♪うっかりと適当とめぐりあわせと♪

トマト缶を開けようとした。
プルタブをひいた。
プルタブが変な方向に折れて取れた。

あつこ「ふぉっ！」

ええと、これはどうすれば開くのか？

10秒ほど考えけど、何も思いつかない。

プルタブが取れてしまった平らな面。

これはもう、あれでしょ。
原始的に行くしかないでしょ。

取り出したのは缶切り。

いやいやー。使うのは久しぶりだ。
缶の上下を反対にして、っと。

ガコガコガコガコ…

(わざわざ下の面を切ったのは、
そのままだとなんか変なことになるような気がしたから。
思わぬところが開いてしまったり)

無事に切れた

こうしてトマト缶が開けられた。

なんでこうなるの？

ーーーーー

あつこは
昔から意図せずに
変なことになってしまうことが多い。

学生時代、アルバイト先で。

ドアを開けたら、
ドア上部に付いているクローザー(ドアが自動的に閉まるようについている)が
ガコーン！
という音とともに落ちてきた。

驚いて、その場で立ちすくむことしかできなかった。
なんだなんだ？？
人がたくさん集まってきて、恥ずかしかった。

ーーー
卒論のために、重い腰を上げて出かけた国会図書館。
予定が変更されていて、休館日だった。
なんで今日なの？
そこでしか借りられない資料があったから、がっかりした。
仕方なく、ちかくの公園を散歩だけして帰った。あの時の失望感を今でも覚えてる。

ーーー
社会人になってから
テニスボールが、
わざわざコート外で観戦していた私を
めがけて飛んできた
（もちろん、命中してアザになった)。

ーーー
網戸がうまく開かないので、
力まかせに開けたら
レールから外れてしまい。
外側に倒れて
その勢いで網が破れてしまった。

ーーー

会社で。（今から30年前)
グループでの食事会には、福利厚生の一環として全額補助が出ることになった。
ただし、領収書が必要だった。
その時、グループリーダーだった私は
みんなの分の食事代を払って、
領収書をもらうの忘れた。
結局自腹になった。
ああ、もう。
もちろん、誰からもお礼を言われていない。

ーーー

つい先週のこと。
ダイレクトメールで。
外側の透明ビニールに私の住所が書かれた紙が貼られていた。
その紙がうまくはがれない。
そこでそのビニールごと、シュレッダーにかけた。
ところが、

ぎゅぎゃぎゅぎゅぎゅぎゃっ

シュレッダーが変な音とともに止まってしまった。
いや、小さな紙だし、
ビニールも大きくないから
このぐらいなら切れるかな、と思ったのに。
ーーーー

理科系夫「確信犯でしょ」

25分ほどかけてシュレッダーを直した夫の言葉。

あつこ「いや、このシュレッダー、
力がつよいし。
このぐらいのビニールだったら切れるかなと思ったの」

理科系夫「注意力が足りないから」（そのあとを言いかける…）

あつこ（夫の答えを聞いていない)
「そういえば、思い出した！
何かの箱が開かなくて、ぎゅうぎゅうと力をいれたら「ツメ」が折れてしまって」

あつこ「ツメを補修したんだけど、
結局ダメで捨てるしかなかったことを。
確か去年かおととし、そんなことがあったよね。
あれは何の箱でしたっけ？」

理科系夫「……
いろんなことがあったからのう。
ふぉっふぉっふぉっ」

あつこ「なんで急に
昔話のおじいさんになっているのよ！」

理科系夫「もういろいろありすぎて、
覚えていられないよ」

あつこ「ええー」

ーーー

60歳すぎてもこれなので
一生このまま行く。
確かに、不注意だし、
物の仕組みも理解してないし、力任せだから。

そしてすべて適当だから。

変なことを引き寄せる力みたいなものを持っているオンナ。
それがあつこ。

こんなに広い世の中ですもの。

うっかりと
適当と
めぐりあわせと。
（誰かに歌って欲しい）

意図せずに
なにこれ…みたいな出来事を呼び寄せてしまう
力を持った人、あなたの周りにいませんかー！
お友達になりたいです。
（けっこうおもしろい生活してますよ〜）