オランダ移住手続あれこれ
博士課程も終わったのでこのブログは終わって別のところで書こうと思っていたのだが、結局ここが一番心地よく、次のアイデアもないのでしばらくここに書き続けることにした。
物理的には五月にオランダに引っ越してきたが、滞在許可証を貰えたのは先月なので、正式に住所を登録して住み始めたのは七月ということになる。移住に関する雑な記録である。
滞在許可証
海外に長期住むためには必須の滞在許可の手続き。私はパートナービザでオランダに滞在している。四月末に申請して、滞在許可が降りたのが二ヶ月後ぐらい、滞在許可証のカードを手に取るまで三ヶ月弱ぐらいだった。日本以外に、オランダの前に住んでいた国（オーストリア）で婚姻関係がないか証明しなければならなかったのだが、オーストリアは外国人の婚姻関係の証明をしないらしく、あれやこれやできる限りの書類を集めて移民局に提出したら、特に書類不備もなく滞在許可が降りた。待っている間は長いと思ったが、初めての申請で二ヶ月ぐらいで結果がわかるのは早いと思う。これで五年も滞在許可を更新しなくていいなんて、学生ビザの頃に比べたら夢のようである。ちなみにオランダのパートナービザは結婚してなくても取得できて、私は結婚はおろかパートナーシップにも登録していない。
元々は仕事の関係のビザでくる予定だったのだが、スタートアップの会社にいたこともあり、そちら経由だと長くなりそうだったのと、予期せず一緒に住める家がすぐ見つかったので（後述）、恋人の提案でパートナービザに切り替えたのだが、色々あって結果的にこれでよかったなぁと思う。ちなみに会社には滞在許可以外の移住に関しては手厚くサポートしてもらって、本当に感謝している。
市役所で住所登録
滞在許可証を手に入れてようやく市役所に行って住所の登録ができ、BSN番号という日本でいうマイナンバーみたいなものが貰える。役所に持って行ったものはオランダ語に翻訳済みの戸籍謄本、パスポート、滞在許可証だけで、その日に番号がもらえるほど簡単な手続きであった。戸籍謄本の原本が五ヶ月前ぐらいに発行されたものだったので、古すぎないか心配だったが特に何も言われなかった。そもそも出生証明の代わりになるものだし、発行年月日は関係ないのかもしれない。ただ滞在許可の手続きの場合は、書類が古いと受け取って貰えない場合があるらしいので、要注意。
銀行口座の開設、健康保険への加入
BSN番号が手に入ると、オランダの銀行口座の開設と健康保険への加入ができる。最近はRevolut、WiseやN26などEUで使える口座がオンラインですぐに手に入るので、オランダでの銀行口座が必須かと言われればそうでもないかもしれないが、オランダでよく使われるiDEALやTikkie（割り勘アプリ）の決済のためにオランダの銀行口座がいるので、オランダに長く住む予定であればあった方が便利だと思う。
健康保険に関しては、日本とは違って国の保険のようなシステムがないので、個々人がそれぞれ健康保険会社を選んで契約することになる。留学生など一部を除いてオランダに居住している人は健康保険に加入しないといけないのだが、会社の種類もプランも多すぎてなんのことかわからない状態である。一年に一回保険の見直しができるそうなので、とりあえず恋人が入っているDSWという保険会社に登録した。
オランダ市民化テスト
パートナービザは、パートナーに一定以上の収入があれば割と取得しやすいと思うのだが、大変な点といえば三年以内にオランダ市民化テストに合格しなければならない。めちゃくちゃ難しいものではないらしいが、オランダ語とオランダの社会常識テストみたいな感じらしい。来週に市役所の人からオリエンテーションがあるので、詳しく聞くことになっている。ちなみにオランダでは英語がほぼ通じるのは事実だが、しかし実際生活するとなるとオランダ語がわからないと困る場面は多い。
家探し
オランダでの家探しは超難関であり、とにかく全然見つからないし見つかったとしても高いとか競争率が激しいとかで、運が良くないと住むところが見つからない。使ったサイトは主に下記の二件。
家探しはオランダに移住前のオーストリアにいる時からはじめ、数件連絡を取ってみたがほぼ連絡が返ってこなかった。または返ってきても「明日内覧これますか？」というようなもので、オランダ国外から確保するのは厳しそうであった。また詐欺なども多いらしく、実際に訪れずに契約するというのはリスクが高く気が引けた。あとオランダで働いてもいない外国人に対する信用は低く、貯金がそれなりになければ契約は難しそうな印象であった。
元々仕事の関係でオランダに移住する予定だったので、職場に近いアムステルダム近郊か遠くてユトレヒトあたりを探していたが、とにかく国外から応募するのは厳しそうだったので、最初はAirbnbなど短期滞在の場所を借りて移住後に探そうと思っていた。それと同時に恋人が住んでいた場所（アムステルダムから一時間以上離れているところ）で二人で住めそうなところがあれば応募してみたが、こちらは家賃も上がるしそもそも二人とも貯金がないので望み薄。ただ世の中やはり運というかよくわからないもので、結局手に入ったのは望み薄と思っていた新築テラスハウスの方で、今そこで暮らしている。
審査に通った要因はよくわからないが、結局恋人がオランダ人でオランダの企業に勤めているからと思う。オランダは国際的な国とはいえ、外国人を優遇してくれるわけではない（当たり前か）。オランダの日本人の方が貸し出している物件もあって、数自体は少ないがこちらの方が意外と見つかりやすいかもしれないと思ったり。ただどうしても運はつきものだと思う。