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定年後の夫の育て方(3)キャベツスライスから始めよう・・・・「え、本当に働かないの?」

定年後の夫の育て方、第3回です。
以前の話はこちら

第2回の簡単なあらすじ
理科系夫(家族に退職記念ランチをしてもらった。お疲れ様といわれて、ようやくたっぷり寝られるようになった。これからゆっくりしてと言われたのに、雲行きが怪しい。。。)

あつこ(なんか、家事をして、フルタイムで働きだして、前より大変なんだけど。。。疲れが抜けない)

(さっと内容を知りたい方のために)
第3回の簡単なあらすじ
理科系夫(退職後、ひと月が経ったが、あつこが機嫌が悪い。朝のサラダを作ろうと動き出した。頑張っているつもりなのにあいかわらず機嫌が悪いまま・・・)

あつこ(少しは動くようになったけど、まだまだよね。料理なんて一切やってこなかったし。いつまで主夫続けるつもりなのかしら)

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きっかけはブロッコリー

あつこの怒りの気配を感じた翌日のこと。
理科系夫、
たまたま長女のはるちゃんとスーパーマーケットで買い物をした。

はるちゃん「これ、ゆでるとおいしいから、また買おう」
ブロッコリをかごに入れた。

理科系夫(おいしいのか・・・)
まねをしてブロッコリをかごに入れた。

家に帰って、ネットでゆで方を調べた。

・お湯を沸かす
・ブロッコリーを房に分ける
・1リットルに塩小さじ1
・ゆであがったら、自然冷却

なぜこんなに細かくわかるか?
彼がメモアプリ(Evernote)に残しているからである
あさイチでも紹介されていたあのメモです!奥様!

キャベツスライスに挑戦

こうして、ブロッコリーは、良い加減に茹で上がった。
理科系夫、そこで再び考える。


朝ごはんに欠かせないもの。
それはサラダという名のキャベツスライス。

健康が気になるお年頃なのだ。

たっぷりのキャベツスライスとミニトマトが基本。
無塩ナッツを上に散らして
アマニ油をかける。
(ためしてガッテンでオメガ3のオイルが良いと聞いたから)

サラダの定番

キャベツスライスはあらかじめたくさん作って
大きなジップロックに入れて冷蔵庫に。
ミニトマトは野菜室に入ってる。
シンプルなサラダだ。
キャベツスライスをたくさん作るのは結構時間がかかる。
そこに挑戦した理科系夫。

・キャベツの外の皮を2、3枚剥がす
・スライサーをセット(キャベツ用に大型)
・少しずつスライスする
・水で、ざっと洗う
・スピナーで水分を飛ばす


スライサーの力加減が強くて力任せなので、
キャベツの1本1本があつこがやるものよりも太かった。
スピナーで水分を飛ばすと、細かいキャベツのかけらがいろんなところにくっついてしまって、回収するのが大変だった。

そんなこんなだったが、挑戦を続けた。
スライスといえども、ある程度のコツが必要だと
学んだ理科系夫なのである。

キャベツスライスをしてもらうようになったので、その部分は楽になったあつこ。
だけど、相変わらず不機嫌なままであった。
その理由は…。


フルタイムに気を使う

あつこは久しぶりのフルタイムで疲れていた。
パソコンや事務処理は嫌いではない。
しかし知識は日進月歩でブラッシュアップが欠かせない。

また年齢のせいか、単純ミスが連発。
情けなかった。過去のバリキャリだったわたしはどこ行った。
ひとつひとつ、よりていねいに取り組まなければダメだ。

そのほか、年下の派遣仲間との仕事は結構気を使うものだった。
スーパーバイザーとの相性もある。

夕飯も出来合いの惣菜を買って帰っていた。
かえってお金がかさむ結果となり。
何のために働いてるのかよくわからなくなった。

キャベツスライスをしてもらうのはありがたいが、そのありがたさを感じるには疲れすぎていた。(もう少し時給が高かったらやる気になったのだろうが、このご時世、なかなかそこはまでは恵まれない)

以前の週三回程度のパートの感覚を思い出すようになっていた。
今から考えると、お気楽この上なかった。
やはり、家計を支えるだけの収入は大変だ。
あつこがどれだけ逆立ちをして頑張っても、
夫の収入にはまるで届かない。
何も収入がないよりは良い、そういうスタンスで働いている。

まだ働かないの?

夫は退職後1ヵ月半が経ち、夜も十分に寝られているようだ。
本当にこの人、このままずっと働かないつもりなのかしら…?

あつこの親友のご主人たちは、65歳を過ぎても働いている。
ふと周りを見回してみると、主夫がいなかった。

「ゆっくりして」と言ったけれども、
ちょっと経ったらきっとまた働き出すだろうなと思っていた。
でも、1ヵ月半たっても、この人全然働き出す気配がない。

そして、残業が終わって帰った晩のこと、ついに言ってしまった
あつこ「もう働くつもりはないの?」

理科系夫は、こちらはチラリと見てから答えた。

理科系夫「ハローワークの仕事はまぁいいなと思うものもあるんだけど」

あつこ「うん」

理科系夫「そういうものに限って月曜から金曜までの週5回出社だったりする。
もう週5回の働き方はしたくない」

あつこ(…………)

理科系夫「退職して1月半が経ったけれど、おそらくボクはすぐに働くことは無い」

あつこ「・・・・・・・本当に働かないの?」

理科系夫は、戸惑ったような表情でこちらを見返すだけだった。

後で音声配信を貼り付けます。

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