博論提出・日本帰国・次の仕事

このブログを初めて史上一番最後の日記から間隔が空いたかもしれない。もう三月だが今年初めての日記である(明けましておめでとうございます)。

博論提出

一月末が博論の提出期限だったのだが、無事に提出できた。その日が来るまでは本当に終わるんだろうかという不安を抱えながら、一月の頭のあたりでまだ全部書き終わってなかったので鬱々とし、ひたすら書き続けてやっと一週間ぐらい前に全部書き終わったぐらいだったろうか(そんな前でもないのに既に記憶が曖昧である)。そこから先生がギリギリにも関わらずチェックしていただき、最後は体裁を整えて…という感じで、特に直前に無理してたくさん書いたりせず、背伸びしなかった博論になったと思う(学士の卒論は提出期限ギリギリまで無理して書いてた気がする、心臓に悪かった)。

終わった直後の気持ちを書いておかなかったのが惜しい。気が狂うほど辛かったかと言われればそんなことはないのだが(先生が密かに私がなんでこんなに冷静なのかということを同僚に話していたらしい…)、しかしながら落ち着きつつ相当ストレスは感じていたと思うので、終わった時の開放感とはそれなりにあったと思う。しかしそれから今までの間に色々起こりすぎてもう忘れてしまった。出してしまったら博論とはこんなものかという感じである。下記のアドバイスが提出数ヶ月前から直前までとても参考になった。

ポスドクになるにせよ、社会にでて会社勤めをするにせよ、博士号をとるかとらないかということは人生に影響を与えます。ですから、なるべく簡単かつ穏便な方法で、博士号をとりましょう。博士論文の目的は、博士号をとることにあるのであって、それ以上では決してありません。

博士論文執筆の際にお願いしたいこと

これに尽きるなぁと思う。なんか過去五年の集大成とか壮大なことを考え始めると手が止まってしまうタイプだったので、「これは博士号を取るだけのものであって、もう先生が博論を出していいと言った時点で博士号はとれたも同然である」というような感じで相当気持ちのハードルを下げるとちょっとずつ書けるようになった。

日本帰国

博論を出し終わって一週間ぐらいは今住んでいるウィーンでゆっくりし、そこからオランダ移動して一週間ぐらいいて、アムステルダムから日本に一時帰国した。いつもは一人だったが、今回は恋人と帰ったので実家には滞在せず、基本的に毎日何か予定が入っているという超過密スケジュールであった。思ったよりこれがしんどく、やはり私は何もない日がないとダメになってしまうのではと思ってしまった(たとえ旅行のような楽しいことであっても)。

とはいえ、旅行者の感覚で日本を歩くのはとても楽しかった。奈良公園やJAXA、でんでんタウンなどこれまでに行ったことないところにも行ったし、いつも以上にTHE大阪(もしくは日本)の料理をあえて食べた。恋人はうなぎがお気に入りだったようで東京と大阪で食べた(焼き方が違うらしい)。

うなぎ@東京

とにかく観光に忙しかったので、自分の買い物に頭が回らず、いつも持って帰る食品はもちろん洋服など買いたかったものもあったが、最低限のものしか買えなかった。なんだかんだ日本じゃないと買えないものって少ないし(こちらで買うと高いだけで)、海外生活が長くなってくると日本への執着もどんどんなくなってくるものだなぁと思う。次に帰るのはまた一年後ぐらいだろうか。

次の仕事

ついにこんなに長くやっていた学生生活も終わりを迎え、いよいよまた働きに出なければならないようである。幸い既に就職先が決まっており、引き続きヨーロッパで働くことになった。まだ入社前なのでどの程度情報を開示していいのかわからず、今日はこの辺でいずれ詳しく書くかもしれない。とにかくまた新しい滞在許可証の申請などが始まって何かと不安になる時期である。

ちなみに研究職ではなく、博士課程を最後に研究生活とはお別れになりそうである。一応日本の海外学振とフランスのとあるフェローシップに両方出したのだが、学振は書類で落とされ(というか面接が今年からなくなったので書類選考だけだったが)、フランスの方は面接までは呼んでもらえたが数日前にお祈りメールが来たところであった。フランスの方の結果がくる前に既に内定をいただいた会社と雇用契約を結んでいたので受かっても行かなかったと思うが、まぁ自分には研究職への才能か単に縁がなかったんだなぁと思うことにしている。

結果的には恋人が住んでいる国に移住することになり、私生活を含めていい選択になったのかなとは思う。会社のやっていることも面白そうなので、何か私も力になれたらと思っている。先日に帰国した時に日本のオフィスの人にも挨拶したが、みなさんとても良さそうな人たちばかりで、私もそこに馴染めるよう頑張りたい。

研究生活は終わりかぁと思うと、博士以前や博士中に出会ったいろんな人の顔が思い出され、特に海外で出会った日本人の研究者の人との縁はありがたかったなぁと思う。なんだかんだ自分が通っている大学院自体には日本人がほとんどいなかったので、認知科学・心理学系の研究者の皆様と知り合えたのが、心細い海外生活の中で研究の楽しさとか日本のほっとする感じとかを感じれるありがたい機会だったように思う。既に半数以上の人が帰国されているのだが、改めて連絡をとってみようかと思ったり。