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通勤の途中、
中華料理屋の前を通ると、こんな張り紙がしてあった。

盛りが良い(量が多い)ので、若者を中心に人気のある店だったが。
中をのぞくと、カウンター周りだけが電気がついている。
テーブル席の方は電気が消えてガランとしていた。
次の週、店の前を通りかかると
「しばらくお休みします」
と張り紙が。
働く人が見つからなかったのだろうか。
ーーー

なっちゃんと
あるお店でランチをした。
サ○マルクのチェーン店だ。
焼きたてのパン食べ放題のお店。
店の前では、6人ぐらいの人が待っている。
仕方がない、名前を書いて順番を待つ。

20分ほど待って、ようやく席に通された。
「あれ?テーブル空いてるね」と、なっちゃん。

私たちの座った席の隣のテーブルは
食べ終わった後の食器がまだ片付けられていない。

注文をして20分ほど経ったがなかなか注文の品が出てこない。
その間に、焼きたてのパンができあがるので、お腹が空いていたから、パンばかり食べてしまう。

パンを取りに行きながらそっと厨房の様子をうかがって気がついた。
料理をする人が1人しかいない。
料理を配膳するウェイトレスは2人だけだ。
場所があっても、働く人がいないのだ。

パンの食べ放題は、トングを使ってパンを取る。
使い終わったトングは使用済みの箱の中に入れる。
箱の中は使い終わったトングであふれそうだ。

30分以上経ってようやく料理が出てきた。私たちの隣のテーブルの皿はまだ片付けられていない。

メインディッシュの前に、食べ放題のパンでお腹がいっぱい。
パスタの味もなんだか今ひとつ。

待たされすぎて、私はすっかり不機嫌になってしまった。
もうこの店に来るのはやめよう、そう思った。
ーーー

なっちゃんがボソリとこう言った。
「人を急に雇おうと思っても戻ってこないんだよ」

中華料理屋の張り紙を思い出した。

コロナがお店を痛めつけている。
席の間をあけないといけないから、売り上げが自動的に減る。
しかも、営業時間の短縮や休みがあって、お店の採算が取れないから人を雇えない。
今になって、急に雇おうと思っても、働く人が戻ってこないわけだ。

ーーー
はるちゃんの会社は渋谷にある。
気前のいいご主人がやっていた和食のお店がお気に入りだった。
ところがこの1連のコロナ騒動で、そのお店は閉店してしまった。
はるちゃん「残ってるのは、チェーン店ばっかりで、美味しい良心的なお店がほとんどなくなっちゃった」

人においしいものを食べさせたいとの心ざしを持っていた店主が、あえなく撤退していったのだろう。
いったいどうしたら良いのだろう。

電気代も上がるし、原材料も上がる。
これからの生活の行く末を思うと不安だ。

せめていいお店を見つけたときには、できるだけ通って応援しようと心に決めた。
(サンマ○クはもう行きませんが)

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