、お友達にももうお別れ会してもらったし、帰国準備OK、さて今夜は何しようかな~?と思ってタイムアウトをパラパラ見ていたら、ピザエクスプレスというソーホーにあるジャズクラブで小曽根真さんとゲイリーバートンさんが演奏ということ。小曽根さんは東京のころからTHE TRIOの演奏も見に行ったり、J-WAVEというFMのOZ MEETS JAZZという番組も大好きで毎週聞いていたので、よし、これだ!と行ってみました。ちなみにこのころはデジカメ多分なかったので、この写真はニューヨークでの2017年ゲイリーバートンさん引退前のファイナルツアーの時の写真。

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ほぼソールドアウトで狭いクラブの中、ピアノの横の1席しか開いておらず、そこに座ることに。そしてお店の人に、小曽根さんにお水渡して、と頼まれて、恐る恐るあの~小曽根さんお水で~すとお渡ししたら、うわあ、日本語びっくりした~と。

演奏後、小曽根さんの周りには若いミュージシャンが集まってきて、いろんな質問大会となり、小曽根さんはちゃんとひとつひとつ丁寧なアドバイスをしてあげていて、とてもいい時間。私もこの日がきっかけで小曽根さんとお話をするようになり、今でも近くで演奏がある場合は見に行っています。

数年前のニューヨークフィルとのラプソディーインブルーは張り切って前の方の席で見ていたら、オーケストラの音がうねりのようにうわーっと前から押し寄せてきたので、音って本当に波なんだ!とびっくり。本当に素晴らしかったなあ~

最近では2019年の6月、自分の東京でのライブと帰省で日本に戻ったとき、No Name Horsesという超絶技巧びっくりビッグバンドの演奏をブルーノート東京に見に行きました。久々のブルーノート東京、お客様のお品がとても良くって、やだ私なんか場違いで浮いてない?という感じ。同じテーブルの方々は高級なお食事を優雅に召し上がっておられる。私なんかミュージックチャージを払ったらワイン1杯頼むので精一杯なのに。とはいえ楽屋挨拶に行こうとしている国立音大の生徒さんの後ろにちゃっかり並んで、ご挨拶できてラッキー。

昨年の4月、ニューヨークのディジーズクラブでの演奏が決まっていて、全セット予約したんだけど、コロナのロックダウンでキャンセルとなって残念。またニューヨークで演奏していただければありがたいなあ。やっぱりなんかニューヨークの方が自由に楽しめる感じがあって気楽なんだよね。(私が)

運命のいたずらで私がロンドンに行ったからこそ出会えたミュージシャンの方々たちのお話でした!ますますのご活躍を応援しています!


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