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「ババァに用はないっ来るな!!!」


写真は京都の、とあるお寺に掲げられている言葉。この言葉は大好きで、一時期待受けにしていたほど。


昔、介護の仕事に就いていたとき、ファンキーなおじいちゃんがいて。なぜか最近、この言葉を見ると思い出すようになりました。


当時、80代後半だったなぁ。ご健在かしら。。。?


介護を受ける人は転倒などの不安があるので、介護従事者に要望を出すことができます。例えば、「身長差が大きすぎると不安」とか、その逆も然り。

わたしが所属していた事務所では、極力お応えできるようにしていました。


冒頭に登場したおじいちゃん(仮名:野中さん)は、若い子をご所望。当時、わたしは26歳という、事務所内で一番若かったため出動することに。

初めての訪問というのは、緊張するもので。野中さんの情報が書かれた書面に目を通しながらご自宅前に到着。すると大きな声で怒鳴り合う男性2人の声が聞こえてきたんです。


「コーロスぞ、じじぃーーーーっ!!!」

「ぁ~ん?!いい度胸だ、やってみろってんだっ!!やってみろ、この腰抜けがーっ!!それでもオトコか?!!ぁ~ん?!!」


みたいな会話(←?)が聞こえてきて。


今一度、住所と表札を確認してから(時間なので)ドアを恐る恐るノック。


怒り心頭の壮年男性がキレ気味で「はい?!」とドアを開けてくれた。そこから簡単に自己紹介をして中へ通してもらう


部屋の奥には線の細い野中さんが、頭から湯気が出てるのが分かるほどカッカしながら何やら暴言をまだ吐かれている。色白の顔は真っ赤で、怒りが収まらないご様子。


初対面でこのようなショッキングなシーンは、まずないので。まだ若かった私はもうどうしていいのか分からず。。。

とりあえず、とご家族様へ書類を提出。


先ほど、野中さんと怒鳴り合っていたのは玄関のドアを開けてくれた壮年の男性でご長男とわかりました。ご兄弟が4人いらっしゃって、ご長男がお世話をされているとのこと。


そのような話を聞いている間も


「テメーみたいな根性のないオトコは俺の息子でも身内でもないわっ!!まだ居たのか?!!消えろ!」


と興奮気味に怒鳴られていて。

ご長男は「マジでこいつ燃やしてぇよ💢」と呟いてから帰られた。


殺人事件モノのドラマの如く...な展開と台詞に頭の中が真っ白になって

「まさかの、ここが殺人現場になっちゃうの??汗」と震えた。


若かった、、、。若かったわねぇー。


そして、野中さんは私を気に入ってくださり(違う意味で)長く通うようになりました。


ある時、まだ小さかった娘が高熱を出して病院に連れていくことになったので、仕事を他の方々に交代をお願いしました。

皆様、すでに孫もいるという大先輩で。状況を理解頂けて大変救われました。

もちろん、野中さんのお宅も交代を依頼。


野中さん宅に変わりに行ってくださることになったのは50代の女性。私のような年齢の女性が他にいないからこのスタッフが交代で参ります、と交代連絡を野中さんにしたところ、タイトルのような台詞が....。


(私には)人当たりの良いエロエロなおじいちゃんでしたが、気に入らないことがあると烈火のごく怒鳴られる。


その後。


ご長男と喧嘩をされるのを定期的に見かけるようになるのですが、原因は....

野中さんのソープランド通いが原因だと知りました。


年金が入ると全額引き出してすっ飛んで行くのだそうです。


【いま、いのちがあなたを生きている】


……深い。


やっぱり、この言葉、好きだな…♬



娘がいるカナダにまだ行けていません。ご支援頂けましたら、 カナダで会えたとき、2人の時間がより深まるように...。 大切に使わせていただきます。